「自己分析」は今までの経験や考え方などを振り返り、「自分は何が好き・得意・向いていて、何をしたくて、したくないのか」という自分の価値観を明確にするために必要なもの。就職活動のときだけでなく、就職後の人生にも大きく影響します。今回の記事では、「自身の価値観を言語化」することを目標に作成した「デザインじぶんカルテ」というワークシートをご紹介します!
執筆 chijin-b / 編集 YOSHIKO INOUE
自己分析の大切さ
就活における「自己分析」は、仕事に求めるものを明確化することに役立ちます。今後自分がどのような環境で成長し、将来どんな人物になっていきたいかを考えておくと、生きていく方向性を定めやすくなりますよね。
自己分析を行うことで
- やりたいことが明確になり求人が探しやすくなる
- 面接につまづきづらい(強み/制作で1番大切にしていることなど)
- エントリーシートや履歴書が書きやすくなる
- ポートフォリオのブラッシュアップに迷わない(自己紹介ページの充実/アピールポイントの整理など)
などのメリットがあります!
選ぶだけで自己分析!デザインじぶんカルテ(ゲーム編)
この記事で紹介する「デザインじぶんカルテ」は、チェック形式で自身の制作スタイルがわかるようになるシートです。元々別の記事で紹介していたものを、ゲーム業界に寄せた内容で作成しました!このカルテを使用することでゲーム業界での自分の制作スタイルや自身が業界就職後にどんな働き方をしたいかを分析できます!
・・・使い方・・・
あなたのタイプや価値観に合うものにチェックをつけ、補足情報も自由に書き込んでみてください。書き込み後、他人と見比べたり自身のものを見返して、あなたの特徴を考えてみましょう。
デザインじぶんカルテ!個人の制作スタイル編(ゲーム業界)
こちらの「個人の制作スタイル編(ゲーム)」を記入すると、
- アイデア出しの時に得意なこと
- 理想の働き方/環境
- ものづくりの中で好きな作業/工程
- 将来どのようなものづくりをしたいか
などがわかります!
デザインじぶんカルテ!周りとの関わり方編(ゲーム業界)
「周りとの関わり方編」を記入すると、
- グループワークにおける自分の強み
- 人と制作をする時にやりがいに感じること
- 制作や仕事をする上で大事にしている考え方
などを振り返ることができます!
ピックアップ項目解説
カルテを書き込むなかで、「この回答は何につながるの?どんなことがわかるの?」と、疑問も出てくるかと思いますので、少し解説したいと思います。
ピックアップ項目解説
・どんな作品をつくりたい?
◻フォトリアル
◻セルルック
◻デフォルメ
⇩
「ゲーム会社でイラストを描きたい」と言っても、会社によって得意とするジャンルや携われるテイストなどが異なります。自分がどんな作品をつくりたいのか明確になっていると、受ける会社も絞り込みやすくなりますよ。
筆者がゲーム業界の就活を終えた2024年現在の各ジャンルといえば……な会社を挙げてみます。個人的な理解ではありますが大きくはズレていないと思います。それぞれ会社の制作物などを調べ、どんな雰囲気を指しているのか確認してみてください。
フォトリアル系:株式会社スクウェア・エニックス、株式会社フロム・ソフトウェアなど
セルルック系:株式会社バンダイナムコスタジオ( ↗ViViViTで見る)など
デフォルメ系:株式会社任天堂など
※あくまで個人の就活経験を元にした認識なので、ご自身でもリサーチを行うようにしてください。
ピックアップ項目解説
・ものづくりの範囲
◻一つのものを長く作りたい(スペシャリスト)
◻いろいろなものを作りたい(ジェネラリスト)
◻有名タイトルに関わりたい(なぜ? )
◻有名・無名に限らず、別の基準で関わる範囲を決めたい
(別の基準とは? )
⇩
「スペシャリストとジェネラリスト、どちらを目指したいですか」という質問は、ゲーム業界の就活でほぼ全社に聞かれました。他にも「どんな制作に携わっていきたいのか、それはなぜか」という問いは、就活中企業にも聞かれますし、自問自答し続けていたなと思います。皆さんも回答と、その理由を言語化しておきましょう!
※スペシャリストとジェネラリストの違い
ジェネラリスト:幅広い職務知識を身に付けた人を指したり、職種を跨いだりする人を指します。複数の情報を組み合わせて課題解決に向かうことが求められます。
スペシャリスト:特定の分野の知識を深く持ち、特化したスキルで成果を出せる人を指します。1つの物事を深く研究して、課題を分析することが求められます。
ピックアップ項目解説
・作りたいゲーム媒体(優先順位をつける)
◻コンシューマ
◻モバイル
◻NFT
◻メタバース
◻アーケード
◻遊技機
(理由 )
⇩
先に挙げている「ジャンル」の他に、携わりたいゲームの「媒体」についても面接の際によく聞かれました。
自分なりの答えを考えるきっかけになればと思いこの項目をつけています。
【このテーマに付随して聞かれることがある質問】
- 家庭用ゲーム機(コンシューマ)とスマホゲーム機(モバイル)だとどちらに携わりたいか。その理由
- コンシューマゲームとモバイルゲームのそれぞれのメリット、デメリットは何と考えるか。
- 現在のNFT事業の改善案
記入例
「はたらくビビビット」編集部から、私と、友人(T・Y)さんが書き込んだ例をご紹介します。
1.私の例
カルテを見て気付いたこと
私は、人と関わりながら制作する事柄に多くチェックされていました。ここから、「一人で黙々と作業することよりも、周りの人と関わりながら意見を出し合い、目標に向かって進むことを重視している」という価値観が見えてきます。また、つくりたい作品の種類や媒体も書き込みましたが、「ゲーム業界のなかでもなぜフォトリアルなのか。なぜコンシューマゲームを第一希望で関わりたいのか」などの理由も、就活では明確になっていないといけないなと考えました。
2. 友人(T・Y)さんの例
記入した感想
- ものづくりのモチベーションから考えて、個人制作よりもチーム制作に特化していると気づいた
- チェック項目が分かりやすくて自分のやりたい方向性が明確になった
- 今までゲーム業界用の分析シートがなかったので分析する良いきっかけになった
- 楽しく分析できた
カルテを見て筆者が気づいたこと
T・Yさんの制作スタイルは自身の職種の知識を深く身に着け、研究することを好む傾向があると感じました。またグループワークに関しても双方にとって気持ちのいい制作を心掛けており、人との関わり方「大人数でワイワイしたい」などを選択しています。それを踏まえて、大規模の会社で自分の知識を生かしながら丁寧にものを作り上げる会社が希望に沿っているかもしれません。
まとめ
このカルテを書き込むことで、自己分析をしたいけど何からしたら良いかわからない人や、ゲーム業界のエントリーシートや面接で自分をどうアピールしたらいいかわからない人こそ、「デザイナー就活カルテ(ゲーム編)」が役に立つと思います。自分のやりたい方向性を決定し、自分にとって将来少しでも楽しく働けるように、今の自分を見つめなおすいい機会になることを願っています!
(2024.8.23)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア