みなさんはフリーフォントを使ったことがありますか?フリーフォントを使ってロゴの制作をしたり、文字を組んでみたり、模様やグラフィックに活かしたりと、制作にはとても便利ですよね!しかし、そんなフリーフォントを使う際には、実は注意が必要なんです。使い方を一歩間違えると、裁判を起こされたり損害賠償を請求されてしまいます。そうならないために、事前にフリーフォントの安全な使い方を学んでいきましょう!
編集・執筆 / HANA HIRATA, AYUPY GOTO
●「商用利用」「個人利用」の意味
フリーフォントをダウンロードするときにチェックしておきたいのが、「商用利用」と「個人利用」という言葉。よく耳にする言葉かと思いますが、いったいどんな意味なのでしょうか?
商用利用
以下のような点が商用利用に当てはまります。
・企業サイトでの利用
・個人で制作した商品の売買を目的としたサイト・ブログでの利用
(売買時期が不定期であっても該当します)
・活動内容報告による集客やサービス提供・宣伝を目的としたブログやサイトでの利用
・成果物の作成を目的とした利用
簡単にいうと、商用利用とは個人や法人にかかわらず、営利を目的とした使い方のことです。私たちの身近な出来事でいうと、フリーフォントを使った作品をネット上やデザインイベントで販売することが挙げられます。
個人利用
個人利用とは商用利用とは逆の、営利を目的とせずに個人で使うことを言います。
例えば以下のような場合を指します。
・フリーフォントを使った作品を個人のサイト・ブログで紹介する
・フリーフォントを使った作品の売買取引をしない
●「商用利用可!」でも注意が必要!
商用利用、個人利用については学びましたね。
「販売したい作品には、商用利用可のフリーフォントを使えばいいのか!」と思った人も多いのではないでしょうか……?しかし、「商用利用可」のフリーフォントも、いくつか注意すべきポイントがあります。
続いては、商用利用可の特殊な例と安全に使うためのコツを紹介します!
フォントの変形・加工をしてはいけない
商用利用可の中でもっとも多く見かけるのが「フォントの変形・加工をしてはいけない」という注意書きです。
これは、フォントの形をそのままに、ロゴやグラフィックを作成するのは構わないのですが、既存のフォントを加工してはいけないという意味です。加工したフリーフォントを使った作品を再配布したり、販売したりすることは禁止されている場合もあります。
使用の旨をクレジットに示さなくてはならない
クレジットとは、主に著作権表示のために使われます。著作権表示をすることによってそのフォントの作者がわかりますよね。作者によってクレジット表示の仕方が大きく異なるので注意しましょう!
もし「どのように表示したら良いのかわからない!」となった場合は、直接作者に問い合わせてみることをおすすめします。
そのフォントがどこで作られたのか、誰によってデザインされたのかといった情報はフォントのダウンロードサイトに必ず書いてあるので、よくチェックしましょう!
フォントを使った製作物の商標登録をしてはいけない
まず、商標とは「サービス、商品のロゴや文字、名前」のことです。
商標登録をすると、その商標(サービス、商品のロゴや文字、名前)を誰にも取られずに、自分のオリジナルとして残すことができます。
つまり、「フォントを使った制作物の商標登録をしてはいけない」というのは、フリーフォントを使ったロゴや、パッケージ、グラフィックなどを商標登録をしてはいけないという意味です。学生には関係ないように見えますが、デザイン関係の仕事に就きたいと思っている人は知っておきましょう。
●フリーフォントでのトラブルを防ぐために……
ここまでさまざまな注意点を紹介してきましたが、これらのルールを守るためには、フリーフォントの使用許諾や利用規約を読むことが大事です。そして、利用契約を読んでもわからないことがある場合は、作者やフォント制作団体・会社に直接問い合わせてみましょう。
ちょっと面倒に感じるかもしれませんが、トラブルが起きてからの方が面倒ごとが多くなってしまいます。事前に防ぐためにも、必ず目を通しましょう。
●おすすめのフリーフォントサイト
最後に、可愛らしいフォントやかっこいいフォント、個性的なフォントがダウンロードできるサイトをいくつかまとめました。気になるものがあったら、利用規約を読み、ダウンロードしてみてくださいね。
FONT FREE
http://fontfree.me/
商用利用可、個人利用可の日本語フォントがダウンロードできます。丸ゴシック、角ゴシック、明朝体、手書き風などカテゴリー分けがしてあるので、自分の好みや雰囲気に合ったフォントを検索できます。
FONT BEAR
https://fontbear.net/
日本語フォントだけでなく、欧文フォントもダウンロードできます。フォントがずらりと並んでいるので、イメージを一目で確認できます。絞り込み検索の機能もあるので便利です。
FREE フォントケンサク
http://cute-freefont.flop.jp/
FREE フォントケンサクは国内のフリーフォントサイトのリンクをまとめたサイトです。日本語フォント、欧文フォントのダウンロードができます。良いフォントが見つからない!といったときに利用してみてください。
漢字が使えるフリーの和文フォント242種類をまとめてみた。
http://blog.livedoor.jp/cie/archives/52129474.html
「buena suerte!」というブログの記事です。他のサイトとは異なり、漢字が使えるフォントのみがまとめられています。漢字のフォントにもこだわりたい人におすすめです!
dafont.com
https://www.dafont.com/
欧文フォントのみダウンロードできるサイトです。ヴィンテージ系のフォントが多いので、個性的な欧文フォントを探せます。
●最後に
フリーフォントにはさまざまなルールがありましたね!フリーフォントだからといって、なんでも自由に使ってしまうと、後々トラブルになってしまう可能性があります。そうならないために、しっかりと利用規約を読み、正しく安全に、楽しく制作活動に励みましょう!
(2018.10.15)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア