今からできる!ポートフォリオに載せる作品を増やすヒント

ポートフォリオを作ろう!と思ったときに困るのが「載せる作品がない!」こと。学校課題をコツコツ取り組んできたはずなのに、数が足りなかったら悲しいですよね。
逆に、載せる作品が十分手元にある状態であれば、ブラッシュアップの仕方を考えたり、作品を振り返って自己分析を行ったりできます。今回は、作品を増やしたいときに取り組むコツ、ヒントをご紹介します。編集・執筆 / HINAKO MIYOSHI,YOSHIKO INOUE

1.学校の制作だけじゃ足りない?もっと作品を増やしたい!

あなたはどんなときに「自分の作品を増やしたい」と思いますか?そしてその時どうやって増やしていますか?
挑戦したい表現や決まったお題があるときは進めやすいかもしれませんが、「とにかく量産して作業スピードを上げたい」「就活用に“希望する業界に寄せた作品”を増やしたい」というときはどう進めたら良いか迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は「学校課題以外で作品を増やす方法」についてご紹介します。筆者(みよし)もIT系を第一志望に就職活動を始めた際、UIデザインの作品やWEBデザインの作品が少ない状態でした。しかし自分が志望する業界と親和性の高い作品が増えると、だんだん作品にも自分にも自信をもつことができ、面接でも堂々とアピールできるようになりました。この記事でご紹介する中には筆者(みよし)が実践したものも含まれます。
作品制作をコツコツ積み重ねると自分の成長に大きくつながるので、ぜひ挑戦してみましょう!

2.インターンにハッカソン。イベントに参加して作品をつくる

インターンシップやワークショップなどのイベントは、自分ひとりだとやる気が出ない・始めるきっかけが欲しい人へおすすめです。他の人と一緒に作業をするため、ひとり作業のときより緊張感があります。自分ひとりだとつい誘惑に負けがちでも、集中を保ったまま制作ができるでしょう。またグループやチームで制作に取り組むことが多いので、一緒に参加している人とアイデアを出し合ったり一緒に考えたりできるので、ひとりで制作している時よりも多くの新しい発見に触れることができるはずです。

短期インターン

短期といっても期間はさまざまですが、ここでは1dayのものから1,2週間程度のものまでを指します。1日の場合は会社見学や説明会などで終わることもありますが、2日以上の場合はしっかりと課題に取り組むパターンが多いです。2日以上のインターンでは、与えられたテーマに参加者と取り組み、最後に発表と講評が行われることが多くあります。プロのフィードバックを受けたクオリティの高いアウトプットは、インターン終了時点ですぐにポートフォリオに入れられるでしょう。

●平均開催期間:1日〜1,2週間
●2020年現在のオンライン参加可能度:中
●制作人数:グループ制作、個人制作どちらの場合もある
●メリット:2日以上の場合参加するだけでポートフォリオに載せられる作品を作れることが多い。現場のデザイナーさんに詳しいアドバイスをもらえる。
●デメリット:1dayでチーム制作をする場合、場になじめなかったとき力を発揮できないことがある。また、自分の担当箇所と言える作品が仕上がらない場合も。

▼筆者(みよし)がインターンで制作した作品の一部。夏・秋・冬といろんなものに参加しました。

長期インターン

ここでは数ヶ月単位のインターンを指します。実務に近いことを行うことが多いです。週に何日か出社し、現場の社員さんと話し合いながら制作を進めていくことが多いです。インターンで制作したものをポートフォリオに載せられない場合があるため、事前に確認しておきましょう。(※載せられない場合は、インターンでの制作内容を言葉で説明できるよう言語化しておきましょう!)実務に近い作品制作を経験したい人におすすめです。

●平均開催期間:1,2週間-1年以上
●2020年現在のオンライン参加可能度:中
●制作人数:基本的に個人、現場の社員さんとチームで働くことが多い。
●メリット:制作スキルを上げられ、現場のデザイナーに密にフィードバックがもらえる。お給料がもらえる。
●デメリット:長い期間出勤できる状態が必要。制作したものが会社として世に出すものとなる場合、個人の制作物としてポートフォリオに載せられないことがある。

ハッカソン

ハッカソンはエンジニアとチームを組み短期間でアプリを作り競い合うイベントです。基本的にはエンジニアさんが主役のイベントなのですが、中にはデザイナーも参加できるものもあります。
その場合デザイナーはUIを制作することになるので、UIデザイナー志望には特におすすめです。一方でアプリの中で簡単なイラストが必要になることもあるので、グラフィックデザイナー志望の方でも参加してみると面白いと思います。

●平均開催期間:2日
●2020年現在のオンライン参加可能度:低(これから増加する可能性高)
●制作人数:グループ制作
●メリット:エンジニアという他職種の人と協力して何かを作った経験をアピールできる。短期間で1本完結した作品を作りきれる。チームで競い合う楽しさがあり、賞がもらえると賞金や景品が貰える。
●デメリット:短期集中のため体力勝負な部分がある。エンジニアさんを見つけるのが難しい。(※個人で応募すれば運営側でチームをマッチングしてくれるハッカソンもあり)

▼筆者(みよし)がハッカソンで作った作品の一部。具体的な役割分担や結果についても書きました。

ワークショップ

ワークショップは、日本では体験型のイベントとして、美術館や、ショッピングセンターなどさまざまな場所で行われています。デザイン系のワークショップは、アイデアのブレストや企画など、“デザインを体験する”といったプログラム内容になっていることが多いです。参加者とグループ作業のこともあれば個人のことも。
最終アウトプットが「企画」や「アイデア」になると、多くの場合ポートフォリオに載せる作品としては弱いので、その後のブラッシュアップが必要となります。アイデアの叩き台や作品のテーマが欲しい人におすすめです。

●平均開催期間:1日
●2020年現在のオンライン参加可能度:低 (これから増加する可能性高)
●制作人数:グループ制作が多い
●メリット:いろんな人とアイデアを交わせる。作品作りの「たたき」を用意できる。自宅で自分なりにブラッシュアップできる。
●デメリット:ワークショップだけでポートフォリオに載せられる作品を完成させることは難しい。

イベントどうやって見つける?検索の仕方

単にGoogle検索などでイベントを検索するだけだと、情報がまとめられていないので目的のイベントが見つけづらいです。イベントがまとめられているサイトやサービスを活用しましょう!「デザイナー インターン」など、同じキーワードでもいろんな媒体で定期的に検索してみることで、より効果的に探すことができます。
▼媒体ごとに、見つけやすいイベントの種類も異なります!

●ワークショップ多め:Peatixなど
●IT系のワークショップ、ハッカソン多め:connpassなど
●インターン多め:Twitter(会社のデザイナーさんや広報さんがイベントを呟いていることがあるので、定期的に検索して見つけましょう!)
●その他、ViViViT含む求人サイトでもインターンやアルバイトを見つけることができます!
ViViViTのインターンシップ特集はこちら:https://www.vivivit.com/lps/internship

3.自分のペースでじっくりと!サービスを活用して作品をつくる


なかなかイベントに参加できるような時間や環境じゃないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。2020年現在は、オンライン環境や社会におけるデザインへの注目が進んだこともあり、制作のヒントをくれるサービスや手法も多く生まれてきました。ここでは、自分ひとりでも制作していける方法を紹介します。

コンペやお題をWEBサイトで見つけよう!

さまざまな団体が開催しているコンペに応募したり、テーマが提供されるサイトを活用する手もあります。
「登竜門」というサイトは日本で参加できるほとんどのコンペが集められています。他にも制作テーマを提供してくれるオンライン学習サービスなどがあります。オンライン学習サービスでは、自宅などで作業、提出と言った形が多いです。デザイン初心者向けに提供されているものもあり、考え方や作り方を丁寧に教えてくれるので安心して取り組めます。自分でやればやるだけ成果物が生まれるので、ちょっとした隙間時間を生かして作品を増やしたい人におすすめです。

●平均開催期間:テーマによる。1時間〜
●2020年現在のオンライン参加可能度:高(すべてオンライン)
●制作人数:個人制作
●メリット:自分でやりたい時にすぐできる。受賞すると評価やフィードバック、賞金がもらえることがある。
●デメリット:制作過程でアドバイスがもらえない。落選や反応がない場合辛い。

ViViViTが特集するクリエイターに特化したコンペサイト「ViViCOM」はこちら!:http://compe.vivivit.com/

デザイントレースをしてみよう!

デザイントレースとは、既存のデザインをトレースして、構造を理解する勉強方法です。プロのデザインには、素敵にみせる秘密がたくさん詰まっています。自分で好きなバナーやポスター、UIデザインなどを参考に、真似して実際に作ってみることで、成果物が生まれます。積極的に学ぶ姿勢をアピールできる作品が制作できますが、自分のオリジナル作品ではないためポートフォリオでは「トレースによる習作、模写」であることと引用元作品がわかるように記載しましょう
Twitterのハッシュタグ「#デザイントレース」で検索するとたくさんのデザイントレースの投稿を見ることができます!

身近にある時事問題をテーマにしてみよう!

デザインは「問題解決」のためにあると考えることもできるものです。自主制作のテーマ決めに苦戦している人は、身の回りに起きている時事問題をテーマにしてみましょう!時代の流れをキャッチして、それを解決できるような作品が提案できれば、ポートフォリオを見てもらう際にも大きなポイントになりますよ。
▼(例)時事問題:ウイルス 
解決方法:「グラフィックデザインデザイン、イラスト」→手洗いうがいのポスター 
「UIデザイン」→家の中で楽しめるサービス
「プロダクトデザイン」→長時間つけていても快適なマスク など

4.既存の作品をブラッシュアップして作品を増やす!

制作物を増やすのに、新しいアイデアや企画が必ずしも必要であるとは限りません。自分の過去の制作物や、参考図書などを上手に活用することでも、制作物を作ることができますよ。

以前作った作品をブラッシュアップしてみる

制作して時間が経っている作品があるなら、今の自分ならどうデザインするか、自分でブラッシュアップしてみてはどうでしょうか。変化した考え方などをまとめてポートフォリオに載せられると、自分の成長率をアピールすることもできます。

インプットをそのままアウトプットにする

手を動かすことより本を読んだりトピックを理解することの方が得意!という人には、学んだインプットをそのままアウトプットしてみることもおすすめです!有名なのがグラフィックレコーディング(以下、グラレコ)という手法で、カンファレスや議論の内容を即興でわかりやすく絵や図を交えて描く手法です。
聞いたものをグラフィック化するグラレコとはまた少し違うのですが、最近では本や映画の内容をこのグラレコ的な感覚でまとめた作品も多くなりました。このようにインプットしたものをそのまままとめるだけでも、自分の思考の整理にもなりますし、知識を得る力やまとめる力をアピールすることができます!
Twitterのハッシュタグ「#グラレコ」ではいろんな人が描いたグラレコを見ることができます。

5.まとめ

空いた日などに集中して取り組めば、制作物はスムーズに増やすことができます!筆者(みよし)も定期的にイベントに参加することで、コツコツ着実に作品を増やしていきました。結果的に、就活前に自分の作品数で焦らずに済み、自己分析などに集中できたので良かったです。
皆さんもぜひイベントなどは気軽に参加して、いろんな制作物を作ってみましょう!

(2020.7.20)

著者

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三芳日向子

東京造形大学という大学でメディアデザインを学んでいます。UXUIまわりのデザインを基本にいろいろ取り組むのが好きだったり、ラーメンと餃子が大好きだったりします。 みよしのTwitter

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