スマホでは撮れない写真がある!トイデジで写真を撮ってみよう

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ちまたでは若い女性を中心に「インスタグラム」が流行っていますよね。「インスタ映え」という言葉が生まれるほど「写真」は人々がコミュニケーションを取る上で欠かせないものになっています。しかし、どれだけいろんな編集が簡単に出来るようになったはいえ、本物の味わい深い写真は、そう簡単に撮れるものではありません。今回は「トイデジ」と呼ばれるカメラにはどんなものがあるのか、どのような写真が撮れるのかをご紹介します!編集・執筆 /OSARAGI, AYUPY GOTO

目次

  • 1.トイデジとは
  • 2.トイデジの魅力
  • 3.写真を撮ってみよう
  • 4.動画も撮ってみよう
  • 5.最後に

1.トイデジとは

引用:https://store.shopping.yahoo.co.jp/flgds/pick.html

 
トイデジとは、トイデジタルカメラの略であり、設計の簡易さや材料のチープさなどの要素によって玩具に近いとされる大衆的なデジタルカメラのことです。トイカメラ*1のデジカメ版とも言えます。
*1……トイカメラとは低所得者や年少者を中心とした大衆的な普及を目的としたカメラ。フィルムカメラのことを指すことが多い。
 
トイデジの多くは、安い部品で構成されており、普通のデジカメに比べ、小型で安価です。また、ピンボケやブレが発生しやすく、露出などの細かい調整機能や補正機能なども搭載されていません。そういうワケでヘンテコで、チープで味わいの写真を撮影することができるのです。
 
トイデジは2000〜2010年に大流行し、遊べる本屋「ヴィレッジヴァンガード」などの雑貨店で一時期はぎっしり商品棚に並んでいました。その後はスマートフォンの写真加工技術が発達し、手軽に「雰囲気」のある写真が撮れるようになったので、最近はあまり見かけなくなりました。
 
しかし、トイデジには「スマホでは撮れない写真」があると筆者は思います。微妙なピンボケ、偶然映るノイズなど、加工では表現できない要素を持っています。では、具体的にどのような魅力があるのか紹介します。

2.トイデジの魅力

通常のデジタルカメラやインスタントカメラ、スマートフォンとは異なる三つの魅力があります。
 

ノスタルジックな映り

toideji▲トイデジ「SUN&CLOUD」で2017年8月10日撮影
 
最近、インスタントカメラを持ち歩く若者は多く、ブームとなっています。インスタントカメラが「現像されるまでどのように撮れているか分からないワクワク」なのに対し、トイデジは「デジタルで思いもかけないような仕上がりの写真が撮れるワクワク」が人気の秘密です。
 
スマートフォンでもフィルムで撮影したかのような写真に加工することはできますが、どうしても単調になりがちです。ノイズを加えたりできるものの、パターンは限られています。また、スマホのレンズが綺麗に映りすぎるが故に加工をしてもなかなか思うようにいきません。
 
また、トイデジによってはiSO感度*1やフラッシュ機能が付いているものもあり、多様なシチュエーションに対応することが可能です。
 
*1……どの程度弱い光まで記録できるかを示す規格。数値を弄ることにより、写真の明るさが変化する。
 

参考……「トイデジ」の流行の理由とそこから学ぶもの

 

【インスタントカメラについての記事はこちら】
レトロな写真を手軽に楽しめる。インスタントカメラを持って外に出かけてみよう!
 

カメラの見た目が可愛い

引用:https://item.rakuten.co.jp/bonz/520-00008/

 
トイデジは普通のカメラにはない可愛さがあります。カラフルなものやキャラクターとコラボしたものもあり、持っているだけでもウキウキしてしまうデザインです。また、撮るだけでなく、おしゃれの一部としても楽しむことができる点もポイントです。そして、一見カメラとはわからないようなデザインの商品もあり、バラエティー豊かです。
 

持ち運びが簡単

引用:https://www.rbbtoday.com/article/2012/05/28/89775.html

 
この通り、トイデジは通常のカメラよりも小さく、持ち運びが簡単です。中にはUSBメモリよりも小さいものがあります。それに対し、一眼レフカメラなどの本格的なカメラは1kg以上あります。一眼レフを持ち歩いて写真を撮るよりももっと気軽に写真を撮ることができるのも魅力の1つです。
 
トイデジで写真を撮るイメージとしては「近所に散歩しにいく“ついで”に写真も撮ろう」といった、とてもゆる〜いモチベーションで大丈夫なのです。
 

3.写真を撮ってみよう

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では、実際にトイデジを持って出かけてみましょう。わたしはSUN&CLOUDというトイデジを愛用しています。このトイデジを使って写真を撮っていこうと思います。

SUN&CLOUDについて

写真を撮る前にこのトイデジについて軽く説明します。SUN&CLOUDは株式会社チノンが販売しているトイデジです。実はこのトイデジ、変わっているところがあります……それは「充電」です。
 
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【3つの充電方法】
・ソーラー充電
・手動で充電
・USBで充電

なんと、このトイデジは太陽や手動で充電することが可能です(笑)。なんでも3つのパターンで充電ができるカメラは世界初なんだとか……。
 
「え?写真撮りたいのに充電がないじゃん!」といった場面でもハンドルを30秒回せば写真が2〜4枚撮ることができます。また、「あ?充電したいのにコンセントがないじゃん!」と言った時はソーラー充電が活躍します。
 
この遊び心が溢れる機能は、トイデジならではです。他にも色々な種類のトイデジがあるので、ぜひ見てみてください。

写真を撮ってみる

それでは写真を撮ってみましょう!このトイデジはいくつかモードが存在し、モードによって写真の写り方が異なります。15種類の中からピックアップしてお伝えします。
 

VIVID

VIVIDモードは強烈な鮮やかさとザラザラと荒々しい粒も特徴です。
 
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シャッター速度が遅いので屋根のあたりが歪んでいますね。このような表現ができるのもトイデジならではです。
 
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このモードは夕焼けをとても幻想的に撮ることができます!まるで絵本の中に迷い込んでしまったかのような景色ですよね。
 
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なんてことないお寿司のメニュー表も色鮮やかに写り、いい具合にボケています。
 

SHOWA

SHOWAモードはまるで昭和時代に撮影したかのようなレトロな仕上がりになります。個人的にはこのモードで写真を撮ると柔らかく、優しい印象になるので好きです。
 
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パキッとした写真ではなくふんわり包み込んでくれる様な丸い写真になります。
 
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年季が入っているモチーフとの相性が抜群です!
 

CROSS

CROSSモードはフィルムカメラのクロスプロセス*3をイメージした鮮やかな仕上がりになります。
 
*3……ポジフィルムをネガフィルム用の現像液で処理する現像テクニック
 
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人混みの中を撮影しました。差し込む光がフワッと消えていきそうで幻想的です。
 

HARD

HARDモードは強いコントラストで力強い画面をつくってくれます。
 
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黒と白の部分がパッキリと別れ、パワフルでクールな印象を受けます。雲が重たそうに見えます。
 

4.動画も撮ってみよう

トイデジには「動画モード」が搭載されているものもあります。わざと動画8コマ送りにできたり、カタカタ動いてみたりと遊び心が満載です。気分はまるでミュージシャンのMV(ミュージックビデオ)を撮影している様!事実、トイデジは実際にMV撮影に使われていることがあります。
 
私もSUN&CLOUNDで動画を撮影してみました。


海波とザラザラしたテクスチャが合わさって、レトロな雰囲気を演出しています。あえて音が入っていないことで想像を掻き立てます。
 

何気なく見ている車窓もこの通り!淡い空と移り変わる景色のコントラストが、なんとも寂しい気持ちにさせます。

4.最後に

昔はイメージをより鮮明でよりリアルに写る写真や動画が、綺麗で良いと思われる時代でした。しかし、今では綺麗に写ることは「当たり前」になったことにより、人々はただ綺麗に写る写真では満足しなくなりました。
 
それはまるで20世紀最大の芸術家であるパブロ・ピカソが、ヒトやモノを写実的に描くことに疑問を投げかけ「泣く女」「ゲルニカ」などの作品に代表されるような多面的にそのヒトやモノを描く技法を用いたことにも似ています。別にありのままを描く必要なんてない!自分が感じたように描けばいいんじゃないか!というように、今の若者はこのような「独自性」を追い求めているように思います。
 
そして近年ではその「独自性」を用い、「画」を使ったコミュニケーションが増えています。普段私たちが利用しているLINEも「スタンプ」という機能がついており、文字だけでは伝えきれない微妙な感情の変化をスタンプは補ってくれます。
 
今後ますます「画」の世界は広がっていくのではないでしょうか。
 
また、インスタグラムで手軽に写真を加工し、独自性を出すことができますが、トイデジは「スマホでは撮れない写真」を撮ることができると思います。トイデジの写真はシャッター速度による歪み、微妙なピントのずれ、つぶつぶした質感など、偶然の産物があります。つまり、このような偶然できる写真は、インスタグラムなどのスマホアプリでは表現しにくい点だと思います。
 
そういうわけで皆さんには是非、トイデジの楽しさを知ってほしいのです! 残念なことにブーム終焉の影響で、現在トイデジが手に入りにくくなっています。ご購入はお早めに!

(2017.8.30)
Mayu Osaragi

著者紹介

大佛茉由Mayu Osaragi

武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科所属。インタラクションデザインを勉強中です。最近switchを手に入れ、マリオカートをしています。
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