デザイナー就活生のための自己分析・自分軸の決め方

デザイナーになるべく就職活動を続けるなかで、「この会社でやりたいことは?」という質問に困ったことはありませんか。2021年卒の筆者(三芳)自身も、「自分がデザインで成し遂げたいこと」を見つけられずに悩んだ時期がありました。今回は、新卒でデザイナー職の就職活動を行っている方に知って欲しい、“自分軸”の考え方を紹介します。ズボラな性格でも大丈夫!な方法なので、いわゆる就活対策に苦手意識のある人もぜひ読んでみてください。編集・執筆 / HINAKO MIYOSHI,YOSHIKO INOUE 

もくじ

    • 1. ズボラな私はこうした!『自分インタビュー』で自己分析
    • 2.『自分インタビュー』をするコツ
    • 3.私のやりたいことは?『自分インタビュー』をしてみよう
    • 4.「考えるより行動派」ならこんなことをしてみよう
    • 5.最後に

1.ズボラな私はこうした!
『自分インタビュー』で自己分析



とにかく制作が大好き!インターンにも参加して、スキルもある程度身についてきた!いざ就活!となったときに、自分が「デザインでやりたいこと」が何か分からない……

これは、筆者(三芳)が就活中に悩んでいたことです。
私は学部3年時からインターンなどさまざまな企業イベントに参加していました。そのため友達からは就活が順調そうに見られていたのですが、選考で問われる「この会社でどういうことをしたいですか」「デザインで何がしたいですか」という質問がとても苦手でした。
うまく答えられずに最終選考で不採用となってしまったこともあり、この経験から自分の考えを整理する必要性を強く感じるようになりました。

しかし、そんな苦い体験をしたものの、ズボラな性格の私は自己分析ツールのようなものをうまく使いこなせずにいました……。今回は、そんなズボラな私が実践した自己分析、名付けて「自分インタビュー」をご紹介します!私も自分インタビューを通して、なんとなくでも自分の進みたい方向性を見つけられ、内定をいただくことができました。

「自分インタビュー」は、とにかく自分にたくさん質問をする!その回答を深堀りする!それだけです。

2.インタビューの前に……進めるうえでのコツ

1.とにかく深堀りする

『自分インタビュー』で一番大事なことは、一問一答ではなく、回答に対する理由をとにかく深堀りしていくことです。ズボラなタイプの方でも、ここだけは手を抜かないようにしましょう!
自分が日頃何気なく考えていることも、とにかく「なんでそういう風に考えたのだろう?」と突き詰めていくことで、「自分の思いや本音」が見えてきます。私も「結局のところ自分はどう考えているのか」に向き合うことで「やりたいこと」が見つかり、それと行きたい会社を摺り合わせることができました。

2.考えるだけでなく記録する

インタビューの回答は、心の中で考えるだけでも良いですが、文字として記録しておくと頭に定着しやすいのでおすすめです。
就活では思いを自分の言葉で伝えなければいけません。簡単にでも記録しておくと、面接前などに見直すことができ、自分の思いを再確認できますよ。
記録する媒体はいろいろあります。定番のノートとペン、スマホのメモ機能やTwitterなどSNSの鍵アカウント……。自分が使いやすいツールであれば何でも大丈夫です。XMindと呼ばれるマインドマップを簡単に書けるツールなどもあり、こちらもおすすめです!

3.まずは本音で回答する!

「就活用の自己分析」だからといって、始めから「自分と社会のつながり」「自分が社会で役立つには」などを難しく考えなくても大丈夫。まずは身近なことから、本音で考えることから始めましょう!

4.本音の解像度を上げ、自分の言葉で企業に伝えよう

▼始めは本音で考えて、だんだん「本音の解像度」を上げていこう!


いろいろ考えて、自分の本音のままを受け入れてくれる会社があれば一番ですよね......。
私もそのような理想があったので、ありのままの自分や考えを面接でぶつけてみたこともありました。しかし、しっかり自己分析して対策されている同学年の学生の方と比較される場面では、本音をそのままぶつけてもあまり理解してもらえないのが現実でした。
嘘をつく必要はないですが、企業の人に思いを伝えるときは言い回しや言葉遣いをデザインしましょう。素直な思いはそのままに、受けたい会社に合わせて言い方を変えると、無理に自分を作らなくても、面接官の方に理解してもらえることが多くなりました。

3.今からできる!『自分インタビュー』を始めよう

それではさっそく、『自分インタビュー』を始めましょう!
①まずは本音で回答して
②その回答をどんどん深堀り
 していってくださいね。

作品を振り返ろう!「これまで」に関するインタビュー

今までの制作は、どんな形式のものが多かった?

これまでの制作を振り返ってみると、個人制作が多かったり、反対にチーム制作が多かったり、半々だったり。「制作の取り組み方」に傾向はありませんか?積み重ねてきた制作は、あなたがしてきた「無意識の選択」のあらわれとも言えます。「個人制作が好き」「人と作るのが好き」「どちらも苦じゃない、好き」……など、自分の好みや得意分野が見えてくるでしょう。

さらにその理由(なぜ?)を考えてみましょう!「与えられたテーマに対し、自分で全て決めるのが好き」「人と意見を出し合った方が1人で作るより良いアウトプットになる」など、志向性がだんだん明確になってくるのではないでしょうか。
そういった自分の好き・得意な取り組み方と、仕事の進め方が近い会社があれば、それは長所を伸ばしやすい環境かもしれません。これだけでも会社選びをするうえでの絞り込み条件が一つできましたね。
この調子で、今までの制作を振り返り・発展させながら考えを繋げていきましょう。

最も嬉しかったフィードバック、褒め言葉は?

これまでの制作を通して、「コミュニケーション力がいいね」「ビジュアルスキルが高いね」などいろいろなフィードバックを受けてきたと思います。その中で、自分が一番嬉しかった言葉は何ですか?そしてそれはなぜでしょうか。
その嬉しい!という気持ちに、自分が磨きたいスキルや制作で大切にしていることが隠れているはずです!

会社見学を通して自分が感じた「なんとなく良い・悪い」の理由は?


インターンや会社見学をしたときに、「なんとなくこの会社は良いなあ」「なんとなく合わなそうだなあ」と感じたことはありませんか。なんでそう感じたのか、細かいところを分析してみましょう。「社員同士が仲が良さそうだったから」「駅からのアクセスが良いから」など、細かいことを深堀りしていくと、自分の大事なポイントや譲れないポイントが見えてきます
「おしゃれな環境に身をおいて働きたい」「会社の広さは気にならない」……などなど、いろいろありますね。魅力を感じた会社を1から考え直してみると、素敵なところをもっと見つけることができ、面白いですよ。


未来を想像しよう!「これから」に関するインタビュー!

どんな環境に身を置きたい?逆に、置きたくない?

前の質問と少し似てますが、例えば「スキルが身に付く環境が良いな」という思いがある場合は、どんなスキルを身に付けたいのかを考えてみましょう。ビジュアルデザインのスキル?クライアントと商談できるスキル?動画制作、WEBデザイン?……細かく考えることが大事です!

ここでもう1つコツをお伝えすると、「こうなりたい」が定まらないときは「こうなりたくない」から考えてみることです。今までの人生の中で「どうしても自分には受け入れられなかったこと、どうしても馴染めなかった環境」があれば、その要素がある会社を除外することができます。選択肢を狭めてしまう不安もあり思い切りが必要ですが、絞り込みには効果的です。

例えば、「会社の雰囲気が良い会社」といっても、あなたが合うと思う環境、合わないと思う環境によって良い・悪いの基準が変わりますよね。体育会系の熱い雰囲気の会社、かっちり感の強いザ・ビジネス的な会社、休日も社員同士で遊びにいく会社、社内にBGMがかかっている会社など......今挙げた会社を良いと思うか悪いと思うかは、人それぞれで違うでしょう。さまざまな会社があるので、比較して合う・合わないを考えてみてください。

ちなみに、私はわりとどんな環境でも順応できるタイプだと思っていたので、「会社の雰囲気」は会社を選ぶ上では重要度が低かったです。自分が気にならないポイントのことは、条件から除外して考えないのも一つの手だと思います......!

自分が幸せになれる社会ってどんなもの?

大げさに聞こえるかもしれませんが、「みんながゲームに夢中になっている社会」「休みがたくさんある社会」など......作りたい社会といっても、本心で大丈夫です。
その本心から、段階を踏んで現実に近づけていきましょう。上の例で言うと、「こういうデザインのゲームが増えたらこれまで興味がなかった人がゲームに夢中になる(=「“みんな”がゲームに夢中になっている社会」に近づく)」ことや「デザインでこういう業務や作業が行いやすくなったら自分もたくさん休めるようになる(=「休みがたくさんある社会」に近づく)」など......。自分の幸せをもとに考えを発展させていけば、自分に素直にデザインで作りたい社会や信念を生むことができます。

面接では「デザインでどんな社会をつくりたいですか?」と聞かれることもあります。突然聞かれると戸惑うかもしれませんが、身近なことから考えるとスッと答えられますよ!

仕事以外でどういう生活をしていたい?

「5年後10年後、どんな風になっていたいですか?」これも、面接でよくある質問です。まだ働いていない中でイメージしづらい部分もあると思います。そのようなときは、仕事以外で将来どういう生活をしていたいかを想像しましょう。
例えば「吉祥寺に住んでいたい」「◯歳になったときには家が欲しい」「仕事以外で毎日趣味に没頭できるくらいの余裕がある生活がしたい」など......。それを実現するためにはどのような仕事を選べば良いか、同時に考えていきましょう。

4.「考えるより行動派」ならこんなことをしてみよう

ここまでいろいろと「質問に対して考えてみましょう!」と投げかけてきましたが、ここからは「考えるより行動派」のあなたにおすすめな行動をご紹介します。
私も、うまく考えがまとまらなかったときは一旦就活から離れ、別のことをしました。私と同じように「行動して得た経験をもとに自分の考えを見つけられるタイプ」もいると思います。そんな方はぜひ参考にしてください。

●就活から離れて自分の好きな活動に打ち込む

好きなことや得意なこと、「自分の力を発揮したい、力になりたい」と思える分野の活動に没頭すると、「自分が本当にやりたいこと・やりがいを感じること」が見えてくることがあります。
好きなことや好きな人のために行動すると、「その好きを極めるためにはどうすれば良いのか」「この好きな世界を維持するにはどうしたらいいか」を考えることができます。私の場合も、就活から少し離れてそんな経験をして、やっと自分の考えをうまくまとめられる感触を得ることができました。

●デザイン関連で言語化されているものにたくさん触れる

「なんとなく良いと思うこと・正しいと思うこと」を言語化するのは、とても難しいことです。自分の中のモヤモヤをうまく言葉にできないときは、デザイナーが書いた本を読んだり、トークセッションなどに参加してヒントを得たりすることもおすすめです。デザイン分野の本や雑誌、トークセッションはたくさんあります。そこでは、いろいろな人の悩みや考えを伝わりやすいように丁寧に言語化してくれています。自分自身の悩みに近いものがあれば、解決するヒントが見つかるかもしれません。

5.最後に

「自分がデザインでやりたいことはこれだ!」と、信念を持っているデザイナーはとても強いです。1人のデザイナーとしてその思いがあるからこそ、日々のアウトプットがインパクトの強いものになるのではないでしょうか。私は先輩のデザイナーの方々を見て、そんな風に感じています。
ですが自分のことになると、「デザインでやりたいこと」を見つけるのは本当に難しいですよね。時間もかかりますし、見つからない間は周りとの差を感じ焦ってしまうと思います。つまずきながらも、最後は自分の中で確信を持って進路を選べることが第一です。そうすることができれば、全ての就活対策をきっちりやる必要はないと思います。
気楽にいろいろやってみるなかで、今回の『自分インタビュー』もお役に立てたら嬉しいです!


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(2020.5.2)

著者

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三芳日向子

東京造形大学という大学でメディアデザインを学んでいます。UXUIまわりのデザインを基本にいろいろ取り組むのが好きだったり、ラーメンと餃子が大好きだったりします。 みよしのTwitter

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