意外と手軽に扱える!「樹脂」を使って作品の幅を広げよう

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みなさんは、「樹脂(じゅし)」と聞くと、一体大体どのようなものをイメージするでしょうか?具体的な形や素材が思い浮かばないかもしれませんが、実は樹脂は日常の中で接する機会の多いものなのです。近年では、樹脂は英語名の「レジン」という名称でDIYなどの素材として多くの人に親しまれています。今回は、そんな樹脂を使った“作品作りに役立つ”、基本的な使い方をご紹介いたします。
編集・執筆 /RINA SAITO, AYUPY GOTO

目次

●樹脂とは?
●実際に樹脂を使ってみた
●樹脂を使った作品の紹介
●オススメ!樹脂を使った画材
●最後に

●樹脂とは?

樹脂(じゅし)

「樹脂」は元々、樹木から出る樹液のことをそのまま樹脂と呼んでいましたが、近年は、石油を原料として人工的に合成されたものを【合成樹脂】樹液でできたものを【天然樹脂】と区別し、さまざまな場所で使用されています。他には「レジン」とも呼ばれ、一般的には「プラスチック」という名でよく知られており、近年では大量の製品を生産する際に使われることが多く、単に人工樹脂の方を「樹脂」として指すことが多いです。

エポキシ樹脂、UVレジンとは?
UVレジンは1液タイプのもので、紫外線を当てると硬化し固まるので、UVライトなどを用いることが多いです。比較的薄い形のものを素早く作れるのが特徴です。
エポキシ樹脂は、幅の厚い形や立体的な形のものでも固まることができ、2液の主剤と硬化剤からなるもので、化学反応で硬化するタイプのものです。

 

●樹脂を使った作品の紹介

実際に樹脂を使うと、どのような作品を作ることができるのでしょうか。樹脂を使って表現し、活躍している作家さんと作品をいくつかご紹介します。
 

深掘隆介

百済 Qudara / 2007 木桶、透明樹脂○220×H110mm 
<引用 | http://goldfishing.info/works/resins.html >

 
深掘隆介さんの作品は、樹脂を何重にも重ね、モチーフとする金魚を描き浮かび上がらせる手法で作られています。透明な樹脂の部分が水のように見え、そのまま金魚が生き生きと泳いでいるかのような作品となっています。

深掘隆介さんの作品をもっと見る

 

山田勇魚


山田勇魚さんの作品は、「九十九神(つくもがみ)」をテーマに作品を制作されていて、沈没船の九十九神であるクジラをモチーフにとした「ISANA」のシリーズでは樹脂を用い、沈んだ船や海底の様子を表現しています。

 

山田勇魚さんの作品をもっと見る

nooca


<引用 | https://sheage.jp/article/1421 >
 

noocaは、花を樹脂に封じ込めたアクセサリーを作るブランドです。生き生きとした色合いの花びらを配置したアクセサリーは、身に着けた時に樹脂の部分は透き通ってそのまま花弁をまとっているかのように見える、樹脂の特性を生かしたデザインとなっています。

noocaのアクセサリーをもっと見る

BoldB


<引用 | http://www.fragmentsmag.com/2016/02/boldb/ >

「BoldB」は、オーストラリア在住のBritta Boeckmannが営むブランドで、リサイクル木材と樹脂を組み合わせたアクセサリーを制作、販売しています。一つ一つ形や色の違う木を組み合わせ作られた同じものは2つとない、ひとつひとつがオリジナルのアクセサリーとなっています。

BoldBのアクセサリーをもっと見る

 

●実際に樹脂を使ってみよう

今回は実際に小さなパーツを、樹脂を使って制作していきたいと思います。
DIYなどでもよく使われる、透明度の高いクリスタルレジンと呼ばれるものを使用します。

道具紹介

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a. エポキシ樹脂(主剤、硬化剤)
b. カップ、スプーン
c. デジタルはかり(0.1gから測れるもの推奨)
d. シリコンモールド

  


 

①下準備

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樹脂はすぐに拭き取れば大丈夫ですが、硬化し固まると強力な力で机とくっついてしまい、取るには削るしかなくなっていしまいます……。
そんな状態を避けるため、机にラップなどで養生することをオススメします。

  


  

②樹脂を正確に計量

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次に樹脂を計量し、2:1の比率の①主剤:30gと②硬化剤:15gをカップに入れます。この比率はメーカーによってそれぞれなので、説明書をよく読んで計量してください。

  


  

③撹拌する(混ぜ合わせる)

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化学反応をして硬化するので、白い線状の色が浮き出てきますが、白い色が無くなるまでよくかき混ぜてください。

●樹脂専用の道具を揃えよう!
シリコン素材のゴムベラなどをレジン専用に用意して使うと、底の方までしっかりと混ぜることができ、何度も繰り返し使えて便利です。
PPやPE製のビーカーだと、そのまま硬化してしまっても、残りの固まったレジンを硬化させてから取ることができます。

  


  

③シリコンモールドに流す

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シリコンモールドによく撹拌したレジンを流し入れます。色を付けたかったり、何かを封入したい場合はこの時点で撹拌したレジンに入れてください。
今回は、見えやすさも考えて、顔料(色の粉)を入れてみました。
量によりますが、固めるために24時間以上は放置します。

●シリコンモールドが無くても……
タブレットや液晶シートなどにもよく使われている、PP(ポリプロピレンや)、PE(ポリエチレン)は、エポキシ樹脂とくっつかない素材です。
そういった素材のものは固まった後でもレジンのみが取り外せるので、直接樹脂を垂らしてパーツを作ることができます。

  


 

④シリコンモールドから取り外す

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△完成!
 
流し込んで形成した樹脂を型から取り外し、気になれば、バリ(飛び出ている余計な部分)などをカッターなどで取り除きます。
樹脂は固まると数%ほど縮むので、ギリギリでサイズを合わせているものなどは、注意が必要です。

  

●シリコンモールドも自分で作れる
エポキシ樹脂のように2液状に別れた液体のシリコンを科学反応させ硬化させることで、自分でシリコンモールドを作ることもできます。
自分で型をとる原型を作れば、オリジナルのグッズが作れたり、自分の制作物を複製したりと樹脂でできることが大幅に広がります。

  

●オススメの樹脂を使った画材

樹脂粘土

おゆまる


<引用 | http://www.hinodewashi.co.jp/products/product_cat/oyumaru/ >
 
「おゆまる」は、80℃以上の熱湯に入れると柔らかくなり、冷えると硬くなる樹脂粘土のひとつです。手で形を変えれるほどの柔らかさになるので、温かいうちに好きな形のものを押し当てると、樹脂を流し込める型として使うことができます。そのまま球体にすると、スーパーボールなどにもなり、弾力性があるのが特徴です。

おゆまる の詳細を見る

 

パジコ MODENA


<引用 | http://www.padico.co.jp/products/clay/resin/clay03-011.html >
 
「パジコ MODENA」は、乾燥させることによって硬化し、薄い作りの部分でも折りや曲げに強く、乾くと耐水性があるのが特徴です。
柔らかい状態の粘土に、油絵の具・アクリル絵の具を練りこむことで着色が可能になります。
  
パジコ MODENA の詳細を見る

  

すけるくん


<引用 | http://www.crafthearttokai.com/0281797 >
 
「すけるくん」は、乾燥すると透明になる樹脂粘土で、薄く伸ばした部分でも柔軟性があるので、折り曲げに強いのが特徴です。専用のコート剤を塗ることで、さらに透明度が増し、専用の白色粘土を買うことで不透明に近い色味にもすることが可能です。
  
すけるくん の詳細を見る

  

エポキシパテ

  


タミヤ・エポキシ造形パテ (速硬化タイプ)


<引用 | http://www.tamiya.com/japan/products/87143/index.html >
 
「タミヤ・エポキシ造形パテ」は、エポキシ樹脂のように主剤と硬化剤の役割をする2つの粘土を混ぜ合わせることで硬化していくパテです。
6時間ほど乾燥させるとことで表面はかなり固くなり、これはシリコンモールドを作る際の原型などに使うことができます。乾燥後に形を整えづらいので、あまり大きなものは向きませんが、小さいものであればすぐに型をとることができるのが特性です。
  
タミヤ・エポキシ造形パテ (速硬化タイプ) の詳細を見る

  

最後に

今回は、実際の制作過程をのせながら、「樹脂」の作り方を紹介していきました。このシリコンモールドを使うやり方が一番基本的な方法ですが、想像よりも作るのは簡単だなぁと思った人は多いのではないでしょうか。これを機に、普段使わない「樹脂」という素材に触れることで、自分の制作に応用し、作品の幅を広げていただくことができれば嬉しいです。

(2017.10.26)
齊藤 梨奈

著者紹介

齊藤梨奈齊藤 梨奈

多摩美術大学 絵画学科の油画専攻に所属しています。 古着屋、雑貨店巡り、服やアクセサリー作りをするのが好きです。
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