「つくる」に向き合い、SNSは”利用”する。#ビビブラトーク イベントレポート!

「学生時代、ブログを“開設しては閉じる”を何度も繰り返していました。」
「フォロワーが一足飛びに増えるなんて、そうあることではないんです。」

……SNS時代の2018年、活躍の場をリアルからSNSにも広げている若手クリエイターの方からは、そんなセリフが飛び出しました。

2018年9月、ビビビットでは3名の若手クリエイターをお呼びし、SNSを活用しての作品発表や活動の広げ方を講演していただくイベントを開催しました。活躍しているクリエイターの皆さんも、自分のスタイルを見つけるまでにいろんな試行錯誤があったようです。この記事では、そんなイベントの様子をレポートします!

自分自身を、そして何より自分がつくった作品を、自分の力で世に伝える力を身に着けたい……そんな方にぜひ読んでいただきたいです!編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO

”クリエイターのセルフブランディング” 実施要項 

【日時】2018年9月15日(土)(終了)
【場所】株式会社ビビビット( 東京都新宿区西新宿8-17-1 )
【対象】学生
【詳細】特設ページ、Twitterのハッシュタグ#ビビブラトークでもご覧いただけます。
◎この記事では、ハッシュタグ「#ビビブラトーク」のツイートとともにお送りします!

 
 


イベントは、登壇者の方お一人ずつの講演、パネルディスカッション、グラレコ講座の三部構成。
第一部、第二部の内容は、グラフィックレコーダーのまりんさんに、イラストや文字でまとめていただきました。この「グラフィックレコーディング」は、講演や討論などの内容を瞬時に図などを用いて記録する手法です。講座内容が即座に図解され、聞き逃した部分や、お話のポイントを視覚的に振り返ることができるのです。まりんさんは、第三部で参加型のワークも実施していただきました!
 

●グラレコで”見える化”し、視覚的に共有することでコミュニケーションが円滑に|まりんさん

まりん さん

graphic recorder

グラフィックレコーダー。
会議や勉強会、カンファレンスなどで起こる「生の場」をイラストと文字を用いてリアルタイムで可視化し、グラフィックレコードを活用した「場の促進」を目指す。
現在は、グラフィックレコードを描きながら、東京と沖縄、2拠点での生活に挑戦中。
過去には、G7へ向けたグローバルシェイパーからの意見作成ディスカッション、ノーベル平和賞受賞者ユヌス博士講演会、渋谷ヒカリエ DeNAオフィスなどでグラフィックレコーディングを実施。その他、企業の取締役の会議を毎週グラレコしたり、勉強会や社員研修などを行なっている。
Twitter

▼模造紙いっぱいに、登壇者の方のお話がグラレコされていきます……!

 

まずは、第一部の登壇者講演がスタート!

 

●周りがしてないことをすると、ライバルがお客さんに|はましゃかさん

 

はましゃか さん

multi-creator

女優志望で新卒フリーランス。できる仕事が多すぎて困る…と題したブログが話題となった、20種類もの仕事をこなすマルチなクリエイター。2018年の春に多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業。記事執筆、イラスト、手書きロゴ・サムネイル制作、インスタ映え撮影、イベント・ラジオ・テレビ出演、モデル…など過去様々に活動。インスタグラムでは自身の写真に画像の落書き加工を施したもの、通称“しゃかコラ”を投稿し話題に。過去には多数の企業ともタイアップがあり、自身が執筆するブログは月間15万PVを集める。
女優、アーティストとしても活動して生きていくことを夢見て活動中。
Twitter Instagram note 


舞台上を移動しながら、身振り手振りで熱く語ってくれたはましゃかさん。
当日の衣装やメイクはラベンダー色で、かわいらしいファッションから飛び出すパワフルなお話に、お客さんも皆一言も聞き漏らすまい!と、目が釘付けになっていました。

「すごく良い作品をつくるのに、発信が苦手なクリエイターは多い……。」
「口コミでも、展示会でも、何かのきっかけであなたの作品が知られたとき、リンク先のSNSが趣味全開の内容になってたらとても残念。誰かがアカウントを見にきたときに、”他の作品も、この人自身も面白いかも!”って思ってもらえるように、発信力をつけておこう。」と話しました。

はましゃかさんのお話

●周囲で誰もしていないことをしよう!すると、ライバルがお客さんに変わる。
「デザイン界隈でモデルが出来る、モデル業界でデザインが出来る!と手を挙げたら、いろんな人から仕事を依頼されるようになりました。」 

●覚えられやすい名前をつけよう!
「”私は仕事を受けてます”という意思表示にもなります。」 

●作品でまわりを巻き込もう
「まずはクラス全員、次に学年全員、そして上下の学年……そこから友人一人に口コミしてもらえば、一気に1000人増えますよね。例えば似顔絵を描いたり、一緒につくった作品をタグ付けて投稿したり、作品でまわりを巻き込んじゃいましょう!」


 

●サービス設計とSNSでの見せ方は似ている|スワンさん

スワン さん

UI/UX designer

UI/UXデザイナー。
2014年多摩美術大学、油画専攻卒業。在学中に独学でWEB開発やデザインを学び、個人受託やサービス開発、制作会社でのアシスタントを経て新卒で都内のITメガベンチャーへ入社。
同社にてホームページ作成サービスの立上げに携わり、2016年同社の子会社の設立とともにマッチングサービスのリードデザイナーとして新規開発を行う。現在、株式会社メルペイにて金融サービスの新規開発中。個人活動ではnoteやブログを中心としたデザイン発信やベンチャーの開発にデザイン面で携わる一方で、地方ビエンナーレ参加や作品展示など、アーティストとしての活動も並行して行なっている。
Twitter note 


続いてスワンさんは、「多摩美では油絵を専攻し、がっつり現代アート畑出身です!」と語り始めました。
油絵の具が乾くまでの待ち時間が長すぎて、プログラミングを覚え始めたのだとか。SNSは2つを使い分け、Twitterは軽めな情報や時事性のあるネタの発信の場として、noteは長文で意見を伝えるブログとして使っているそうです。スワンさんのお話で印象的だったのは、「かけ算の肩書き」というもの。「〜〜大学の」「株式会社〜〜の」という自己紹介よりも、
「美大出身だけど、 油画専攻で、 いまはデザイナーです」
と伝えたほうが、自身のユニーク性が上がり、覚えられやすくなります。他にも、サービス設計とSNSアカウントのつくりこみは似ているところがある……というお話から、発信する際に気をつけているポイントを教えてくださいました。

スワンさんが気をつけているポイント

●「嗚呼、あの人ね」と覚えてもらう統一感!
「自分のミニキャラのような覚えられやすい絵柄のイラスト、カラーは黄色、ペンの太さと種類など、統一できるものは毎回統一します。そうすると、名前を覚えていなくてもイラストで印象づけることができます。」
●自分の話を聞いてくれてるのは誰?フォロワーを分析する
「どんな人が私の話を聞きたいのかが分かると、相手が知りたいことを発信できます。例えば私のフォロワーさんはデザイン業界の人やビジネス層の人が多いので、イラストは誰でもシェアしやすい絵柄にしたり、あえてかっこ悪い部分やデザイナーのぶっちゃけ話をしたりと、攻撃的な表現はせずに癒やしを与えられるよう、いろいろと工夫しています。」


スワンさんの使い方

●人とつながるきっかけづくりに使う!
「実は、もともとコミュニケーションは苦手なタイプです……。ただ、Twitterを使うようになってから、勉強会などで相手から話しかけてもらえるようになりました!」
●仕事をもらうために使う!
「普段からこういうデザイン・プロダクトが良いと思っている、好き・嫌い……というのを発信しているため、相性の良い仕事につながりやすいです。また、”デザインだけでなく発信もする人”という印象があると、広報企画や文章構成など、デザイン+αのお仕事を依頼されることも少なくありません。」
●広報・ブランディングの勉強に使う!
「ターゲット、コンセプト、お客さんとどのくらい接触するか……など、アカウントをどうつくって運用するのかと、サービス設計は似ているところがあります。」

 

●クリエイターは、つくり続けることでアイデンティティを見つけられる|赤さん

 

さん

illustrator/graphic designer

イラストレーター・グラフィックデザイナー。
2015年よりSNSと展覧会を中心に作品の発表を始め、CD ジャケットやコラボレーショングッズ、書籍の挿画などのイラストレーション、デザインを担当。
また、SNS 企画などにイラストレーションを提供し活動中。2017 年に「第17 回グラフィック1_WALL」にて審査員奨励賞を受賞。
展覧会はニューヨークにて開催された企画展「Gift of Somebody」個展「あきらめなさい」など、多数出展。
Twitter Instagram WEB 

多摩美術大学グラフィックデザイン学科に所属していた赤さんは、課題だけでなく、自分の生活をもっと楽しくするために絵を描き始めたそうです。「ブランディングとはアイデンティティの確立」とし、「クリエイターは、簡単にアイデンティティを見つけることが出来ます……それは、つくり続けることです。」と話していました。

「SNSにアップするため……というよりも、自分が何者かを確立するためにつくってください。つくることにひたすら向き合い、時間をかけて質を上げましょう。つくるのはしんどいし、正直楽しいだけではありません。そのしんどさの終わりが来たら、発表する。そこで大事なのは、いいねの数ではなくて、自分が良いと思えるか、作品に向き合ったかどうかです。
自分が活躍する場がSNSなのか、その先なのかを考えながらつくってほしいです。そこで、発表の場としてSNSが最適だなというくらいが良い付き合い方ではないかと思っています。」
ご自身の経験と思いを交えながら語る赤さんのお話は、来場者にとって、クリエイターとして目指したい先を改めて振り返る時間になったのではないかと思います。

赤さんのSNSの使い方

●SNS上でも、印刷物にしても映えるデザインを考える
「SNSでは画像の表示サイズが小さいため、サムネイルのパワーを上げるにはシンプルさが必要だと思い、こういう色面の選択を始めました。」


●SNSは4つ!Twitter、Instagram、Tumblr、Pinterest
「TwitterとPinterestは作品の発表とイベントの告知に、TumblrはWEBサイトとして、作品をすべてストックしています。Pinterestは資料収集に使ってますが、たくさん良い作品があって真似したくなるので、見すぎないように気をつけています。」

 

休憩中は、グラレコに人だかり!

第一部が終わり休憩に入ると、それぞれの講演の様子がまとまったグラレコが。実際のグラレコを見る・知るのが初めてな方も多く、リアルタイムで描かれたとは思えない仕上がりに驚いた様子でした!

▼休憩中は、第一部を振り返りながら眺めたり、写メを撮ったり、自然と人が集まっていました。

 
 

第二部:パネルディスカッション

第二部では、事前に来場者の方からいただいた質問をまとめ、登壇者お三方に対談していただきました。メモを取る人もいれば、印象に残った言葉を次々とハッシュタグ「#ビビブラトーク」でTwitterを更新する人も。
三者三様の考え方に、来場者のみなさんも自分を照らし合わせながら聞いていた様子でした。

◎集まった質問
  1. SNSでファンを獲得する方法は?
  2. フォロワーのうけをねらって作品をつくることはある?
  3. インプットとアウトプットはどうしてる?
はましゃかさん:ブログでは、自分の生き恥をさらす覚悟で書いてます!着飾って浅い内容になるよりも、本気で自分の中からえぐり出した内容のほうが伝わると思います。
Twitterでは、トレンドに入っているタグを使った投稿をすると、いいねや拡散しやすいのではと思いますね。サービスごとに発信する内容を変えるのもおすすめです。
赤さん:TumblrとInstagramではビジュアルでしっかり語る投稿を、Twitterは、言葉を添えた上でより良くなるものを載せると伸びやすいと思います。いろいろ投稿して、実験してみてください。
スワンさん:自分がフォローしている企業アカウントの魅力を分析してみるのも良いかもしれないですね。
でも、こういう内容はTwitterで相性が良いな〜と分析はしても、反応のためにものをつくることはないですね。
はましゃかさん:私は、うけの良いものが大好き!……というか、SNSが半分麻薬みたいになっていて(笑)。みんなが欲しいもの、うけの良いものと、自分の好きなことを投稿しています。
生きていること自体がコンテンツだと思っているので、アウトプットするためにいろんなものを見て吸収して、インプットしています。

赤さん:自分は美術館や展示を見に行くと、「早く帰ってつくりたい!」となって、あまりインプットになりません(笑)。なので、友人の話を聞いたり、電車でおじさんを観察したり(笑)日常に目を向けることがインプットになってると思います。

スワンさん:私も、インプットは日々生活しながらですね。看板見てヒラギノ角ゴだな〜と思ったり、この紙めっちゃいいな〜マシュマロだ!と思ったり(笑)。そんなことや、日々感じたことは、ネタ帳みたいにメモに取り続けていますね。
あと、自分の中に何もないときは、ブログを開設しても続かなかったのですが、本や記事を読んだり、いろいろ経験して言いたいことができたら書けることが増えました。なので、何も書くことない!と思ったら本を読んでみると良いと思います。

 

第三部:グラレコ講座


第三部では、まりんさんからグラフィックレコーディングについてのお話。参加者の方が手を動かして交流したり、作品を使った自己紹介を行ったりの時間となりました。
始めに、「今日のお話を聞いて、アクションを起こす、やる!と決めた人……100%、50%、0%で動いてみましょう!」と声がかかり、参加者が会場内を移動する……というワークが。今日のお話と自身の今後を照らし合わせて動いてみると、自分と同じような気持ちの人が多かったり、少なかったり……。

まりんさんは「いま皆さんが動いたことで、今日のイベントがひとつ”可視化”できました。このように、”見える化することで視覚的に共有できること”がグラレコの強みです。」と話し、模造紙にグルーピングするもの、今日のようなイベントの振り返りを記録するもの、1対1でカウンセリングのように描くもの……と、グラレコの種類を教えていただきました。「グラフィックレコーディングは登壇者と参加者がいて初めて成り立つもの。そして、その場で瞬時に出すことが特性です。完璧を目指すより、とりあえず出してみることも大事にしてみてください。」と続けました。

まりんさんのお話

●”見える化することで視覚的に共有できること”がグラレコの強み
●完璧を目指すより、まずはすぐに公開する!

その後、「作品を見せ合いながら相手の印象や見え方を伝え合う」というワークでは、ViViViTも活用していただきました。最後に「話し足りない相手とは、交流会で声をかけてくださいね!」と、次の交流会タイムへつなげて締めくくられました。

 

交流会


イベントの最後は交流会!登壇者の方がテーブルを周り、SNSの活用に関する相談や、作品についての質問を受けていました。登壇者と記念写真を撮っている方も多く、はましゃかさんとは「一緒に自撮りをしたい!」という皆さんの長い列ができていました。
参加者どうしでの交流も、こういったイベントの醍醐味です。これからの活動に意気込む者どうし、SNSのアカウント情報を交換したり、作品を見せ合ったりしていました。この場で吸収できることを最大限持って帰ろう!という参加者の皆さんの気持ちが、会場の熱気になっていました。
▼お互いの作品に興味津々!

イベント終了後も、その熱気は収まりません!Twitter上では、#ビビブラトークのハッシュタグに、たくさんの感想が寄せられました。


 

登壇者の皆さんからも!


 
ご登壇いただいたクリエイターの皆さんからは、SNSの活用の際「続けること」「試すこと」「振り返ること」の大切さを学べた1日となりました。
あなたは、「SNSを使った発信」をしていますか?もし「一度つくったけど途中でやめてしまった……」「つくろうと思ってたけど、なかなか開設に至らない。」という方は、ぜひ#ビビブラトークのハッシュタグを参考にして、発信を始めてみてはいかがでしょうか。
ご登壇者の皆さん、参加者の皆さんありがとうございました!
 

(2018.11.5)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

女子美術大学卒業。 ビビビット社で、全国のデザイン・美術の学校へ行く仕事をしています。 ビビビットTwitterでもつぶやいてます( ^^ )/
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