よく見る有名フォント、どこで見分けるの?|和文フォント編

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デザインの印象を左右する要素の一つに、フォントがあります。既存のデザインを参考にしようとした時に、そのデザインのなかで使われているフォントが何かわからないと、参考にしたくてもできないですよね。そんな時はどのようにして見分け、調べれば良いでしょうか?今回は和文フォントの見分けるポイントを紹介していきたいと思います。生活の中に溢れるフォントを見分けることができたら、デザインがもっと面白くなるはずです。
編集・執筆 /SUZUKI, AYUPY GOTO

●フォントとは?

フォントとは、元来欧文活字の用語で、1つの書体の文字サイズごとに作られた大文字・小文字・数字・記号類のセットのことを意味します。 しかし、デジタルフォントはコンピュータ上で文字のウエイトの変更などを行えるため、書体も含めて文字のことを表す慣用語として使われています。

公益社団法人日本印刷技術協会「JAGAT」より引用
https://www.jagat.or.jp/archives/12308

和文フォントを大まかにカテゴリー分けしてみると……

明朝体……筆で書いたような、線に自然な抑揚がついている。日本語の書体で最もオーソドックス。
ゴシック体……線の太さが基本的に同じ。書体の種類が豊富。
丸ゴシック体……ゴシック体と同じく線の太さが同じであるが、角が丸い。
伝統書体……毛筆の味わいが深かったりと、伝統的な書体。
デザイン書体……オリジナルティ溢れる書体。特徴が強く出ているので見分けやすい。

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●フォントを見分けるポイント

いくつか例に出してみていきたいと思います。

ふところを見てみる!

ヒラギノ角ゴ、小塚ゴシック、こぶりなゴシックを比べて見ましょう。文字は基本的に正方形の中に設計されています。同じ大きさの四角の中に入れて比べて見ると、四角に対して小塚ゴシックは大きめ、こぶりなゴシックは小さめに設計されているのがわかりますね。そして、文字が持っている空間”ふところ”を意識すると、文字に対する印象が掴みやすいです。
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文字の部品に注目!

A1明朝、ヒラギノ明朝、筑紫明朝Pro5を例に、見ていきたいと思います。文字の部品として「角」に注目してみました。比べて見るとA1明朝は少し丸く柔らかい印象、それに比べてヒラギノ明朝はカクカクしています。筑紫明朝Pro5はA1明朝と比べると、より角がくっきりしているのが分かります。
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ひらがなと数字を比べる!

ひらがなはフォントによって変化が出やすいと言われています。明朝体は「な」「の」「か」「た」「を」、ゴシック体は「き」「さ」「ふ」「り」が差異が現れやすいです。そして数字の「1」「7」は「1」のトップが斜めか直角か無しか、「7」は垂線が直線かどうかを、意識して見てみると分かりやすいです。
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漢字とかなの関係性を見る!

文章になった時、漢字とかなの大きさの関係性が大きく出ます。A1明朝は差異がつきやすい、ヒラギノ明朝はほぼ同じ大きさ、筑紫明朝Pro5は極端ではないけれど変化が見られる……など、何となく掴んでおくといいですね。
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文字を組んだ状態で見る!

普段だと文字を組んだ状態で見ることのほうが多いのではないでしょうか。今まで出てきたふところの大きさであったり、漢字とかなのテンポ感から、文章の塊で見る印象も変わってくることがわかりますね。
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●最後に

もし今回の記事で「フォント」「書体」に興味を持った方は、ぜひ紹介したポイントに注目してみてくださいね。フォントが識別できるということは、多彩な文字のイメージを捉えることができるということです。自分がよく使うフォントだけを集めた、フォント見本帳を作ってみるのもオススメですよ!

(2017.1.31)

著者

鈴木那奈

東北芸術工科大学グラフィックデザイン学科に所属しています。 旅行に行くことがすきです。最近はラーメンの食べ歩きにはまっています。

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