芸術の秋、食欲の秋、運動の秋……秋は行事が沢山行われていて楽しい季節です。しかし一方で、就職が決まっていない美大生からすれば、友人たちが内定式に参加していたり、卒業制作の締め切りが近くなってきたりと、神経質になりやすい時期でもあります。今回はナーバスになってしまう原因や、解決方法について詳しく考察していきたいと思います。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO
目次
- 1.なぜ秋は落ち込むの?
- 2.悩みごとの解決方法とは
- 3.気分転換に最適なイベント
- 4.最後に
1.なぜ秋は落ち込むの?
秋は年の後半であることを身を以て実感しはじめる季節です。1年を振り返り、落ちる葉を見ながら年末に思いを馳せることもあります。
完全に葉が落ちきった頃には卒業制作の最終審査会もあり、学生生活最後の秋は作品に対する不安や迷いで気が滅入りやすくなります。
さらに、10月の内定式で周りの友人たちが内定の話をするのに対して、自分が就職活動を終えてないことに大きな焦りも感じます。
卒業制作や就職活動、1年もしないうちに社会に旅立たなければいけないという不安から、秋は落ち込みやすくなってしまうのです。
2.悩みごとの解決方法
先ほど説明したようにナーバスになる原因は主に「卒業制作」と「就職活動」が原因です。しかし悩みのカテゴライズは同じでも、その悩みの大きさは人それぞれです。
「今まで何もしてきていない」「作品をこれ以上どう詰めていけばいいかわからない」など、同じカテゴライズの悩みでも、原因が違えばニュアンスも違ってきます。今回は幾つか悩みの例をあげて考察したいと思います。
就職活動編
自分だけ就職活動をしている
10月なのに内定が1つも決まらず悩んでいる人は少なくありません。秋に求人を出す企業も多くあるため、ここがチャンスだと就職活動を再開する人もいます。しかし、春とは卒業制作の状況が変わり、さらにストレスを感じやすく就職活動に無理を感じやすい時期になります。
就職活動をするなら無理は禁物
疲れた時には一度立ち止まることが必要です。今まで就職活動をやっていなかったという人でも、過多な就職活動は卒業制作にも影響を及ぼすので危険な行為です。バイトやアルバイトなど新しいアプローチで就職活動を再開する人たちもいます。
就職活動をするなら教授や知り合いの伝手を頼りにするなど、受ける企業を絞って活動することをお勧めします。
説明会が多くて他の作業がままならない
就職活動は様々なところに赴くため、移動時間や準備の時間が必要とされます。そのため制作や展示に集中できない人も出てきます。これにより卒業制作と就職活動、どちらの悩みも膨らむため大きなストレスになります。
自分のスケジュールにあった就職活動をする
卒業制作ができなければ就職活動をしても意味がありません。説明会の数を絞るか、他の日程はないか調べてみましょう。また、大学説明会や社内説明会など場所やイベントによって日程が違うので、いくつかの情報媒体からリサーチして、自分にあった日程を調べましょう。スケジュールで悩んだら友人や教授に相談するのも新しい発見が期待できます。
卒業制作編
何も作品ができてない
長い時間があったのに何もしてこなかったという後悔がどっと押し寄せて、自分の技術力の至らなさで作業が進まず強い後悔に苛まれることがあります。
なんでもいいから手を動かす
自分がやってきたことと出したアイデアで短時間で試作ができるものを作り、周りの人から意見をもらいましょう。制作したものに対する感想はアイデアを伸ばしたり、方向性を決めるのに大きく影響します。精神が追い込まれているときは自分が信用できる人に相談しましょう。きっとあなたと作品、どちらも理解した上でアドバイスをくれると思います。
このまま進めていいの?不安ばかり
自分の作ったものが卒業制作作品としてふさわしいのか疑問を抱いてしまうことがあります。そのまま放置すると何もできていない状況に陥り、制作スケジュールに穴が開く可能性があります。
自分の直感に自信を持つ
卒業制作は自分が学生最後に作る作品です。自分がこれだと直感で選んだテーマならきっとこれだと思った理由があるはずです。その理由を相手が聞いても腑に落ちる内容として伝えられれば、どんな作品でも問題ないと思います。自信を持ってテーマと真正面から向き合いましょう。
今後どう詰めていけばいいかわからない
審査会後にどのように進めていけばいいかわからない……行き詰まってしまうことがあります。
クオリティの高い作品と比べてみる
自分が目指している作品に近いものをリサーチしてみましょう。そしてリサーチしたコンテンツを実際に体験し、差別化することで新しいアイデアが生まれます。または新しくプロトタイピングを制作して、取り込める部分はないか探してみましょう。常に自分の作品を何かと比較することで自分の作品の特徴を発見し、伸ばすことができます。
3.気分転換に最適なイベント
悩んだときは無理に部屋にこもって作業をしても何もかわりません。気分転換の外出や制作を行っている自分にご褒美を与えましょう。特に秋は創作意欲を掻き立てる様々なイベントがあります。
芸術祭
10月の後半からは各地の美術大学が芸術祭を開催します。学生の手作り作品や、美術大学でしか体験できないイベントが目白押しです。
http://www.haconiwa-mag.com/magazine/2015/10/geisai/
東京造形大学 CS祭
【開催期間】2016/10/21~23
【会場】東京造形大学 東京都八王子市宇津貫町1556
女子美術大学大学 女子美祭
【開催期間】2016/10/28~30
【会場】杉並キャンパス 東京都杉並区和田1-49-8
【会場】相模原キャンパス 神奈川県相模原市南区麻溝台1900
武蔵野美術大学 芸術祭
【開催期間】2016/10/29~31
【会場】武蔵野美術大学 東京都小平市小川町1−736
多摩美術大学 芸術祭
【開催期間】2016/11/4~6
【会場】多摩美術大学 八王子キャンパス 東京都八王子市鑓水2丁目2−1723
デザインフェスタ
オリジナリティ溢れる作品が所狭しと並ぶイベントです。個人の趣味や技術を活かした高い完成度と幅広い作品から毎年大盛況のイベントです。様々な刺激を受けながら楽しめること間違い無しです。
http://news.ricoh-imaging.co.jp/rim_info/2014/20140509_005056.html
【開催期間】2016/11/26~27
【会場】東京ビックサイト西ホール 東京都江東区有明3丁目3−11−1
六本木アートナイト
六本木を中心とした3日間のアートイベントです。著名なアーティストも参加するイベントで、多くのワークショップも催されます。
いつもと違う六本木でアートを感じることで創作意欲アップです!
http://live3.info/events/11566
【開催期間】2016/10/21~23
【会場】六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
4.最後に
いかがでしたか?似たような悩みでも人によって原因は様々です。これからが卒業制作や就職活動のラストスパートなので心身ともに潰れないようちゃんとしたケアが必要です。まだ巻き返しができる時期なので最後まで元気にやり抜きましょう。
(2016.10.6)
著者
川鍋春菜
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
記事一覧へはたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア