デザインのクオリティをあげる!?インプットとアウトプットを身につけよう

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私たちは、普段何気なく過ごしていながらも、目に入るものや手に取るものからデザインや作品制作のヒントをインプットしているのではないでしょうか。観察して自分の中に取り込んだ後は、さまざまな方法でアウトプットすることができます。今回は、インプットとアウトプットのバランスを考えながら、デザイナー志望の学生向けのインプットとアウトプット方法についてご紹介します。
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO

● 情報のインプット・アウトプットとは?どう重要なのか

デザインとは、常に対象者が求めるものを新しくキャッチーな色と形の組み合わせで表現しなければなりません。すでにたくさんの情報やデザインがあふれている中で、見る人を惹きつけるデザインを制作するには、ジャンルを問わずたくさんのことを興味を持つことが大事です。そうしていろんなところからインプットした情報をアウトプット=実践し、形にすることが大切です。
インプットした情報をアウトプットすることがなぜ大事なのかというと、「自分の頭で考える」という段階があるからです。インプットした情報を自分の中で整理して発信できると、自分の中に本当に身についたと言えます。
では実際に、どのような方法でインプットとアウトプットができるか考えてみます。

●デザインのインプット方法

1. 本(雑誌、漫画、画集…) を読む

●雑誌
雑誌は、各ジャンルで読者層が明確です。そのため、決まった読者層に向けた情報をどんなデザインで発信しているのかを明確に知ることができます。レイアウトやフォント、色の組み合わせなども読者層に合わせ構成されているため、ユーザーに合わせたデザインについて学べます。どんな装丁であれば次をめくりたくなるか、インパクトのあるデザインや「表紙で買いたい」と思わせるデザインはどんなものか……など、注意してみるとたくさんのこだわりが見えてきます。
また、誌面で気になる写真やデザインを見つけたら、カメラマンやデザイナーなどをチェックしましょう。好きなデザイナーを見つけることも大事な情報収集です。

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●漫画・小説などの活字本
漫画や小説は雑誌に比べ立ち読みできない場合が多いので、表紙の第一印象がより重要になります。工夫が凝らされたタイトルデザインやレイアウトに注目すると、「目を惹くデザイン」について考えることができます。また活字本では、表紙だけでなく装丁全体から学ぶことが多くあります。紙質や印刷方法にも注目してみると、ポートフォリオ制作にいかせるでしょう。
●画集・写真集・展示の図録など
写真が中心となるこれらの書籍からは、ポートフォリオのレイアウトや見せ方を学ぶことができます。キャプションの入れ方や書籍そのものの形など、本自体を一つのアート作品と捉えることができます。

2. Webサイトやサービスをチェックする

Webから得る情報は自分好みに偏りがちですが、それを続けることにより「自分がどんなデザインが好きか」「どんなニュースに惹かれるか」を知ることができます。最新のデザイン情報やイベント情報を敏感にキャッチして、興味の幅を広げましょう!
特にオススメのサイトやサービスをご紹介します。

◯クリエイターのためのWebメディア creive
http://creive.me/
デザインに関する情報を中心に、話題のサービスやWebサイト、デザインを学ぶ上でのお役立ち情報まで発信しています。Webデザイン業界の最新情報に触れることができます。アプリ開発の記事など、興味深い記事がたくさんあります。

◯cinra.net
http://www.cinra.net/news/art-design
デザインの展示情報が充実しており、大きな美術館だけでなく、見逃しがちな小さなギャラリーの展示情報もキャッチできます。「人気の画像」というトピックでは、気に入った画像からニュースを探すこともできます。

◯はたらくビビビット
http://hataraku.vivivit.com/
株式会社ビビビットが運営する当サイトです。クリエイター就活に関するお役立ち情報を中心に、現役クリエイターのポートフォリオやデザイナーインタビューなどを掲載しています。

◯Pinterest
https://jp.pinterest.com/
気になるビジュアルをどんどんストックし、ボードで整理できるサービスです。デザインのインスピレーションを得るためのサービスと言えば定番中の定番と言えるほど、多くの人が利用しています。
(→デザイナーの皆が活用している!「Pinterest」でデザインの引き出しを増やそう)

3. 展示会やイベントに行く

展示会やアートイベントでは、プロのアーティストやデザイナーの本物の作品に触れることができます。作品の仕上げ方や素材など、新しい発見とともに自分の作品制作のヒントがたくさん見つかるでしょう。さらに、展示方法からも多くを学ぶことができます。写真の展示一つを取っても、額装しているものやクリップで留めて吊るしたもの、大判印刷されたものなどいろんな方法があります。それらを鑑賞者の目線で捉え、自分が作品を発信する際に参考にしてみましょう。作品は、見せ方次第で良くも悪くも印象が大きく変わります。自分の作品にとってどんな見せ方が最善なのか考えるとき、アイデアの引き出しは多ければ多いほど良いでしょう。どんな作品に多くの人が足を留めているかも意識してみると、何か発見があるかもしれません。

4. その他…フリーペーパーやCDジャケット、映画、電車の中吊り広告などに注目する

その他、フリーペーパーやイベントフライヤーなど、さまざまながものからデザインのヒントを得ることができます。音楽や映画は、ファン層に応じそのカルチャーごとに特化したデザインがされているので、常に「誰に向けたデザインなのか」という視点で考えられると良いでしょう。
また、気になるデザインのものがあればストックしたり切り抜いてとっておくと、自分の好きなデザインの傾向をまとめることができます。

●デザインのアウトプット方法

1. 作品を制作する

いろんな方法でインプットされた情報は、0から形づくっていく作品制作の中でいかされてきます。良いと思った部分はどんどん取り入れ、実際に手を動かして制作してみましょう。
また、お手本となる作品を決め、模写するのも良いかもしれません。良いと感じるデザインが作られる工程を考えながら、色合いやレイアウトを学ぶことができます。ただ見ているだけよりも、実践を伴う練習はより早く身につく効果的な方法です。

2. SNS・サイトで発信

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作品をSNSで発信する場合、InstagramやTwitter、Tumblrなどを活用している人が多いです。専用のポートフォリオサイトを制作している人もいるようです。SNSの発信の一番良いところは、不特定多数の人に自分の作品を発信でき、反応をもらえるところです。フォロワーが増えたり良い反応をもらえると、制作の励みになります。
SNSはどんな人が見ているかわからないので、作品を発表し続けているうちにお仕事のきっかけを得るかもしれません。まずはアカウントを作り、積極的に発表していくことがおすすめです。
(→クリエイターが活躍できる写真特化のSNS!instagramの活用法)
(→ポートフォリオサイトを作ろう)

3. アートイベントやギャラリーで展示

SNSでは見えない相手とのコミュニケーションになりますが、アートイベントの出展やギャラリーで展示では、見る人から直接反応をもらうことができます。自分の作品の中で人気のあるものはどれかわかったり、購入者の年齢や性別を知ることもできるので、その後の制作にいかせる部分が多いでしょう。
また、作品の包装や展示方法を実践することで、難しさや細かい準備を学ぶことができ、多くの経験ができます。

4. 友人と話す

作品を制作する前段階として、展示に行った感想を友人と話し合うことも一つのアウトプットの方法です。友人と意見を交わしあうことで、他人の感じ方を知れたり、自分の考えを整理するきっかけになります。感想は書き出すだけでも効果的ですが、人に伝えるようにするとより自分の意見を客観視できます。

●最後に…インプットとアウトプットのバランス

良いデザインをたくさん生みだすには、

良い情報をたくさん取り込む→実践する→その結果をアウトプットする

のサイクルが重要なようです。インプットばかりで実践に移せないといつまでも自分のものにできず、アウトプットばかりだとだんだんと作風が似たり寄ったりになってしまいます。

常に最新のものや売れているものを追いかけていると、「流行りのデザイン」を知れ、今どのようなものが多くの人に求められているのかわかります。しかし、時には古本屋や学校の図書館に出向いて過去のデザイナー名鑑や雑誌に目を通してみるなどすると、また新たな発見があるかもしれません。国内外や時代を問わずいろんな媒体に興味を持ってみましょう。
そうして社会におけるデザインの役割やデザインの時代の流れを踏まえ、作品制作でアウトプットをしてみましょう!

(2016.4.11)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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