紙好きにはたまらない。ユニークな「紙とプロダクトの世界」

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折ったり、切ったり、貼り付けたり、印刷したり……一枚の紙でできる表現は様々です。また、一枚の紙、数枚の紙、何十枚も重ねた紙と、同じ紙でも量が違うだけで、全く違う紙として見せることができます。今回はそんな無限な表現の力を持つ紙を使ったプロダクトに注目していきたいと思います。紙が好きな人は是非読んでいただきたいです。
編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPY GOTO

● 紙の力は無限大!紙のプロダクトとは ?

現在、印刷の仕組みを熟知している印刷所の方や紙を取り扱う専門店が、デザイナーの発想力組み合わせて紙とプロダクトの新しい提案や作品を生み出しているのです。その作品や商品の発想や完成度は高く、どれも紙とは思えないものばかりです。

● ユニークな紙のプロダクトをピックアップ

 一枚の紙が立体になる

▼ りくの白黒動物

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( http://www.kamigu.jp/category/select/cid/355/pid/9494 )

「りくの白黒動物」は、一枚の紙に印刷される白と黒の幾何学図形に見える模様をくり抜くと立体動物が作り出すことできる作品です。ハサミや糊を使わないで組み立てられることから、子供達に人気の商品になっています。

▼ 紙の器

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( http://www.kamigu.jp/category/select/cid/359/pid/9491 )

空気を包みこむように、かたちを自由に変えられる「紙の器」。一枚の紙に無数の切れ込みが入っており、広げ方によって自由なかたちを生み出すことができます。紙の表と裏で色が異なっていることから、器は両面から使うことができます。見る角度によって二色が混ざり合い、素敵なグラデージョンが作り出され、まるで紙とは思わせない繊細な器になっています。

▼ Frostray

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( http://www.kamigu.jp/category/select/cid/355/pid/9492 )

紙の質感を楽しみながら、自分の手でかたちを作り出すことができる折り紙トレイ「Frostray」。普通の紙の質とは違い、手で簡単に折り曲げられることができ、フロストガラスの板のような紙という、不思議な質感になっています。水を弾く素材の紙で、繰り返し使うことができます。紙の模様と折り曲げられてできたかたちが魅力的な作品です。

 紙のアクセサリー

▼ Paper jewelry

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( http://www.paperjewelry.jp/,http://matome.naver.jp/odai/2142181418182360801 )

紙だけで作られているジュエリー「PaperJewelry」。このブランドを立ち上げたデザイナー古堅ちひろさん自身が、金属アレルギーだったため紙だけを使ったジュエリーが生み出されました。切り絵を思わせるデザインと、紙の繊細な質感が組み合わさり、とても美しいジュエリーになっています。

▼ paper pierce

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( http://www.kamigu.jp/category/select/cid/355/pid/9441 )

紙と思わせない、革のような質感の紙のアクセサリー「paper pierce」。これは、革のようなふしぎな素材「コルドバ」という紙を使って作り出されたアクセサリーです。キラキラひかる華やかな金と銀の箔押しがされていて、紙とは思えない質感を表現しています。

 紙を重ねて魅せる

▼ kamikado

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( http://www.kamigu.jp/category/select/cid/355/pid/9506 )

世界中で遊ばれているゲーム「ミカド」。実は、机の上に散らばっている棒状のようなものは紙でできているのです。何枚もの紙を重ねてできた層の色のグラデーションは机を彩ります。紙と聞くと一枚といった平面を思い浮かびますが、重ねてスティック状にするという発想が面白いです。

▼ 紙の花 

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( http://misawa.ndc.co.jp/PAPER-FLOWER )

この「紙の花」はデザイナー三澤遥さんの作品です。鉛筆削りで鉛筆を削るときに出る、鉛筆の削り屑の形状が花に見えたことから、この作品は生まれました。鉛筆状の細長い紙の巻物を、鉛筆削りで削ることで花を咲かせることができます。削る加減や削り屑の色の層から、花のように繊細な美しさを作り出すことができます。

● 紙好きならチェックしておこう!

紙が好きな人ならチェックしておきたいおすすめの展覧会やコンペをご紹介します。

紙わざ大賞

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( https://www.tt-paper.co.jp/pam/kamiwaza/ )

特種東海製紙株式会社が主催とする、「紙」の可能性を追求するアートコンペティションです。「条件は紙が使用された作品」とうことから紙が好きな人はぜひ応募してみてはいかがでしょうか。応募対象者は16歳以上ということから、学生も参加できるコンペティションとなっています。(※2016年の募集は終了しています。)作品募集は終了していますが、作品展示がこれから行われるのでそちらに足を運んでみるのはいかがでしょうか。

『紙わざ大賞』 https://www.tt-paper.co.jp/pam/kamiwaza/
「入賞作品展」:【期間】2016年12月13日(火)〜17日(土)
【会場】東京交通会館 東京都千代田区有楽町2-10-1

竹尾見本帖本店 展示会

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( http://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/ )

紙の専門店でも有名な竹尾見本帳本店では、紙とデザインを様々な角度から特集する展示会が随時行われています。紙を買うついでに、ぜひ立ち寄ってほしいです。現在は「本迷宮 ――本を巡る不思議な物語」展が開催されています(2016年現在)。紙だけでなく、本や製本にも興味のある人にもおすすめです。

『竹尾見本帖本店 本迷宮 ―本を巡る不思議な物語展』 
http://www.takeo.co.jp/exhibition/mihoncho/
【会期】2016年10月21日(金)〜11月25日(金)、土日祝休但し10月22日(土)、23日(日)、29日(土)、30日(日)は
特別営業、1Fショップも営業11:00-19:00
【時間】10:00-19:00 ※10月21日(金)は17:00まで、10月27日(木)は13:00まで

「かみの重力展」PAPER ATTRACTION

( http://www.kaminokousakujo.jp/news/2016/09/-paper-attraction.html )

かみの工作所10年企画「かみの重力」展が開催されています。「かみの工作所」では、工場の技術とデザイナーの発想を重ね合わせて、平面の紙を立体化する面白さを提案しています。紙への想いと重いが重ね合わさった「かみの重力展」。紙への意識が変わるのではないでしょうか。

『かみの重力展』
http://www.kaminokousakujo.jp/news/2016/09/-paper-attraction.html
【会期】2016年10月19日(水)~11月6日(日)※10/31(月)は臨時休業
【時間】11:00〜19:00
【会場】リビング・モティーフ(アクシスビル1階)東京都港区六本木5−17−1

本/デザインのひきだし

グラフィック社さんから出版されている、「デザインのひきだし」。デザインや紙、印刷加工に関連するものばかりが特集された書籍です。「デザインのひきだし」には、ただ紙や印刷の仕組みが掲載されているのではなく、その本に実際に紙が挟んであったり、印刷がされいたりと、まるで仕掛け絵本のようになっています。紙や印刷に興味のある人に是非おすすめの一冊です。

今まで発行された『デザインのひきだし』
http://www.graphicsha.co.jp/list.html?cat=4&child_cat=22

● 最後に

ものづくりをする上で身近にある「紙」ですが、たった一枚の紙でも表現の仕方は様々です。上記で紹介した作品はどれも同じ紙ですが、デザイナーの目の付け所や表現の仕方でこんなにも違った作品に変わるのです。情報がデジタル化され、パソコンやスマフォが普及されている現在だからこそ、手で触り、匂いを感じることができる紙への注目度は高まっています。もう一度紙一枚の美しさを感じてみるきっかけとなったら嬉しいです。

(2016.11.1)

著者

荒明真柚

武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科2017年卒業。グラフィックデザイン、パンフレットや本のエディトリアルデザインを主に勉強しています。最近はラジオを聴くのにはまっています!

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