2022年春からイラストレーターとして就業予定の、ライターインターン渡邉です!今回は私がたくさんのブラッシュアップを経て内定を頂いたポートフォリオについてご紹介します。
初稿と比較しながら「仕事を意識してイラストを描く」「企業の方が評価しやすいようにまとめる」「ファイン作品や過去作品は載せ方に注意する」の3点を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
編集・執筆 / MAKO WATANABE , YOSHIKO INOUE
もくじ
1.はじめに
2.これだけ変わりました!初期版→完成版
①仕事を意識してイラストを描く
②企業の方が評価しやすいようにまとめる
③ファイン作品や過去作品は載せ方に注意
3.最後に
1.はじめに
私は多摩美術大学の油画専攻で、昔から絵を描くことが好きでした。将来は「イラスレーターとして世界観をつくる仕事がしたい!」と考えており、大学2年生のときインターンシップの提出用で初めてポートフォリオをつくりました。その後2022年卒として就活を行い、無事大学4年の5月に内定をいただくことができました。
今回は、そんな私の初めてのポートフォリオを振り返りながら、つまづきながらもブラッシュアップしていったポイントをご紹介します!ポートフォリオをもっと良くするにはどうすればよいのか探るため、就活を通してさまざまな方に見ていただき、何度もつくりなおしました。続けるうちに行きたい業界へのアピール材料や、見る側への配慮も考えるようになりました。
これから就職活動を行う人の参考になれば嬉しいです。
2.これだけ変わりました!初期版→完成版
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まず始めに、初期版と完成版、両方に載せた作品ページを一つご覧ください。
作品は同じですが、実は細部がいろいろと違っています。私本人が見返すと、かなり印象が違って見えます。初期版は大学2年生のとき用意したのですが、下級生のうちにどんな職が合うのか動き出したり、さまざまな企業の方にポートフォリオを見てもらったりしたことは良かったと思います。しかし、beforeのポートフォリオをいま見ると、就活用のポートフォリオとしてはまだまだ足りない部分があります。
就活と並行してブラッシュアップを行うなかで、特に大事だと思ったのは以下の3点でした。当時の私の心境とともに解説していきます!
- ポートフォリオブラッシュアップのポイント!
ポイント①仕事を意識してイラストを描く
ポイント②企業の方が評価しやすいようにまとめる
ポイント③ファイン作品や過去作品は載せ方に注意する
★ブラッシュアップは以下「BU」と表記します。
①仕事を意識してイラストを描く
【解説】
ポートフォリオを作り始めた当初のページは、今までに描いてきた絵を載せるだけだったので、進みたい業界に合わせた作品や情報が少なくなっていました。インターンシップへの参加や就活でいただくアドバイスを経て、ただやみくもに作品を増やすのではなく、イラストを描き始める前に簡単にでも「世界設定・キャラ設定」を考え、一つの世界を作るイメージで制作するようにしていきました。
また、スチル(キャライラストのワンシーン。一枚絵のこと。)だけでなくイラストまわりの仕事を想定し、ミニキャラやロゴなども制作しました。
▼始めに世界観の設定を考えて、スチル以外にアバター化したキャラ等も載せました。
またインターンシップで「ラフは数枚描き、一番設定に合う構図やキャラらしさが出る画を選択する」という工程を経験したので、ポートフォリオにもラフを数枚掲載し、その構図を選んだ理由を記述しました。
思いのまま描きすすめるのももちろん楽しいですが、ゲームイラストを仕事にすることを意識すると、より良い絵作りの為の準備が重要になります。仕事を意識した作品づくりをするようになったことは、就活においてもとても大事なことだったと思います。ぜひ参考にしてみてください!
②企業の方が評価しやすいようにまとめる
【解説】
当初作ったポートフォリオのページも、キャプションや設定画が掲載され、悪くはないと思います。しかし、何の情報がどこにあるのか見づらい印象を受けます。
就活を続ける上で、絵の技術だけではなく「何を作ったか」+「どうつくったか」など制作意図を伝えることが重要だと感じました。面接では作品のアピールポイントを聞かれることも多かったので、制作意図を改めて考えておくことは大事ですし、キャプションに記載することで言語化の練習にもなります。また面接当日はカンペ代わりにもなるので便利ですよ!
▼企業の判断材料にしてもらう為にサイズ、ツール、制作日、制作時間などイラストの基本情報の追加をしました。
またbeforeのように載ってある情報が見づらいと、見ている側がストレスを感じてイラスト以外に注意が向いてしまうかなと考え、統一感を出すためにページのデザインテンプレートを作りました。読みにくい長文は目立たせたい単語の色を変えるなど、企業目線で見やすいポートフォリオを目指しました。
③ファイン作品や過去作品は載せ方に注意する
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数合わせの過去作品は載せない。就活中もつくり続けて納得の作品を載せよう!
【解説】
ポートフォリオをつくり始めた大学2年生のとき、企業に見せる作品が少ないことに気づき、高校生のときに制作した作品をいくつか載せていました。
もちろん昔の作品を載せることは、今までの経験や興味のある分野の紹介になるので悪いことではありません。しかし、企業がポートフォリオで見たいのはあくまで現時点のスキルなので、それが伝わる作品をまず最初に持ってくると良いと思います。目安は直近1,2年に作った自信のある作品で、それより過去の作品は「自分らしさ」などを伝える参考作品という位置づけにすると良いでしょう。
また、ファイン系や工芸系所属の方であれば、志望業界と関連の低い作品の掲載を迷うこともあると思います。私はイラスト以外に普段どんな制作をしている人間なのか知ってほしかったので、自己紹介の意味も含め油画の作品を掲載をしました。しかし、一番見てもらいたいのはCGイラストだったので油画作品は後ろの方に配置しました。
3.最後に
改めてポートフォリオを振り返ると、就活前の作品だけではなく、就活中に新しく増やした作品を中心に構成されていたなと感じました。実際のところ、就活をしながら作品づくりや学校の課題を両立するのは時間が無くとても大変でした。しかし企業分析や自己分析をしながら新しい作品を増やせたので、ゲーム業界の中でもより行きたい企業に寄せた作品づくりができ、説得力のあるポートフォリオに近づいたかなと思います。これから作品を増やしたい方や、就活が始まっている方は本当に忙しいと思いますが、会社で働く自分を想像しながら頑張りましょう!
筆者も活用!
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(2021.7.20)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア