ユーザーインターフェース(UI)って何?|仕事百科

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UIという言葉を耳にされたことがある方も多いのではないのでしょうか。なんとなくは想像できても、実際に「ユーザーインターフェースってどういうこと?」と聞かれたらきちんと説明するのは難しそうです。そこでこの記事にはUIに関する周辺知識をまとめました。いままでフワッとしていた知識を、ここで再確認しましょう!
編集・執筆 / ASAMI KIMURA, AYUPY GOTO

目次

  • 1. はじめに
  • 2. インターフェースとは
  • 3. インターフェースの種類と例
  • 4. UIとユーザビリティ
  • 5. UIとUX
  • 6. 最後に

1. はじめに

ユーザーインターフェース(UI)といえばなんとなく、「スマートフォンやPC画面でソフトが表示されている画面のこと」と考えているかもしれません。また、UIがなんたるかを知るよりも、クリエイターとしてはついついUIの優れたデザイン自体に目を向けてしまいがちです。
けれども、この記事では「インターフェース」という言葉の意味から順番に理解していきたいと思います。UIの重要性に目が向けられるようになった経緯を知っていきましょう。

2. インターフェースとは

まずは単語の後半の「インターフェース」という用語だけ取り上げてみましょう。
インターフェースはコンピュータ関連でよく使われる用語です。英単語としては、境界面、接触面、界面などを意味します。

IT業界では、何か2つのものの間で情報などのやりとりを行うときの方法や方式、手順ややり方のことをこう呼びます。窓口のようなイメージを持つと良いでしょう。ここで言う2つのものとは、機械同士だったり、ソフトウェア間のやりとりだったり、機械と人間とのやりとりだったりとさまざまな場合があります。

インターフェースを改善していくことで、2つのものの間のやりとりをよりスムーズに行えるようになります。それによって目的の作業の効率を上げることができます。特に対人間のやりとりを行う場合、インターフェースの工夫は効果的です。単純な作業効率や使いやすさだけではなく、ユーザーが得る感覚や体験の心地よさ(ユーザーエクスペリエンス/UX:後の項目で説明)にも大きな影響をもたらします

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3. インターフェースの種類と例

インターフェースにも様々なものがあります。私たちの聞き慣れたUIも、この中のひとつです。

  • ・ハードウェアインターフェース
    • 例:usb、HDMI端子、家庭用コンセントなど

    コネクタ・ケーブルを使った装置間の接続などを定めるシステムのこと。この規格があることで、異なるメーカーの機器間でも接続ができる。PCと周辺機器をつなぐUSB端子や液晶モニタと装置をつなぐHDMIなどのディスプレイ端子、オーディオ端子やコンセントもハードウェアインターフェースである。

  • ・ソフトウェアインターフェース
    • 例:API、ファイル形式など

    アプリケーションソフトウェアどうしやアプリケーションとOS(オペレーティングシステム)との間でデータをやりとりする手順や規約のこと。

    ソフトウェアインターフェースで代表的なものとして「API (Application Programming Interface)」がある。これは、ある既存のソフトウェアなどを利用した別のアプリケーションを開発する際に必要になるインターフェースである。APIにより元のソフトウェアのプログラムを呼び出す(データのやり取りをする)ことで、開発するアプリケーションを動作させることができる。扱うシステムによって様々なAPIが存在する。

- OSって?

Operating Systemの略で、コンピュータを動かすための最も基本となるソフトウェアのことです。
この基本的なソフトウェアの上で、そのOSに対応した様々なアプリケーションを動かすことができます。
PCではWindows, Mac OS, Linux など、
スマートフォンではAndroid, iOS などがそれにあたります。

  • ・マンマシンインターフェース(ヒューマンインターフェース/HMI とも)
    • 入力装置例:キーボード、マウス、スイッチ、ハンドル
    • 出力装置例:ディスプレイ、スピーカー、ランプなど

    人間と機械の間で情報を伝達するための入出力装置のこと。人間工学に基づいて安全性や利便性などが追求され、身体的にストレスを生まないプロダクトの設計が求められる。

  • ・ユーザーインターフェース(UI)
    • 例:CUI (Character User Interface)、GUI (Graphical User Interface)など

    コンピュータを扱うときに利用者が情報を受け取ったり入力したりするための仕組み。CUIとはキーボード入力のみでコンピュータを操作するUIの仕組みであり、対してGUIは現在ほとんどの人が行うような、ディスプレイ上のカーソルをマウスで動かし、適宜文字入力をするという操作方法である。

    かつてコンピュータを操作するにはCUIしか方法が用意されていなかったが、GUIで操作するコンピュータとしてApple社が「Macintosh」を一般的に普及させたことで、今のようなUIの形が主流になりました。

    GUIが誰でも直感的に操作できるという一方、CUIでコンピュータを操作するにはコマンド入力を覚える必要がある。しかし慣れると早く、複雑な処理も比較的簡単に行うことができるため、CUIは今でも開発者向けの操作方法として用いられている。

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- マンマシンインターフェースとユーザーインターフェース(UI)

どちらのインターフェースも同じ、機械対人間ですが、どこが違うのでしょうか?
簡単に言うと、UIは機械の中でも特にコンピュータと人間とのやりとりのことです。さらにキーボードや装置としてのディスプレイはマンマシンインターフェースですから、ディスプレイ上にデータをどう表現するかという方法がUIになります。人間が思考する、目で見る内容の部分により密接なのがUIです。
タッチパネル操作のスマートデバイスの普及によってマンマシンインターフェースとUIの境界がわかりづらくなってるかもしれませんが、考え方としては基本的に別のものです。

4. UIとユーザビリティ

ここまでの説明を読んでいただければ、IT業界においてデザインの求められているUIとは、ユーザーインターフェースの中のGUIのことだとおわかりいただけたかと思います。誰でもコンピュータを扱いやすいように、視覚的なディスプレイを用いて設計するインターフェースです。

さて、UIとセットで使われると言ってもいい単語に「ユーザビリティ」があります。ユーザビリティとはつまり使いやすさのこと。GUI自体はもともと誰でもコンピュータが扱えるようにする目的で登場していますが、ユーザビリティという考えは昔から定着していたわけではありません。

それではなぜ、ユーザビリティが注目されるようになったのでしょうか?

理由としてはIT技術の発達によってコンピュータを多くの人々が使うようになったことがあげられます。コンピュータを専門分野とする人間だけが利用していた時代に比べると、一般的なユーザーからの使いにくさ・難しさの問題が目立ってきました。いくら機能が備わったコンピュータとはいえ、商業的に成功するためにはこの問題の解決が必要です。そこで、ユーザビリティが考えられるようになったのです。
さらにコンピュータそのものの使いやすさだけではなく、Webを使った一般向けのサービスも増えました。ビジネス競争の中でももちろん使いやすいサービスがユーザーに支持されます。そこでソフトウェアやWebサイトのユーザビリティが注目され、そこで展開されるUIもどんどん洗練される方向に向かっています。

ちなみに、ユーザビリティに対する語句は「ユーティリティ」です。ユーティリティの意味は機能、有用性です。ユーティリティを充実させることは大事ですが、機能を詰め込みすぎるとかえって使いにくくなり、ユーザビリティが低下するという現象が起きます。

5. UIとUX

ユーザーインターフェースに似た単語として「ユーザーエクスペリエンス(UX)」があります。よくUI/UXと表記されるため混同しがちですが、この2つの意味合いは異なります。

UXとはユーザー体験と訳され、ある商品やサービスを利用した時の体験や、その後に得られる満足度などを含めたユーザーの体験全体のことを指します。抽象的な概念であり、厳密な定義はされていません。また、この言葉はマーケティング用語としてIT業界以外でも使われることがあります。
なぜUI/UXとひとくくりに書かれることが多いかというと、UIはUXの中の一部に含まれるからです。

例えば「ユーザーのストレスが解消された感覚」をUXの目標としたアクションゲームでは、ゲーム内容そのものから得られる爽快感以外にも、直感的な操作をもたらすUIがUXの向上には必要不可欠になります。UIはデザイン的な側面が強いのに対してUXはサービス全体に関わる概念なので、企画の時点から意識しておく必要があります。

ここで注意しておきたいことはUIもUXも商品やサービスの本質を引き出すためのものであり、付加価値として付け加えられるものではないということです。ユーザーのどんな体験のためにどういうふうにユーザーに使ってもらいたいか。それを実現するために必要なのがUI/UXなのです。

6. 最後に

いかがでしたか?ユーザーインターフェースが重要とされる背景を知ることができたでしょうか。
いま主流となっている他の考え方や概念にも、それぞれの成り立ちがあります。
自分に直接的に必要なもの以外にも少し踏み込んだ知識を持つことで、周りに一歩差をつけたクリエイターになることができるでしょう。

(2015.7.20)

著者

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K村

UI/UXデザイナーとして働く会社員。コピーライティングを学んでからマーケティングへの関心が強くなった。SF的なものが好き。はたらくビビビットのインターン1期生。

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