映画『この世界の片隅に』や、キングコング西野さんの展覧会『えんとつ町のプペル』などで、近年クリエイティブ・Web・IT業界を中心に「クラウドファンディング」が話題に上がることが増えました。クラウドファンディングは海外で誕生したインターネットサービスで、高い注目を集める資金調達の手法の一つです。現在では、日本でも多くのクラウドファンディングサービスがあります。今回は、若いクリエイターの方々にも是非利用してほしい、クラウドファンディングの仕組みとクラウドファンディングサービスについてご紹介します。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO
目次
- 1.クラウドファンディングとは
- 2.クラウドファンディングの仕組み
- 3.注目度の高いクラウドファンディング
- 4.最後に
1.クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとは、インターネットとサービスを経由し、アイデアやプロダクトを実現するための元手となる、資金を不特定多数の方に援助してもらうための資金調達の仕組みです。
学生や企業、個人クリエイターなどが利用しているため、企画によって規模や目標額に大きな差があります。
2016年には、映画『この世界の片隅に』や、キングコング西野さんの個展『えんとつ町のプペル展』のクラウドファンディングが話題に上がり、2017年初旬現在も、西野さんの個展は全国各地開催に向けて、多くの支援者を募っています。
映画『この世界の片隅に』の海外上映を盛り上げるため、
片渕監督を現地に送り出したい
https://www.makuake.com/project/konosekai2/?utm_source=konosekai2&utm_medium=sns_share_tw
キングコング西野さんの個展『えんとつ町のプペル展』を入場無料で開催したい!
http://camp-fire.jp/projects/view/10837
働く空間を革新する、オフィスに代わる「働ける美術館」を創りたい!
https://www.makuake.com/project/inspiringoffice/
2.クラウドファンディングの仕組み
まず実行者は企画の概要、アイデアの詳細、目標資金、期限を設定します。設定された企画は運営の審査を受け、サイト内に広告が貼られます。広告を見た支援者が企画に好きな金額で出資します。
多くの場合、支援者には「リターン」というものが設定されており、そのリターンの設定もクラウドファンディングでは重要なポイントとなります。
支援者に発生する3種類のリターン
寄付型・・・リターン無し
被災地支援や途上国支援などの場合が多いです。
金融型・・・金銭的なリターン有り
利益の一部や株式が発行されます。しかし個人間の送金や投資は金融商品取引法等で制限されています。
購入型・・・出資によって物品や権利を購入する
もっとも多いリターンです。出資額によって異なる権利や物品が用意されていることがあります。
3.注目度の高いクラウドファンディング
CAMPFIRE
日本最大のクラウドファンディングサービスです。国内でもっとも利用者数が多く、幅広いジャンルがあります。企画立ち上げの手数料がとにかく安く、クラウドファンディングを始めたいと思ったら、まずこのサービスがオススメです。
https://camp-fire.jp/
MotionGallery
クリエイティブ系に特化したクラウドファンディングのサイトです。映像作品、プロダクト作品、展示、様々なジャンルのクリエイティブ関連の企画があり、見ているだけでも楽しいサービスです。
https://motion-gallery.net/
Maruake
上記二つのサービスよりも企業関係の企画や、大人受けが強い内容の企画が多く、バナーの完成度も高いです。
https://www.makuake.com/
4.最後に
展示やサービス、ゲーム制作。学生でも社会人でも試してみたいことに対して、資金不足からやれないことがあると思います。しかしこのようなサービスをうまく活用すれば、もっと様々なものづくりにチャレンジできるかもしれません。
また支、援者サイドとしてもクラウドファンディングは楽しめます。興味を引く作品や展示、企画をいち早く知ることができ、好きな作品の次回作の応援にもつながります。どのような企画が提案されているのか、まずは見ることから始めてみてはいかがでしょうか。
(2017.3.5)
著者
川鍋春菜
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
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