やみくもに描くのはNG! ポートフォリオ用イラスト作品を増やすときに心がけるべきポイント

%e8%a8%98%e4%ba%8btopゲーム業界やイラスト制作の職種を希望して就職活動を行っている皆さん、ポートフォリオをブラッシュアップする際に、イラスト作品をどう増やしたら良いかわからず困ってはいませんか?
今回は、就職活動期間という限られた時間でイラスト作品を増やすなら、どのようなことに注視すべきなのか?筆者の経験をもとにお伝えしたいと思います。

編集・執筆 /NISHIDA, AYUPY GOTO

はじめに

img_0284

イラストは好きでよく描くけれど、専門で習っているわけでもない。
そんな私が、就活用にイラスト作品を増やすにはどうしたらいいの?

これまで趣味でイラストを描いてきた!という美術系学生の中には、就職活動の際にこんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
自分の好きな絵やイラストだけが入ったポートフォリオを就職活動で提出してしまい、つまづいている……という方がいらっしゃるかもしれません。
今回は、ビビビット社の就活アドバイザー・清水さんのアドバイスをもとに、イラスト作品を中心としたポートフォリオを改良する際のポイントをお伝えしていきたいと思います!

▼ビビビット社就活アドバイザー

清水みどりさん

株式会社ビビビット 就活アドバイザー。ViViViTのキャリアセンターアカウントでユーザーと連絡を取り、日々面談や就職相談に応じています!(武蔵野美術大学:デザイン情報学科卒)

◇作品の幅を増やそう

まず、皆さんの手元の作品を並べてみてください。好きな絵、趣味のイラスト、二次創作の作品など、どれも似たような構図やモチーフ、テーマではありませんか? もちろん、趣味ならば自分の為に自分の好きなものを描いているのだから、それで構いません。しかしポートフォリオ用となるとどうでしょう?
img_0286
ポートフォリオ、とくに就職活動用のポートフォリオでイラスト等を載せたい場合、それを見るのは身内やあなたのファンではなく、企業の採用担当の方です。
企業の採用担当の方は、ポートフォリオから、あなたが実際に働くとしたらどのように働けるだろうか?その企業で募集している業務内容と、あなたの資質がマッチするだろうか?と想像します。実際の業務に直結するものでなくても、そこに繋がる資質があるかどうかを「ポートフォリオ」を見て測るというわけです。

しかし、せっかくあなたを測るためのツールのポートフォリオに、同じ構図や同じテーマのものだけしか載っていなかったら、採用担当の方も困ってしまうのではないでしょうか?情報が少ないと、その分あなたの可能性(出来るかもしれないこと)を予測するのが難しくなります。

♦POINT♦
企業はポートフォリオを通して、現状のスキルと今後の可能性を測っている!
可能性は広く、いろんなことができるとアピールしよう。

◇可愛い女の子やイケメン・好きなものばかり描いてない?

よく陥りがちなのが「美少女」「イケメン」といった人物イラストばかり描いて、それ以外のイラストが無いというパターン。たとえ物凄く高い技術があったとしても、それだけしか判断基準が無いというのはどうでしょう。
ゲーム系企業を受けると仮定して、「イケメン」や「美少女」だけで成立するゲームや仕事はあるか考えてみてください。漫画でもアニメでもゲームでも、登場人物にはいろいろなタイプがいますよね。
%e6%8c%bf%e5%85%a5%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%92
ゲーム会社のデザイナーは案件によってさまざまな表現を求められます。背景メインで担当するゲームもあれば、ドラゴンのイラストを担当するゲームなどもあるかもしれません。
今後クリエイターとして活躍するためには、ぜひ老人、子供、動物、クリーチャーといったさまざまなモチーフにもチャレンジしてみてください。
自分の強みを最大限アピールできるポートフォリオをつくりましょう。

♦POINT♦
「イケメン」や「美少女」に加えて、おじさんやおばさん、老人、子供、動物、クリーチャーやモンスターなどにも挑戦してみよう!

◇植物や武器や背景、違う表現方法でも描ける?

また、いくら幅が出せても人物しか描けないのでは、企業側は仕事を任せられるか不安です。
実際のゲームを想定すると、人物キャラクターの数よりもっと多く必要になってくるものがありますよね。それは、小物(アイテム)や武器や装備品です。また、背景や植物やエフェクトといった装飾も必要です。
%e6%8c%bf%e5%85%a5%e7%94%bb%e5%83%8f4
そういったものが描けることも、ポートフォリオでアピールできると良いですね。上手さよりも、そういったものを人物と同じくらいの熱意をもって描く意欲があるかが重要な気がします。また、ドット表現を使ってみたり、水彩画タッチだったり、表現の幅を出す挑戦もしてみましょう。

♦POINT♦
小物(アイテム)や武器や装備品、背景や植物など、ゲームに出てくる人物以外のモチーフや、いろんな表現を研究しよう!

◇自分のイラストがゲームに使用されること、想定できてる?

%e6%8c%bf%e5%85%a5%e7%94%bb%e5%83%8f%ef%bc%91%ef%bc%8d%ef%bc%92
ポートフォリオ用に必要な、いろんな物を描いてきて、余裕が出てきたら次は簡単なUI(ユー・アイ)デザインにも挑戦してみましょう。ポイントは、「自分が描いたイラストが、実際のゲームでどのように使われるかを想定してつくる」ことです。すると、自分のイラストに足りない部分や必要なモチーフ、もっと欲しい要素が見えてくると思います。
ゲーム内でかかせないアイコンやボタンやロゴデザインなんかも、架空の設定を楽しみながら作れると良いですね。(黒暗の宴ってどんなイベントなんだろう……。)

♦POINT♦
「自分の絵がゲームで使われる」ことを想定し、ゲーム画面をつくってみよう!付随して、ボタンやロゴデザインにも挑戦すると◎

♦清水さんから、ゲーム業界志望者へメッセージ!

shimizu
ゲーム業界を志す人に理由を聞いてみると「絵が描きたいから」という人が多いのですが、ポートフォリオ制作を機に今一度考えてみてほしいなと思います。
特にファイン系の方にお伝えしたいのですが、芸術作品としての絵と、仕事で描く絵は求められる視点も質も全く違います。もし就活用にゲーム業界に寄せたイラストを描くのが苦痛であれば、たとえ仕事に出来ても楽しくないのではないでしょうか。その場合は、思い切って違うジャンルにシフトチェンジするのも有りだと思います。
それでもやはりゲーム業界に進む理由があって、仕事にするだけの覚悟がある人は、ぜひチャレンジしてください!

また、”会社で働く”という経験をしたことが無い学生さんが、就活の右も左も分からないのは当たり前です。
将来については一人で考えていても答えが出ないことも多いので、そういう時はキャリアセンターの先生や教授、先輩など周りの力を借りると参考になるかもしれません。もちろん、ビビビット社もいつでも相談受付中です!(笑)

◇筆者も就活中は、ViViViTの清水さんに、面談に大変お世話になりました! 迷ったら人に相談してみるのもひとつの手段です。焦らず一歩ずつ先へ進んでいきましょう。
▼ ViViViTを始めて相談してみる!

≪大切なポイントまとめ≫


  ●絵に幅を出そう!!色々な年齢・体格の人を描いてみよう!
  ●人物だけでなく、動物やクリーチャーなどの生物も描いてみよう!
  ●植物、武器、建物や背景などにも挑戦して説得力を出そう!
  ●実際のゲーム内でどのようにイラストが使われるのか想定しよう!

 

▼就活ポートフォリオは【ポートフォリオ百科】でチェック!

● ポートフォリオ百科|デザイナー 滝山智美さん
● ポートフォリオ百科|3Dデザイナー E.Oさん
● ポートフォリオ百科|IT企業 ゲームデザイナー 宮部遼太朗さん

実際にデザイナー職に就いた先輩たちが、ポートフォリオを作る際にどのような考えを大切にしていたのか、是非参考にしてみてください!

▼ゲームデザイナーの仕事内容については、インタビュー記事もチェック!

絵を描くシゴト#01|DeNAアートディレクター高木正文さん

ミクシィ特集】チームでケタハズレな冒険を!大ヒットゲームアプリ“モンスト”のキャラクター制作の裏側とは。

紙とペンさえあればどこでも描ける。日本のゲームを深く愛したクリエイターは、国境を越えて「ないもの」を作る

どれもとても勉強になるインタビューばかりなので、ゲーム内のデザインを創っていくということについて具体的なイメージが湧きやすいのではないかと思います!!

おわりに

今回の記事は、筆者が実際にViViViTでの面談を通してポートフォリオを悪戦苦闘しながらも改良していった過程で学ばせてもらったことを、今度はこれから同じように就活を経験する方に向けて、わかりやすくまとめてお伝えしたいという目的で書きました。
これからポートフォリオ内のイラスト作品を増やそうと思っている方は、ぜひ自分のポートフォリオの内容と照らし合わせてみてください。そして同時に、就職活動のその先でゲーム内デザインに携わっていくということについて考えてみてほしいと思います。
皆さんの就職活動を応援しています!

(2018.4.2)

著者

西田歩未

武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻日本画コース在学。読書と標本・剥製集めが趣味です。

記事一覧へ

ポートフォリオでデザインチームとつながろう

ポートフォリオをつくる

作品を投稿してデザインチームとつながる日本最大のマッチングプラットフォーム。もちろん、ポートフォリオのみの活用も可能です。

作成する

デザイナーを採用する

国内最大のデザインプラットフォームで、チームにマッチするデザイナーに声をかけてみませんか?

採用する