これからデジタルイラストをはじめる人へ。知って得する画法と制作のポイン ト

デジタルイラストメイキング

近年、多様なデジタルコンテンツの普及と共に、デジタルイラストの需要が増えてきています。そのため、イラストレーターのツールもアナログからデジタルへと移行しています。しかし、ペンタブレットを使ったデジタルイラストに慣れるには時間がかかります。
今回はデジタルイラストを描く上で感じる違和感を乗り越え、上達するためにまず覚えるべき機能と画法をご紹介します。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO

目次

  • 1.デジタルイラストを描く上で覚えるべき3つの機能
  • 2.グリザイユ画法でデジタルの色塗りに慣れよう
  • 3.線を着色してみよう
  • 4.最後に

1.デジタルイラストを描く上で覚えるべき3つの機能

ペンタブレットを購入して初めてイラストを描く瞬間、誰もが胸を踊らせると思います。しかし、いざ使いはじめるとソフトには多種多様な機能が存在し、どの機能で何ができるか把握するのに時間がかかります。ペンタブレット自体の調節や自分にあった描画方法も見つけていかないといけません。
今回は多種多様な機能の中で、最も使う3つの機能をご紹介します。この3つの機能を覚えるだけで、デジタルで描く素晴らしさが体感できると思います。

1.レイヤー機能を知ろう

レイヤー機能は描画している層とは別に、新しい層を作り描画できる機能です。下書きとは別にレイヤーを作成し、線画を重ね描きすることができます。
レイヤー作成

2.レイヤーを加工して雰囲気を出そう

レイヤーにある合成モードという機能を使って下のレイヤーに加工を施す機能です。モードの種類は様々。中でも影付けに使いやすい乗算、色付けに使いやすいソフトライトとオーバーレイの3種類は、様々な場面で活用できる機能です。
加工

3.クリッピングマスクではみ出さずに絵を描こう

影付けをする時に線やパーツからはみ出して色塗ってしまうことがあります。しかし、クリッピングマスクを使えば基準となったレイヤーからはみ出さずに描画ができます。
クリッピング

2.グリザイユ画法でデジタルの色塗りに慣れよう

デジタルイラストは蛍光色から重く暗い色まで、多種多様な色彩が表現できます。そのため、色塗りではアナログとハレーションのような感覚に陥ることがよくあります。そんな時にオススメなのが、乗算やオーバーレイを使ってモノクロで描いたイラストに色をつけるグリザイユ画法です。

グリザイユ画法

グリザイユとはフランス語で「灰色」という意味で、モノクロームで描かれた絵画を示す言葉です。セピア調としても描かれ、装飾、油絵の下絵として用いられた画法です。デジタルイラストではモノクロで描かれたイラストに加工を加えて色付けする画法になります。
影と光で最初にイラストを描くため、雰囲気がまとまりやすく、配色の組み合わせも試しやすい安定感のある塗りができます。厚塗りを好む人が特に好んで使用する画法です。
しかし、発色が黒っぽくなりやすく、描き方によっては修正が難しい画法です。

1.モノクロで下絵を描く

まずはじめにモノクロでイラストを描きます。今回はパーツごとに線画を分けてから色塗りをするためのベースとなるレイヤーを作成します。
この線画や色塗り用のレイヤーを分けるのは個人の自由なので、モノクロのイラストが描けるなら1枚のレイヤーに描き込んでも大丈夫です。
グリザイユモノクロ

2.クリッピングと加工で色を塗る

ベースとなるレイヤーの上にクリッピングするレイヤーを作成し、加工して色を塗っていきます。
クリッピングレイヤーが複数重なった場合、一番下にあるクリッピングレイヤーの真下にある通常のレイヤーが基準になります。
グリザイユ着色

3.加工して色を調整する

先ほどの色塗だけでは下のレイヤーの黒い部分が残って黒っぽいイラストになります。
そこで新しくクリッピングレイヤーを作成し、黒い部分を重ね塗りして明るい色調にします。これで着色完了です。
着色調整

3.線を着色してみよう

近年のデジタルイラストを見ると線の色を変えて透明感を出しているものが増えています。
厚塗りテイストも色彩構成のようなイラストも、線の配色がキマっていると絵の雰囲気がでて、完成度はグッと上がります。
しかし、影の描き方にこだわったイラストでは線の配色で雰囲気が崩れてしまうことがあります。
先ほど描いたイラストを元に、実際に線の配色を変えるとどうなるかポイントを探したいと思います。

線画を着色する

着色した時のように、線画レイヤーの上にクリッピングレイヤーを作成し、着色していきます。


図解のように線は立体の側面、影が凝縮している地帯です。そのため線の配色は影の延長としてパーツごとに塗ることで違和感なく配色できると思います。
また、ハッキリ見せたい目元や輪郭、立体感を強く出したいところに濃い色を塗るとイラストが引き締まります。
ただこれは個人の好みなので、いろんな配色を試してみてください。

4.最後に

今回はCLIP STUDIO PAINTを使ってデジタルイラストを描くポイントを紹介しました。CLIP STUDIO PAINTには他にも使いやすい機能があります。その機能も使いこなせれば、もう怖いものなしです。
あなたも「CLIP STUDIO PAINT」でデジタルイラストデビュー!
また、デジタルイラストは多種多様な色彩から様々なテイストのイラストが描けます。配色に関しては様々な記事があるので、自分の好きな雰囲気を探してデジタルイラストに反映してみてはいかがでしょうか。
配色で見え方が変わる!色使いを武器にしよう
色のいろいろ、日本のポップカルチャー配色術!
デザインの印象は色が左右する!配色パターンについて考えよう

(2016.11.15)
HarunaKawanabe

著者紹介

川鍋春菜HarunaKawanabe

多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
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