みなさんは、「ビエンナーレ」や「トリエンナーレ」という言葉を耳にしたことはありますか?最近では雑誌で特集されたりと、日本で開催されているビエンナーレやトリエンナーレに、国内外から多くの人が集まっています。今回はビエンナーレ、トリエンナーレと言われる芸術祭がどのようなものなのかを詳しくご紹介します。
編集・執筆 / RINA SAITO, AYUPY GOTO
●ビエンナーレ、トリエンナーレとは?
ビエンナーレとトリエンナーレどちらも、国際的な芸術作品の展示会です。
ビエンナーレ
ビエンナーレ(biennale)とは、イタリア語で、2年に一度 という意味で、2年に一度開催される大型の芸術祭のことを指します。
ビエンナーレは世界各地で開催されており、近年では美術作品に限らず、デザインやインテリア、建築といった分野、公募展で2年に一度開催されるもの等を、ビエンナーレという名称で開催しています。トリエンナーレ
トリエンナーレ(triennale)とは、イタリア語で、3年に一度 という意味で、3年に一度開催される大型の芸術祭のことを指します。
こちらもビエンナーレと同様、世界各地で開催されており、日本ではビエンナーレよりもトリエンナーレの開催が多く見られます。
●海外のビエンナーレやトリエンナーレを知ろう!
世界的にも有名な、歴史のある海外のビエンナーレ・トリエンナーレをいくつかピックアップしてご紹介します。
ヴェネツィア・ビエンナーレ (La Biennale di Venezia)
「手掌の鍵」 塩田千春 2015年 ヴェネツィア・ビエンナーレ 日本館<引用 | https://casabrutus.com/art/11340/3 >
○HP http://www.labiennale.org/en/Home.htmlヴェネツィア・ビエンナーレは、イタリアのヴェネツィアで1895年から開催されている、世界で最も歴史のある現代美術作品の祭典です。
「ビエンナーレ」がイタリア語であることからも分かりますが、このヴェネツィア・ビエンナーレを始まりとして、世界各国に「ビエンナーレ」の形式が広まりました。
国単位での出展となっていて、事前に国内で選ばれたキュレーターと代表のアーティストが、各国のパビリオン(専用の展示会場)にて展示を行います。
毎回、優秀賞(金獅子賞)が選ばれているので、「美のオリンピック」のようだ、とも言われています。現代美術の最新作の発表場所として、大きな注目を集める国際展示会のひとつです。サンパウロ・ビエンナーレ
(Bienal Internacional de Artes de São Paulo)
「Untitled」 Éder Oliveira<引用 | http://cultura.estadao.com.br/blogs/divirta-se/bienal-revisitada-eder-oliveira-pinta-murais-com-rostos-de-suspeitos-de-crimes/ >
○HP http://www.bienal.org.br
サンパウロ・ビエンナーレは、ブラジルのサンパウロで開催されている、1951年から開催されている歴史のある現代美術作品の国際展示会です。
ヴェネツィア・ビエンナーレと並ぶ、世界的な最新の現代美術の発表場所のひとつとして、注目を集める大きな展示会で、過去にはパブロ・ピカソの代表作、「ゲルニカ」や、日本からはハイレッド・センターなど、著名なアーティト達の作品も多く展示されていました。
●日本のビエンナーレやトリエンナーレを知ろう!
日本国内にも多くのビエンナーレやトリエンナーレがありますが、中でも特に地域と関わりのある国際的な展示会をご紹介します。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
「花咲ける妻有」 草間彌生 まつだい「農舞台」(新潟県十日町市松代3743-1)周辺<引用 | http://www.echigo-tsumari.jp/artwork/tsumari_in_bloom >
○HP http://www.echigo-tsumari.jp大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレは、新潟県越後妻有地域(十日町市、津南町)で開催されている国際的な芸術祭です。
総合ディレクターである女子美術大学教授北川フラムの指揮のもと、国内外の多くのアーティストが参加し、美術館の中だけではなく越後妻有地域の自然や住宅街などにも作品を展示していて、自然と調和した、大きなスケールの作品を楽しむことができます。地域の活性化を目的としたアートプロジェクトの側面もあり、2015年には約51万人の来場者を記録しています。瀬戸内国際芸術祭
「I ♥ 湯」 大竹伸朗 直島・宮ノ浦<引用 | http://setouchi-artfest.jp/artworks-artists/artworks/naoshima/2.html >
○HP http://setouchi-artfest.jp瀬戸内国際芸術祭は、瀬戸内海の島々(直島、豊島、小豆島など)でトリエンナーレ形式で3年に一度開催されている、国際的な芸術祭です。
こちらも北川フラムの指揮のもと、海に囲まれた離島の島々で多くのアーティストが作品を展示しています。2010年から開催されていて、開催期間が夏から秋だったものが、2013年開催時は 春・夏・秋 に分かれ、1年に渡って開催されました。開催の度に、テーマが設定したり会期を変動したりと、変化し続ける芸術祭のひとつです。
作品制作を手伝う!サポーターになろう
●こへび隊
<引用 | http://kohebi.jp/activity/ >
○HP http://kohebi.jp
こへび隊は、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレの公式サポーターとして、現地にて制作するアーティストの制作のお手伝いや、常設展示されている作品のメンテナンス、会期中の会場の受付などを行うボランティア活動をしている団体です。越後妻有の地域の人々や、参加アーティストとの交流などの貴重な体験ができます。●こえび隊
<引用 | https://www.koebi.jp/ >
○HP http://koebi.jp
こえび隊は、瀬戸内国際芸術祭ボランティアサポーターのことで、こへび隊と同じく、会期中の作品受付やワークショップ、作品撤去のお手伝いまで芸術祭の運営を体験できる活動です。誰でも参加することができ、年齢制限はなく、親子や留学生の参加もあります。長い休みの取れる、夏休みの期間中などに参加してみてはいかがでしょうか?
●今年行ける!2017年開催予定の国際美術展 一覧
今年は、特にヨーロッパの国際展示会が運良く同時開催しているので、一気に何ヶ所も回れてしまう、数十年に一度のチャンスです。会場はとても広く、街全体に会場がある展示会が多いので、夏休みなどの長い休みの期間に行くのがオススメです。
日本国内の国際芸術祭
横浜トリエンナーレ 2017 「島と星座とガラパゴス」
<引用 | http://www.yokohamatriennale.jp/2017/ >
○HP http://www.yokohamatriennale.jp/2017/index.html会期 2017年8月4日(金)‐ 11月5日(日)
開場時間 10:00 - 18:00 (最終入場17:30)
休場日 第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)
会場 横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館
横浜市開港記念館 地下
入場料 一般:当日 1,800円(前売り 1,500円)
(鑑賞券) 大学・専門学校生:当日 1,200円(前売り 900円)
高校生:当日 800円(前売り 500円)
中学生以下:無料海外の国際芸術祭
第57回 ヴェネツィア・ビエンナーレ VIRA ARTE VIRA
<引用 | http://www.labiennale.org/en/art/submission/ >
○HP http://www.labiennale.org/en/Home.html会期 2017年5月13日(土)‐ 11月26日(日)
開場時間 10:00 - 18:00
休場日 月曜日(5/15、8/14、9/4、10/30、9/20は除く)
会場 各国のパビリオン
ジャルディーニ(Giardine)会場
アルセナーレ(Arsenale)会場
※会場により開場日時、休場日は異なる場合があります。【日本館 展示詳細】
「Turned Upside Down, It's a Forest/ 逆さにすれば、森」
出品作家 岩崎貴宏
キュレーター 鷲田めるろ(金沢21世紀美術館キュレーター)
会場 カステッロ公園内 日本館
(Padiglione Giapponese Giardini della Biennale,
Castello 1260, 30122 Venezia)ドクメンタ 14
<引用 | http://www.documenta14.de/en/venues/15229/megaron-the-athens-concert-hall >
○HP http://www.documenta14.de/en/アテネ(Athen)周辺
会期 2017年4月8日(土)‐ 7月16日(日)
開場時間 11:00 - 21:00
休場日 月曜日
※会場により開場日時、休場日は異なる場合があります。カッセル(Kassel)周辺
会場 2017年6月10日(土)‐ 9月17日(日)
開場時間 10:00 - 20:00
休場日 なし
※会場により開場日時、休場日は異なる場合があります。●最後に
美術館で作品を鑑賞するのとまた違い、その地域に合わせたかたちで最新の作品を楽しめるビエンナーレとトリエンナーレは、数年に一度の開催なので、お祭りのような活気溢れた雰囲気の中、多くの作品を鑑賞することができます!その時にしか味わえない、貴重な経験になると思います。国内外で開催される国際芸術祭に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2017.5.15)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア