現役クリエイターに聞く!現場で使用するツールと学生時代に習得すべきツール

jahahagg

みなさんは自分が目指す業界で主流となっているツールをご存知ですか?今回は様々な業界でクリエイターとして働く方々に、実際にどのようなツールを使い制作を行っているのか伺いました。 実際に現場で使用されるツールを知ることで、業界の知識が深まるだけでなく、今後どのような勉強をしていけばいいのかという参考になるはずです。自分の興味のある業界の情報はしっかり確認しておきましょう。
編集・執筆 /MAMI INUZUKA, AYUPY GOTO

1.今回伺った質問内容

現役で活躍されているクリエイターの方に以下のことをお聞きしました!

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?
Q2.1年間でツールの購入・利用にかかる金額はどのくらいですか?
Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?
Q4.その理由を教えてください。

IT業界 / UIデザイナー

juhuku

寿福 まりか さん
じゅふくまりか

多摩美術大学情報デザイン学科卒。15新卒でDeNAへ入社。UIデザイナーとして新規事業「Mirrativ」を担当。家にはtedのぬいぐるみが2匹在中

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Sketch

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約1万円

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

Sketch, Illustrator, Photoshop, After Effects

 

Q4.その理由はなんですか?

・Sketch プロトタイピングを作る際、手書きの次に効率が良いです。 また、サービスのデザインがメインであればどのツールよりも使い勝手が良いです。 ガイドを自動作成してくれる機能もあるため、エンジニアさんとのやりとりが円滑に行えます。
・Illustrator Sketchでは繊細なパスを描くことに長けていないため、補う必要があります。ロゴやアイコン制作等でよく使います。
・Photoshop 画像の編集で確実に使います。 Photoshopを極めればデータは重くなりがちですが、SketchとIllustratorを使用せずに高いレベルまで作り込むことができます。
・Affter Effects 主にjavascriptやアプリのアニメーションをエンジニアさんに伝えるために使用します。 使えなくても上記3点よりは困りませんが、使えたほうがなにかと役立ちます。


 

3D・IT業界 / CGデザイナー

shirai

白井 慧 さん
しらいさとし

3DCGアーティスト 京都精華大学デザイン学部卒。 インスタレーションアートやVRコンテンツのアートディレクション及び3DCGパートの実製作を手がける。3DCGイラストレーターとしても活動中。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Cinema4D, MODO, Unity, Unreal Engine 4, ZBrush, Photoshop

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

初期費用のみなのでほぼないです。ツールすべてを合わせると約50万円くらい。

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

Cinema4D, Photoshop

 

Q4.その理由はなんですか?

3DCGは専門性が高く、社会人になってからなかなか手を出せない人がほとんどです。 なので学生で時間のあるうちに3DCGをある程度習得しておき、さらに皆さんの持つデザインやイラストといったスキルが加われば、まだまだ重宝される人材になれると思います。Cinema4Dは3DCGソフトの中でも敷居が低めで使いやすいのでおすすめです。


 

ソーシャルゲーム業界 / ゲームグラフィックデザイナー

mizuno

水野 友紀 さん
みずのゆうき

フリーランスイラストレーター。 東洋美術学校卒。 卒業後、アートディレクターとして就職し、 2015年夏にイラストレーターとして独立。 ソーシャルゲーム系イラストを中心に制作活動中。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

CLIP STUDIO PAINT PRO, Photoshop CS5, Cintiq Companion(ペンタブ)

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約4000円

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

Photoshop, CLIP STUDIO, SAI

 

Q4.その理由はなんですか?

クリエイター向けのソフトは高価なものが多いですが、学生割引によって安く購入できる場合もあります。社会人になってからは会社で購入してもらえるケースもありますが、プライベートでも使用する場合はほとんどが自費となるでしょう。したがって、上記のようなソフトを学生時代に購入しておくことをお勧めします。


 

ウェディング・イベント業界 / 空間デザイナー

hirazu

平津 優 さん
ひらつゆう

完全オーダーメイドウェディング「CRAZY WEDDING」アートディレクター

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

コピック, ボールペン, Illustrator, Photoshop

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約1万5000円

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

Illustrator, Photoshop

 

Q4.その理由はなんですか?

デザイナーとしてデザインをする上で最低限必要なツールだと思うからです。Illustratorは資料作りや制作過程で必ず使いますし、Photoshopは写真加工で毎回使っています。したがって、学生時代に基本的な操作を習得しておくといいでしょう。


 

デザイン業界 / グラフィックデザイナー

inose

猪瀬 まな美 さん
いのせまなみ

2012年夏、ノラネコデザインとして独立。グラフィックデザインを中心に、映像美術、イラスト、MC、イベント企画など、幅広い分野で活動中。ウクレレも練習中。http://noranekodesign.weebly.com/

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Illustrator, Photoshop, ミラーレス一眼, 色鉛筆, サインペン, 羽ペン, クレヨン

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約10万円(機材の減価償却含む)

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

デッサン力と審美眼

 

Q4.その理由はなんですか?

ツールじゃないじゃん!と思うかもしれませんが、デッサン力と審美眼は、自分の体内に絶対に持っていなくてはならない重要なツールです。 デッサンと言っても受験のように何時間もかけて描き込むものでなく、スケッチやイラストのようにデフォルメしたものでも構いません。要は、伝える技術としてのデッサン力です。紙とペンだけで相手にイメージを伝えることができると、説得力が違います。 また「伝わる・伝わらない」「イケてる・イケてない」を見極める審美眼は最も重要です。これは自分のデザインを客観的に判断し制作する際にも、ディレクションする立場になった際にも常に必要です。 審美眼を手に入れるには、世の中のたくさんのデザインを見て、自分なりに考えることを繰り返すしかないと思います。デザインは創作物に限らず自然界や街の中にもたくさん存在しているので、自分の引き出しを増やせるように意識して生活すると色々な発見があるはずです。したがって、学生時代は色々な場所に実際に行って、自分の審美眼を育てつつ、伝えるためのデッサン力を習得しておくと良いと思います。


 

出版業界 / エディトリアルデザイナー

sekido

関戸 愛 さん
せきとあい

京都精華大学デジタルクリエイションコース卒業、株式会社ベイブリッジ・スタジオ勤務。 マンガ雑誌の誌面デザインやコミックスの装丁。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Illustrator, Photoshop

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

基本的に会社持ちなので、実際の経費はよく分かりません。

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

ありません。

 

Q4.その理由はなんですか?

仕事を始めたら使ったことがなくても、苦手でも、それぞれのツールを使いこなせるようになるからです。 もちろん、学生のうちに使い慣れていれば、社会に出た際に出来ることの幅が増えるのかもしれません。 しかし、学生のうちは学生のうちにしか出来ないことを沢山やっておくことをおすすめします。 私のいる業界では、休む時間がなかなかとれないので、社会に出る前に色々な所に出かけ、見て、聞いて、興味アンテナを沢山はっていくのが1番です。 そういった学生時代の体験が仕事で活かされることは多々あります。したがって、学生の間は今の時間をとにかく大切に過ごしてほしいです。


 

web業界 / ウェブデザイナー

yasutake

安武 沙也加 さん
やすたけさやか

高校から大学までデザインを学ぶ。タイポグラフィやレタリングが好き。DTPからUIまで絶賛幅広げ中。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Sketch3

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

99ドル(1ドル120円とすると1万1800円)

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

Illustrator, Photoshop, Sketch3

 

Q4.その理由はなんですか?

Webデザイナーを目指している人は、ロゴやアイコン作成、画像処理、UI設計までするので、これらツールはおのずと使用するツールになります。 また、便利ツールとしてFlycutをおすすめします。コピーした内容を保存して管理できるので、コーディングの練習をする際に、大変役に立ちます。


 

ファッション業界 / ファッションデザイナー

matsuura

松浦 あや さん
まつうらあや

ファッション 小学校4年生の頃に初めて購入した漫画を読んで職業をしり、 ファッションデザイナーを志す。大学・専門学校でファッションを学び、 現在東京を拠点にメンズブランドayymatsuuraを運営、代表を務める。 大学時代インターン先に学んだPR業界の知識を活かし、現在SNSを中心に商品を販売。 その時に注目を集めるメンズモデル、俳優、歌手、アーティストとのコラボレーションで ブランドのイメージであるネオイケメン像を提案している。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

Illustrator, 鉛筆, 色鉛筆, 絵の具, クレヨン, 雑誌, Photoshop

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

10万〜20万(消耗品の補充、新しい道具を見つければ購入するので、変動あり)

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

デザイン専用PCソフト(特にIllustratorやPhotoshop)

 

Q4.その理由はなんですか?

鉛筆や絵の具などを用い、直接紙に書き上げることもありますが、その模索段階として、IllustratorやPhotoshopなどを使用した作業はクリエーションの可能性を広げるのにとても重要なツールになります。したがって、学生時代にある程度、自分のイメージをIllustratorやPhotoshopを用いて表現できるようにしておくと便利でしょう。 また、デザイナーとはいえ、いちビジネスマンです。 ビジネスをしていくために必要なPC作業も、スキルとしては必須事項でしょう。


 

建築業界 / 建築デザイナー

murayama

村山 昭宏 さん
むらやまあきひろ

京都精華大学デザイン学部建築学科卒業後、 店舗デザインの企業を経て、リノベる株式会社に入社。 “設計・施工・デザイン・コンサルティング”の4本軸をテーマに活動中。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

VectorWorks, JWCAD, Rhinoceros, Cinema 4D, Photoshop, Illustrator, フリクションペン

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約20万円

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

JWCAD

 

Q4.その理由はなんですか?

施工側での互換性がまだまだ高いのでJWCADをおすすめします。また、スピーディな作図作業ができ、実施向けです。 スピード感が求められる設計の現場で、必ず役に立つでしょう。


 

家電業界 / インダストリアルデザイナー

koguchi

小口 高彬 さん
おぐちたかあき

現在は家電メーカーでインハウスデザイナーとして製品デザインを担当。京都精華大学プロダクトデザイン出身。

 

Q1.現場で主に使用するツールはなんですか?

工具(カッター、接着剤など), Creo(3Dソフト), Illustrator, Photoshop, showcase(3Dレンダ), 3Dプリンター

 

Q2.1年間でツールの購入・利用にかかるおよその金額はどのくらいですか?

約5000円

 

Q3.学生時代に習得すべきツールはなんですか?

モックをすぐ作るための道具と素材

 

Q4.その理由はなんですか?

いろいろな工具や素材を組み合わせて、素早く自分のイメージを作りあげられるようになっておくべきだと思うからです。もちろん3Dソフトなど専門的なツールも重要ですが、デザインの骨の部分を作る際には綺麗なものを作る必要はなく、粗野でも動くダーティーモックを作って実際に体験し、改良を繰り返すことが大事です。見た目にこだわる必要はありません。みんなが出した案をすぐに具体化し、次の議論に発展させるためにも、モックを作る力は必須でしょう。


 

2.最後に

自分が目指す業界で使われているツールを知ることで、今後どういう勉強をしていけばいいのかを知る手がかりの一つになるのではないでしょうか。今回紹介されていたツールを少しでもマスターしていれば、就職活動をする際に一目置かれるかもしれません。今回の記事を参考に、自由な時間がたっぷり学生時代に、自身のスキルアップに励んでみてはいかがでしょうか。

(2016.3.24)
Mami Inuzuka

著者紹介

犬塚茉実Mami Inuzuka

名古屋市立大学 芸術工学部所属。デザイン系の学科に所属していますが、Webデザインは独学で勉強中。Web上での人と人とのつながりに感動する日々です。現在はアメリカのシアトルでビジネス留学をしています。好きなものはコーヒーとタイ料理!
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