香りだけじゃない。世界の美しい香水瓶のデザイン

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日常の中でなにげなく身につけたり、街中で目にする香水。そのデザインに注目してみたことはありますか。目に見えない香りのイメージを表現する香水瓶には、それぞれに様々なメッセージやコンセプトが隠されています。今回は思わず手に取ってしまいそうな芸術的で美しい世界の香水瓶をご紹介します。
編集・執筆 / SHIONE, AYUPY GOTO

●香水とは

香水とは香料をアルコールで溶かしたもの。その歴史は古く、古代エジプトの時代から宗教的な行事などに用いられていました。
現在ではファッション感覚で様々な人が使っています。
香水の制作は、香りの専門家である調香師が香りをブレンドして作られます。工業製品でありながらも、とても芸術性を感じます。香りを楽しむための香水ですが、その入れ物である香水瓶もその香りの芸術性やメッセージに合わせてデザインされています。

香水とファッションの関係

香水を販売しているブランドには、香水専門のブランドもありますが、実はほとんどがファッションブランドです。どうしてファッションブランドが香水を出すのか。香水とファッションには密接な関わりがあります。
流行に左右されやすい服やバックと違い、香りは流行に左右されにくく、名香と呼ばれる香りは100年近くにわたって売れ続けます。そしてファッションの最後のアクセントを決める役割として香水を使ったり、ファッションデザイナーが新たな美学やライフスタイルを表現する媒体としても有効です。ファッションと香りは非常に相性がいいことがわかります。

●世界の美しい香水瓶

ファッションデザイナー・ブランド

ティエリーミュグレー

エンジェル
1992年にフランスのファッションデザイナー、ティエリーミュグレーが生み出した香水。
青く透き通った星形の美しいボトルはとても印象的です。香りは、透き通る青からは意外な、チャーミングで甘いチョコレートやカラメルの香りがメインとなっています。そこに静かな上品さを感じるパチョリが香ります。一見ミスマッチな組み合わせが、不思議な魅力を醸し出している個性的な名香です。

ニナリッチ

ニナ シリーズ
2006年に発売された香水「ニナ」
アップルの形がアイコニックなこのシリーズ、今まで様々なブランドやアーティストとのコラボレーションをしており、ボトルデザインのバリエーションが多いのも魅力のひとつ。ついついコレクションしたくなってしまう可愛らしさです。

10周年である今年は、サイケデリックでカラフルなドットデザイン。フランスのアーティストCocoがデザインをしています。

ケンゾー

フラワーバイケンゾー
2001年にファッションブランドKENZO(ケンゾー)から発売された香水。「都会に咲いた一輪の花」がテーマ。フローラル系で本物の花を感じる清潔感のある香りです。
ロゴの入っていないシンプルで有機的な曲線を描くボトルは、まるで本物のポピーが凛とそこに咲いているような美しさです。発売当初のプロモーションは、パリの街に20万本のポピーの造花を咲き乱れさせるという幻想的でアーティスティックなものでした。

2007年度グッドデザイン賞受賞

マークジェイコブス

マークジェイコブスのウィメンズ香水は、どれもキュート!世界中の女性から支持されています。
かわいらしい中にも洗練されたスタイリッシュさや、上品な印象のあるボトルデザインはインテリアにしても華やかな存在感をもたらしてくれそうです。

ドット
2012年に発売された香水「ドット」のデザインは、日本人デザイナー東海林小百合さんによって作られました。
赤と黒の目を引くポルカドットに、大きい羽のついたテントウムシのボトルキャップ。自由でのびのびとした想像力を感じる、魅力的なデザインです。

香水・化粧品メーカー

ゲラン

ミツコ 
歴史あるフレグランスメーカーのゲランが1919年に作った香水「ミツコ」。クロード・ファレールの小説の中に登場する日本海軍海軍大将夫人ミツコをイメージしています。シプレー調で女性らしい上品な香りです。
画像のボトルは、そんな歴史ある名香ミツコが創業1804年の有田焼ブランド「アリタポーセリンラボ」とコラボレーションして、2016年に数量限定で発売された有田焼スペシャルバージョン。伝統絵柄がモダンに仕上げられた、特別感あるボトルデザインです。

パルフェタムール

「幸せを奏でる香水」のコンセプトで作られた日本発の香水です。
ハンドベルをモチーフにしたデザインで、4種類の色と香りの香水が現在販売されています。
繊細なドレープボトルに、装飾が施されたキャップ。優雅で上品なデザインです。

資生堂

水の香 2010
資生堂の株主優待品として作られた非売品香水。「湧水」がテーマで、梅花藻をメインにしたグリーンフローラルのさっぱりとした香りです。
ボトルに刻まれた梅花藻が、透き通った水面に写り、ゆらめいているような美しいデザインになっています。

2011年度グッドデザイン賞受賞
2011年度日本パッケージデザイン大賞 金賞受賞

アーティスト

サルバドール・ダリ

シュルレアリズムの巨匠サルバドール・ダリ。彼は香水もアートの一部と捉えていました。
「五感のなかで、嗅覚こそが永遠を伝える最良の感覚であることは疑う余地がない。」 という言葉を残しています。

ダリ パルファンドトワレ

1983年に発売したダリの初めての香水。
ダリの絵画クニドスのアフロディテの出現が元になった唇と鼻のデザインは、サルバドール・ダリ香水のアイコンとなりました。


ダリ オートパフュメリ
2016年9月14日から新国立美術館で開催されている「ダリ展」を記念して作られた香水です。
それぞれがダリの作品からインスパイアされたデザインになっています。
元になった作品は、左から「時の目」、「命のカリス」、「トリスタンとイゾルデ」、「葉脈の手」、「記憶の固執」。実際の作品と見比べてみると面白いです。

ジュエリーデザイナー

ルネ・ラリック

ルネ・ラリックは19世紀~20世紀に活躍したジュエリーデザイナー。
ラリックは多くのブランドの香水瓶を手がけていて、今では彼の作ったオリジナルの作品はアンティークとして取り扱われています。

メゾン・ラリック BOUCHON TROIS HIRONDELLES (三羽のツバメ)
 

ウォルト社 dans la nuit (夜に)
 

ニナリッチ レールデュタン
先に紹介したニナリッチが出した香水”レールデュタン”は彼のデザインです。2羽の鳩が戯れている様子のボトルキャップはとても有名で、長い間愛されている香水の一つです。

●最後に

香水の香りと瓶のデザインイメージの一致や意外性、そのデザインに隠されたコンセプトやメッセージを読み解いたりする面白さ……形のない香りだからこそ、想像力が広がります。
出かけた先で香水の瓶にも注目して見てみると、新しいアイディアや創作のヒントが見つかるかもしれません。

 
 
(2019.02.07更新)

(2016.10.26)
Shione

著者紹介

汐音Shione

武蔵野美術大学所属。 グラフィックデザインやパッケージデザインなどの制作を主にしています。 イラストを描くことと舞台観劇、それから海が好きです。 最近は香水収集にはまっています。
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