「資格」と聞くと皆さんはどんなイメージを持ちますか?「資格を取ることなんて考えたこともない」という方もたくさんいると思いますが、現在では多種多様な資格があり、中には資格取得を趣味とする人もいるほどです。今回は新しいことを始めたいと思うクリエイターの皆さんにぴったりな、クリエイティブ関連の資格をご紹介したいと思います。
編集・執筆 / ASAMI KIMURA, AYUPY GOTO
● 資格を取るとどんな良いことがある?
自主的に資格取得に挑戦すると様々なメリットがあります。
・新しいことを始めるとっかかりに
なにか新しいスキルを身につけたいと思っても、何から手を付ければいいかわからないということはよくあるはずです。そんなときに取得を目標にすると便利です。基礎的な知識を身につけられる資格を見つければ、あとは試験日に向けてテキストなどで勉強するだけ!
・計画的に取り組む姿勢が身に付く
クリエイターに必須な計画性を身につけることができます。学校のテスト勉強では身が入らなかったという人でも、高い受験料を払ってしまったら頑張らなければという気持ちになります。独学で挑む場合も多いでしょうから、勉強時間確保のための自己管理能力が養われます。
結論から言うと、ほとんどの資格ではそれによって有利になるということはありません(国家資格、TOEICハイスコア等は評価される)。ただし、まったく役に立たないというわけではないです。
履歴書の空欄が埋まるというのは自分にとって心強くなりますし、エントリーシートや選考中に話すエピソードと組み合わせれば、アピールポイントの裏付けに使うことも可能です。
資格がさほど重要視されない理由は、社会で通用するスキルは実務でしか身に付かないことがわかっているからです。
以上のように、資格取得に関して重要なのはその結果ではなく過程だといえます。
興味のある資格を見つけたら、悩むより前にチャレンジしてみたいところ。もし合格できなかったとしても、試験を受けるまでに得るものは多いです。
● クリエイティブ系の資格いろいろ
※ 記事中の情報は変更になる可能性があります
1. 色彩系
知名度も高くファッション系から人気の「色彩検定」をはじめ、色彩系の資格はいくつか種類があります。「カラーコーディネーター検定試験」は工業系にも強く、色彩検定に比べると平均的に難易度が高いようです。光と色彩の能力テストと題される「TOCOL」は、合否ではなくTOEICのようなスコア式で有効期間が3年間に設定されています。
色彩検定
URL: http://www.aft.or.jp/
主催:公益社団法人 色彩検定協会
開催時期:6月頃(2,3級のみ)・11月頃(全級)、受験料:7,000円〜15,000円
カラーコーディネーター検定試験
URL: http://www.kentei.org/color/
主催:東京商工会議所
開催時期:6月頃(2,3級のみ)・12月頃(全級)、受験料:5,250円〜9,440円
TOCOL(Test of Color and Light)
URL: http://www.tocol.net/
主催:五感コミュニケーション協働プロジェクト
開催時期:年10回ほど(レベル別日程)、受験料:2,500円(1教材購入ごとに一回無料)
2. WEB系
資格の中でもWeb系はバリエーションが豊富で、ここでは載せきれなかったものも多いです。「CG-ARTS検定」ではCGクリエイター、Webデザイナー、画像処理エンジニアなど繋がりあった5つの検定試験が実施されており、情報分野への知識が広がります。「Web検定」でも4種の試験がありますが、こちらはWebディレクションやプロデュース方面へ幅が広がっています。「情報検定」の情報デザイン試験は、情報を受け取り、伝える能力を重視した試験です。
CG-ARTS検定(CGクリエイター検定など5種)
URL: https://www.cgarts.or.jp/kentei/
主催:CG-ARTS協会
開催時期:7月頃・11月頃、受験料:5,500円〜6,600円
Web検定(Webデザインなど4種)
URL: https://webken.jp
主催:株式会社ボーンデジタル
開催時期:随時、受験料:10,000円+税
情報検定(情報デザイン試験など3種)
URL: http://jken.sgec.or.jp/guide/jdesign.html
主催:一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団 検定試験センター
開催時期:随時、受験料:4,000円〜4,500円
3. DTP系
DTPの資格としては、DTP検定とDTPエキスパートの2つがメジャーです。「DTP検定」は異なる職種に向けたI種〜III種に分かれており、実務のための知識が問われます。これから業界で働きたいという方にはこちらのようです。一方「DTPエキスパート」では専門用語も多く高度な知識が試されるため、実際に業界で働く人の受験が多いようです。なお、こちらの資格は2年ごとに更新となります。
DTP検定
URL: http://www.dtpkentei.jp/
主催:株式会社ワークスコーポレーション
開催時期:随時、受験料:11,800円〜16,500円
2年更新
DTPエキスパート
URL: http://www.jagatexp.info/dtp/
主催:公益社団法人 日本印刷技術協会(JAGAT)
開催時期:3月・8月、受験料:20,000円
2年更新
4. 他にもたくさんの資格が!
クリエイティブ系の資格にはまだまだあります。自分の専攻している分野や趣味に関連するものも、探してみると見つかるかもしれません。
フォトマスター検定
URL: http://www.pm-kentei.com/
主催:一般社団法人 公益財団法人国際文化カレッジ フォトマスター検定事務局
開催時期:11月頃、受験料:3,900円〜7,000円
映像音響処理技術者資格認定試験
URL: http://www.jppanet.or.jp/nintei/nintei-9.html
主催:一般社団法人 日本ポストプロダクション協会
開催時期:地域ごとに異なる、受験料:5,400円
プロダクトデザイン(PD)検定
URL: http://pdken.jida.or.jp/
主催:公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会
開催時期:随時、受験料:10,000円+税(アカデミック価格有)
● 資格に挑戦したいと思ったら……
資格を取得するための勉強には、いくつか方法があります。
- ・独学で
- ・通信教育で
- ・公開講座、学校などで
もっとも手軽な方法は独学です。先に受験日を決め、申し込んでしまうことでモチベーションを高めましょう。テキストを購入して一通りの学習をしたあと、問題集を利用して試験に備えるのが一般的です。テキストは基本的に公式テキストを選び、問題集は評判も見ながら問題が多く収録されているものを一冊選び、繰り返し解くことをオススメします。
通信教育は独学に比べると多少お金がかかりますが、プログラムに従って勉強できるため進めやすいというメリットがあります。ただし、時間の確保ややるかやらないかは独学同様に自分次第であるため、安易に始めるとお金を無駄にしてしまう可能性があります。
専門の講座を受講するのは一番費用もかかりますが、確実に通えるのならば、通信教育よりも効果があるという人も多いでしょう。分からない点があればすぐに解決できる環境というのはポイントが高いです。
● 最後に
受験する資格を選ぶときには、「持っていたらウケがよさそう」といった理由よりも、「興味があって勉強してみたい!」と思える資格にチャレンジしてみるのが一番良いです。主体的に取り組める資格の勉強を通して、自分の活動に活きるスキルが身につけられるといいですね。
(2016.3.11)
著者
はたらくビビビット
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