2020年5月現在、デザイナー職に限らず、就職活動では「オンライン面接」が増えています。就活中の皆さん、オンライン面接を指定されて不安に感じたことはありませんか?難しいイメージを持っている人も、ポイントを抑えて冷静に対処すれば大丈夫。今回は、特にクリエイティブ系で就職を目指している人向けに、オンライン面接を受ける際の注意点をまとめました。ポートフォリオの見せ方のコツや、面接前に確かめておきたい項目をご紹介します。編集・執筆 / HINAKO MIYOSHI,YOSHIKO INOUE
1.オンライン面接とは
オンライン面接とは、会社に訪問せず、通話ツールを使って遠隔で行う面接方式です。ネットの回線と静かな環境さえあれば、好きな場所で受けることができます。
直接会社に訪問して受けるオフライン面接と違い、基本的に自宅から受け、ポートフォリオなどのアイテムは直接見せるのではなく画面を介して紹介します。
2020年春、新型コロナウイルスの感染が国内でも拡大し、多くの企業で会社訪問の受け入れが難しくなりました。それに伴いオンラインでの面接が増加しました。
主要ツールの紹介
オンライン面接は、ビデオ会話ツールを使用して行われます。多くの場合、企業から面接案内の際に指定されますが、特に用いられることの多いツールを紹介します。どんなものがあるか把握しておきましょう。
■ zoom
原則ユーザー登録が必要。ブラウザでも通話に参加できるがソフトもインストールしておくと安心。
■ Googleハングアウト、Google Meet
ブラウザで参加できる。メールアドレスではなくURLで招待されていればログイン不要。
■ Skype
原則ユーザー登録が必要。ブラウザでも参加できるがソフトもインストールしておくと安心。
zoomやSkypeは社会に出てからも使う機会が多いので、あらかじめユーザー登録、ソフトをインストールしておくと便利です。
2.リハーサル必須!オンライン面接で大事なこと
“自宅が面接会場になる”オンライン面接。どれくらい整えるべきか迷うところですが、「オフライン面接と同じ環境を整えること」を目指すと良いと思います。そのため【ネット環境や音声に問題はないか】と【映る画面は清潔感のある状態か】は事前に確認しておきましょう。
リハーサルは必須です。お友達などと試しに通話してみてください。リハーサルでの確認項目を挙げました。
繰り返しになりますが、最も大事なのはネット環境や音声に問題はないかです。どんなに立派なプレゼンを考えていても、相手に届かなければ意味がありません。実は筆者も、初めてのオンライン面接で回線チェックを怠り、失敗に終わった経験があります……。音声をほとんど聞き取れず、面接は予定よりかなり短い時間で終わってしまいました。デザインの実力以外の理由で残念な結果が出ることはショックが大きく、後悔が残ります。しっかり準備しておきましょう!
■家のWi-Fiが弱い時は・・・
1.まずは確認してみよう
Fast.comというNETFLIXが提供しているサイトなどで自分の回線速度を確認することができます。筆者(三芳)は面接前、再生して確かめていました。Youtubeが快適に再生できるレベルだと、面接でも問題なく会話できると判断していました。
2.Wi-fiをやめて有線で繋ぐ
有線のコードを使用してネットを利用すると、劇的に速度が速くなることがあるそうです。一度試してみると良いと思います。
3.学校やカラオケボックス、ネットカフェなどの防音個室を利用する
学校が使える場合は、学校の会議室などを利用すると良いでしょう。また最近のカラオケボックスや防音個室があるネットカフェでは、高速のWi-fiがついていることも多いです。筆者(三芳)も、自宅の回線が悪く、何回かこういったスポットを利用しました。
※ネットカフェの場合は、防音個室であることが絶対条件です。個人的な話がたくさん出てきますので、最終手段にしたいところです。
3.オンライン面接でのポートフォリオプレゼンどうする?
一次面接や二次面接では、多くの場合ポートフォリオの説明を求められます。面接官は現場のデザイナーさんであることも。提出したポートフォリオをプレゼンする練習をしておきましょう。ポートフォリオをオンライン面接で説明するときのポイントをお伝えします。
①手元にデータを用意する
事前に提出している場合、オフライン面接であればその場で実物をめくりながら説明できます。しかし、オンラインではそれができません。相手が持っているものに対して、遠隔で説明するのは難しいので、手元にコピーを用意しておきましょう。
②説明の仕方を練習しておく
オンラインでの説明の場合、手元でポートフォリオを指差しながらの説明ができないため、今どの作品を説明しているかをしっかり伝えることがより重要です。説明する作品のページ数を伝える、項目を伝えるなど、わかりやすいプレゼンができるよう練習を重ねましょう。
③よりスムーズに説明したいときは「画面共有」機能を!
「画面共有」機能とは、自分のパソコンの画面を相手に共有できる機能です。表示したポートフォリオの画面がそのまま相手にも映し出されるので、見ているページの齟齬が起きにくいです。お互いに確認しているページに間違いが起こらないため、自分も作品を確認しながら説明できます。
リハーサルで画面共有の仕方を確認して、口頭とどちらが説明しやすいか検討しましょう。口頭よりも画面共有の方が説明しやすいと感じたら、ポートフォリオの説明を求められたときに「画面共有を行っていいですか」と提案しましょう。
4.不安解消!こんなときどうする?
筆者の経験と、クリエイターの就職支援をしている本メディアの運営会社・株式会社ビビビットの社員さんに話を聞きながら回答しました!ぜひ参考にしてください。
背景に家の中が映ってしまう。失礼にならない?
オフライン面接の再現という意味では、なるべく不要なものは写り込まないようにしておきたいです。(例えば洗濯物や食べ終わった食器など、生活感が出るものはNG)
神経質になりすぎる必要はないですが、気になる場合は、内蔵ツールやsnapcameraなどを活用してシンプルなバーチャル背景を使うのも一つの手です。
カメラの映り方に正解はあるの?
これといった基準はないので、バストアップを目安に、常識的な範囲の「近すぎず・遠すぎず」の映り方にしましょう。近すぎるよりは遠いほうが、相手に圧迫感を与えません。
話すときにどこを見れば良い?
画面に映る相手を見ると、相手からすると目が合ってないように見えてしまいます。しかし、前提として「目線が多少合ってないからと言って、結果を左右するようなマイナス評価には繋がらない」と考えましょう。
不安な場合は、事前にメールで「オンライン面接に不慣れのため、目線など不自然でしたらご指摘ください」と送っても良いと思います。ただし、そこまで神経質になるところではありません。
イヤホンはつけた方がいい?
パソコン本体のマイクでも参加は可能ですが、つけたほうが周りの音を取り込みにくく、相手が聞き取りやすいです。ない状態でもしっかり声が聞き取れるか事前に確認しておきましょう。
相手の声がよく聞き取れなかったら?
聞き取れなかったタイミングですぐ「上手く聞き取れなかったのでもう一度お願いできますか?」と聞き返しましょう。
最初は聞き返すのに勇気がいりますが、よくわからないまま臆測で会話をしてしまうと、せっかくの相互理解の機会を活かせなくなってしまいます。相手もある程度ネットの通信障害を想定した上で会話をしてくれているので、聞き返せば快く対応してくれるはずです。
服装はどうしたらいい?
指定がない場合、ほとんどのクリエイティブ系の会社は私服で問題ないと思います。会社のホームページを見たり、会社見学をしたりして、会社の雰囲気を確認しましょう。筆者(三芳)が受けたIT系の会社では、全社面談・面接ともに私服で問題なかったです。不安な場合は事前に聞いてみましょう。
通話中に回線が悪くなってしまった時は?
画面が固まったり、音声が途切れてしまうようになったら、すぐ「回線が悪いようです」と主張し、会話をいったん止めるようにしましょう。大抵の場合、少し待てば改善されますし、相手も状況を汲んで待ってくれます。それでも改善しない場合は、許可をとってビデオを切って音声のみで会話するのも手です。
5.準備しておけば安心!その他のコツ
飲み物や、ノート、ペンを隣に置いておく
通常の会社訪問であれば面接でもお水を用意してくれることがあり、適時喉を潤すことができるのですが、オンラインだと自分で用意しなければいけません。いつでもお水が飲めるという安心感があるだけで、だいぶ楽になれます。
また、面接中に次の日程調整や持ち物などを相手から伝えられることもあると思います。メモとペンも近くに置いておくと安心です。
ノートパソコンは常に電源を繋げておく
オンライン面接をしていると、通常よりも早くバッテリーがなくなってしまうことが多いです。ノートパソコンの場合は電源を繋げておきましょう。
面接が圧迫感を感じて怖い人はウインドウを小さくする
手持ちのパソコンに全画面で相手の顔を写す必要性はありません。圧迫感を感じて不安になる人は、ビデオツールのウィンドウを小さくしてみましょう。同じデスクトップ上に自分のポートフォリオを用意しておけば、説明に必要になったときにすぐ見返すこともできるので、安心です。
オンライン面接で戸惑ったことを友達と話しておく
オンライン面談の機会が増えているため、周囲の友達もビデオ面接を経験している人が多いと思います。事前に困ったことなどを雑談の中でも聞いておくと、一緒に対策を考えられます。
6.まとめ
オンライン面接では、想定できるアクシデントは事前に対策しておくことが大切です。なぜならオンライン面接がどんどん一般化していくことで、企業側も「予想できるトラブルは事前に回避するのが当たり前」というスタンスになっていくことが考えられるからです。前半にもあるように、事前のリハーサルはぜひしておきましょう。
その上で、音が途切れたり画面が固まったりなど、何かしらの不具合が起きることはつきものです。不具合が起きても焦ることなく、冷静に対処していけば問題ありません。最初は戸惑うこともあると思うので、友達と積極的に練習しておきましょう!
(2020.5.25)
著者
三芳日向子
東京造形大学という大学でメディアデザインを学んでいます。UXUIまわりのデザインを基本にいろいろ取り組むのが好きだったり、ラーメンと餃子が大好きだったりします。 みよしのTwitter
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