絵は常に精進するもの。より上手く、よりこだわりを求めて鍛えていくものだと思います。しかしいくら精進しても自分らしい表現が見つけられないジレンマを感じることも多いでしょう。
では自分らしさとはなんなのでしょうか。今回は独創的なイラストレーターの画風から、イラストの魅力について探していきたいと思います。
編集・執筆 / Haruna Kawanabe, AYUPY GOTO
目次
- 1.独創的なイラストの紹介
- 2.イラストから考察してみよう
- 3.今日から試せる魅力上げポイント
- 4.最後に
1.独創的なイラストの紹介
では独創的なイラストとはどのようなものでしょうか。見れば誰が描いたかわかる、そんな独創性あふれるクリエイターをご紹介します。
アーティスティックなイラスト
天野喜孝さん
天野さんはファイナルファンタジーシリーズを手掛けていることでおなじみのイラストレーターさんです。日本のアニメ制作会社「タツノコプロ」では人気タイトル「タイムボカン」のキャラクターデザインを手がけるなど、幻想的な作品やコミカルなキャラクターのデザインまで制作されています。さらに画家、装幀家、舞台美術の衣装デザインも手がけています。
http://amanosworld.blog.so-net.ne.jp/
ヒグチユウコさん
不思議な世界観と可愛い猫のクロッキー帳で大人気。ファッションブランドや画材メーカーと様々なコラボ展開をする画家です。東京を中心に個展を開催しつつ絵本のイラストも手がけています。
http://mery.jp/43773
中村佑介さん
CDジャケットや本の表紙、その他様々なコラボレーションで知られているイラストレーターです。イラストレーターの仕事の他にも、ミュージシャンや漫画家としても活躍しています。
http://www.yusukenakamura.net/
個性あふれるキャラクター性と色彩のイラスト
ノベルの表紙や挿絵、イラストサイト、Webを活かして活動を行う若い世代に人気のイラストレーターを紹介します。
しきみさん
イラスト投稿サイトpixivでも人気のイラストレーターです。独特の色彩から描かれる和洋折衷な世界観が特徴的です。
http://keeggy.com/im109.html
キナコさん
アニメガッチャマンクラウズでキャラクターデザインを務めたイラストレーターです。躍動的なポーズや構図、ビビットな色使いが特徴的です。
竹さん
作家西尾維新の戯言シリーズや刀語の表紙や挿絵を手がけるイラストレーターです。キャラクターの可愛さはもちろん、幅広い色を使いながらもテーマ性を崩さない絶妙的な色のバランスはとても真似できません。
http://matome.naver.jp/odai/2141352597870847401/2143134822981552003
2.イラストから考察してみよう
紹介したイラストレーターの方々の作品にはそれぞれ人を惹きつける魅力があります。それぞれの才能や努力、好みがあってこそ描けるものだと思います。そのイラストを見るだけで学べることも多くあります。画風や独創性は自分のみで生み出すものではありません。自分が好きなものから表現方法や知識を盗んで、自分が良いと思う形に組み立てた時にできるものです。
色彩
若い世代では特に色彩が個性を分ける独創性だと思います。しきみさんのようなイラストは全体的に雰囲気がまとまった色を使っています。そこに彩度の高い色を使っているため、繊細な色や画面の中にもメリハリの強さを感じます。
逆にキナコさんのイラストは色の数は多くはありません。しかし構図やポーズの強さを思いきった色の配置によって、さらに力強くキレのある作品に仕上げています。
キャラクター
独創的なキャラクターは外的要因によってイメージが膨らみます。特にノベルやゲームのキャラクターデザインはクライアントの指示によって絵を描くため、自分の中の独創性だけでなく他者の独創性も重なって個性的なキャラクターができます。描くモチーフによって彩色の自由度の幅も変わります。今回紹介した方々は特に画面構成から彩色まで自由度が高いのが伺えます。
3.今日から試せる魅力上げポイント
色彩
紹介された作品でも色彩がイラストにとって大きな存在であると感じられると思います。しかし色彩は各々のセンスに大きく左右されがちです。
色彩の組み方に自信がない方でも現在は補助サイトやアプリを利用することで雰囲気が統一された色が選べます。
Adobe Color CC
Webサービスとiosアプリがあります。メインカラーを指定することで自動的に合う配色が選ばれます。他にも画像をインプットすることでイメージカラーを抽出する機能があります。
https://color.adobe.com/ja/create/color-wheel/
モチーフ
様々なものを描いて画力をつけることは独創性を得るのにも必要なことです。配色やデザインに悩んだ場合はモチーフを決めることで突破口が作れると思います。
参考となる画像はピンタレストのようなクオリティの高い画像投稿サイトから探すとモチベーション上昇にもつながります。
Pineterest
アプリ/PC版で利用できる画像投稿サイトです。イラストから写真まで高クオリティの作品が挙げられています。気に入った画像をお気に入り保存することができ、資料を集めるのにも最適です。
https://jp.pinterest.com/
4.最後に
絵は様々な経験や好きなもので形成されます。焦らなくても自分の中で見てきたものは抽出されて絵になるので、好きなものや便利サービスを使って自分らしい表現を見つけ出してください。
▼もっと表現の幅について考えたい人に
自分の絵を伸ばすのも、人の絵を参考にするのも、始めるのには少し抵抗を感じている人におすすめの記事です。
画風はさまざま!いろんなイラストの中から自分の表現を見つけよう
▼ツールからこだわりたい人に
画風はツールによって大きく左右されます。アナログツールのタッチをこだわりたい人にはこちらの記事も必見です。
アナログイラストを支える!様々なツールを使ってみよう
(2016.10.13)
著者
川鍋春菜
多摩美術大学 美術学部 情報デザイン学科 情報デザインコースに 所属しています。UI/UXやサービスデザインについて勉強しています。 趣味はアニメ、アナログゲーム、デジタルゲームなどなど。
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