簡単なドローイングを続けることで何が変わる?継続と理解による効果

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絵を描くことを指す「ドローイング」という言葉に聞き覚えがある方や、実際に行ったことのある方は多くいるのではないでしょうか。ドローイングは、紙とペン1本あれば誰でも簡単に行えるものですが、ドローイングをすることによって一体どのような効果や表現が鍛えられるのでしょうか。
今回は「ドローイング」について考えてみたいと思います。

編集・執筆 /YAMADA, AYUPY GOTO

・ドローイングとは何か?

そもそも「ドローイング」とは、線を引くことからきており、一般的には線画として訳されています。製図もドローイングの一部です。
デッサンは、長時間使って描き込みを多く行うものを指しますが、ドローイングは基本的に短時間で線的表現をしているものを指します。クロッキーは早描きや速写を意味するので、ドローイングに近いものがありますが、デッサンのような面で表す表現を含んでいます。一方ドローイングは「線が主体」の絵を指します。上から色を着彩するものもありますが、基本的には単色です。
ドローイングのドローは(描く)という意味なので、正確な振り分けを意識せず、あくまでニュアンスとして使われる場合が多いです。

・ドローイングを続けることによる効果って?

そもそもなぜドローイングをする必要があるのでしょうか?これについては、何故絵を描くのか?という疑問と似た意味合いになり、今回少し題材が異なることもあるため深くは追求しませんが、ドローイングをすることは「時間をかけて描き込む程ではないが描きたい」「線的表現で表したい」「描くことの上達を望んで練習として描く」「ドローイング作品をつくりたい」といった、様々な目的が考えられます。

そして、そのドローイングには人それぞれにやり方があると思いますが、上達を目指した上で行うならば一番望まれるのはやはり継続することです。回数を重ねることで上達の効果が得られるでしょう。そして、描くこと自体の上達だけでなく、日課として続けることによる継続力、集中力等も養うことが期待できます。

何を、どうやってドローイングすればいいのか

★30秒ドローイング

代表的なドローイング方法としては「30秒ドローイング」です。
様々な人体のポーズを30秒以内で描くというもの。

★POSE MANIACS
http://www.posemaniacs.com/blog/thirtysecond
こちらのサイトはご存知の方も多いかと思いますが、人体の3Dモデルを使用したドローイング用サイト。10〜90秒間を選択でき、その時間ごとに違ったポージングを表示してくれます。

ただし……

1枚30秒ということで数はこなし易いのですが、ただこなすだけではあまり効果的ではありません。
筋肉の付き方や骨のしくみなど、複雑な構造がそれぞれに作用してこそ、人間の身体は自立し動き、走ることができます。それを少しずつでいいので考え、理解していきながら描くことが大切です。ドローイングから基礎的な理解につなげることが出来ます。

人体だけでなく、自分で30秒や1分など時間を決めて、無機物なものをドローイングするのも◯。

右脳で描く……?

脳は右脳、左脳で異なった動きをしています。
左脳は、言語機能や計算、理論に基づくものごとを司る機能を、右脳は音楽や美術などの芸術性を司る機能を担っているものだと言われています。
そのため左脳は、絵を描くときもそれぞれ名前のついたモノとして判断してしまいます。例えば、人の顔を描くときに部分的に目、口、髪と判断します。これが右脳の働きを妨げてしまうことに。
右脳を働かせると、目を目と判断するのではなく、空間的にものごとを考え、形として捉えることで描写の正確さが上がります。
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こちらは対象物を描き写すようなデッサンにとても有効なので、30秒ドローイング等にも効果があると考えられます。


※しかし、部位を理解をして構造を把握するような左脳的働きも必要!

描いている最中は右脳フル回転でもいいのですが、描き終わった後、対象と見比べる時に何がどうなっているのか、何が間違っているのかをよく考えること把握することは大切です。次回同じミスをしないための左脳、より良く正確に描写できるように解放する右脳、それぞれを上手く使っていくと良いのではないでしょうか。

ログは捨てないで!

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そして自分が描いたものを捨てない!これも大切なことです。上手く描けなくても、捨てないで下さい。
ある程度続けると当然枚数が溜まってきます。このときに始めた当初のものからすべて取っておくと、過去を振り返る事ができ、最新のものと比べることが可能になります。
自分が成長しているのか、それともあまり変化が見られないのか。変化は人それぞれなので確実ではありませんが、30秒ドローイングでいくら枚数を重ねても全く変化が見られない場合は、構造や自身の悪いクセを理解しながら描くことが出来ていない可能性が高いので、そういった確認もログとして残しておくことによって改めて認識出来ますね。また、少しでも自身の成長を感じられれば、モチベーションに繋がってくるとも思いますので、捨てたくなってもグッと我慢して、保存しておくとことをオススメします。

・理解をしてオリジナリティを

大まかな身体のつくり、編成を考えながらドローイングを進めていくことによって、そこからオリジナリティというものを付加することができます。模写やデッサンには描く対象が存在し、正確に描き写すことでクオリティがあがっていきますが、オリジナルで自分でいちから描くとなると、描きたいものは頭の中です。そこでモノの構造をいかに理解して描き起こすことが出来るか、基礎知識がクオリティを大きく左右します。その基礎知識は、デッサンやドローイングで養うことが多いです。
また、基礎表現にプラスして、着色やデザインなど自身の絵柄を加えることで、オリジナリティのある作品になります。

・さいごに

生まれ持ったセンスがクオリティを左右することも事実ですが、努力の積み重ねで画力は少なからず向上します。デッサンが良い例だと思いますが、初めて描いた一枚と、その後予備校や教室に通いながら知識や技術が向上した上で描いた一枚の差は歴然です。
ドローイングは、一日や二日描いただけで驚く程上達するようなことはありません。しかし、継続してドローイングを行うことで少しずつ上達するはずです。絵を描くことを楽しみながら、知識や技術を吸収していけたらとてもいいですね。

(2016.10.11)
Yamada Miyu

著者紹介

山田実優Yamada Miyu

武蔵野美術大学でグラフィックデザインやパッケージデザイン、ブランディングデザインを主に勉強しています。 舞台鑑賞や洋服巡りが好きです。
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