今回ご紹介するのは、要所ごとの手書き文字や手描きイラストが効果的なポートフォリオです。希望業界に合わせた“推し作品”をピックアップし、その他の作品とボリュームの差をつけて掲載しています。キャッチコピーや画像を使い、いったいどのように緩急をつけているのでしょうか?さっそく覗いてみましょう!編集・執筆 /YOSHIKO INOUE
南 志於 さん
愛知県立芸術大学デザイン専攻メディアデザイン領域 卒業
IT業界デザイナー
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
手書き文字とイラストで作品紹介に個性を出す
南さん:大見出し(推し)ページの手書き文字と、どうやって使って欲しいかをアピールするために載せた手描きイラストにこだわりました。
計算されたシンプルなデザインの表紙
南さん:ポートフォリオに掲載している作品のイメージカラーなどを使用して、絶対的なシンプルさをテーマに表紙を作りました。意味のないモチーフや、なんとなくオシャレという理由での装飾は一切つけていません。
ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
UIUX業界
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- 自己紹介
- インターンの制作物
- 学校課題
- 課外活動での制作物
- 裏表紙
●コンセプト
体験を伝えるためのポートフォリオ
▼その作品でどんな体験ができるか、漫画風イラストを見ればすぐに理解できる。
●制作時期
3年生の春ごろ〜1月ぐらいまで
●制作プロセス
(1)進みたい業界を絞って“推し”作品を決める
(2)ページ構成をスケッチブックに書き出す
(3)スケッチをもとにデータ制作
(4)プリンターで印刷・修正
(5)キンコーズに持ち込み、印刷
▼“推し”作品の4つには、目次ページにロゴとキャッチコピーをつけて他の作品と差別化。
●制作に使用したソフト
PhotoShopCC、IllustratorCC
●サイズ / ページ数
A3横 / 42ページ
●印刷 / 製本方法
キンコーズ / リング製本
●制作にかかった費用
約30000円(3回ほど作り直しているので……!)
●制作するうえで参考にしたもの
南さん:カーニングはBRUTUSやPOPEYEなどの雑誌を参考にしました。
●制作中にもらったアドバイス
南さん:インターンでお世話になった会社の社員さんや、大学の先輩や同級生など。そこでもらった改善点は「写真は大きく、説明は単純明快、簡潔に」!
●ViViViTページのこだわり、使い分け
南さん:ViViViTには推し作品のみを載せていました。それを踏まえて声をかけてくださった企業さんとお話する際に紙ポートフォリオを持って行き、その他の作品も含め詳しくお話しました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
南さん:ポートフォリオは絶対早めに作っておいた方が良いと思います!ポートフォリオに載せる作品をなんとなく決めておくだけでも、自分がやりたいこと・方向性がわかってくると思うので、きっと周りに差をつけてスタートダッシュできます。
もう一つ大事なことは、先輩方や周りの力を借りること。周りからのフィードバックを受け入れ、自分の中で大事だなという要素を抽出してポートフォリオに落とし込むと、確実に良いポートフォリオができます。応援しています!頑張ってください!
はたらくビビビット編集部より
「体験を伝えるためのポートフォリオ」をコンセプトにした南さん。作品説明では、「そのサービスがどんなものか」よりも「そのサービスを使ったらどんな体験ができるか」に重きを置いています。
また、その体験イメージは漫画仕立てで説明。漫画表現は、文章に比べてひと目で様子を把握することができ、読み手の理解を促進します。これは、制作中にもらったアドバイス「説明は単純明快、簡潔に」を追求した結果かもしれません。IT業界に提出されるポートフォリオでは画面のモックアップやスクリーンショットを載せている人が多いため、個性的で印象にも残ります!
“推し”作品が簡潔かつ丁寧にまとめられ、全体のバランスが丁度よいポートフォリオでした。南さん、ありがとうございました!
(2020.3.26)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア