華やかな色彩やおしゃれな雰囲気でパッと惹きつけるイラストレーション。今回はデザイナーに内定された加藤さんのポートフォリオをご紹介します。就職先である「株式会社ほぼ日」のデザイナー/採用担当の方からもポートフォリオ選考に関するコメントをいただきました!
加藤さんとほぼ日さんがどのようにマッチしていたのか、ポートフォリオという視点で見ていきましょう!
※ほぼ日さんは近年ViViViTにて採用活動を行っています。
選考情報はほぼ日さんのViViViTページをご覧ください!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE
ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント
■作者のアピールポイントと企業の審査ポイントがマッチしている!
編集部:加藤さんの就職先である「株式会社ほぼ日」のデザイナーで採用担当の諏訪さんからコメントをいただきました。選考において、作品やポートフォリオ審査ではどんなポイントを見ていますか?
諏訪さん:グラフィックをつくることが最終目的ではなく、伝えたいことを伝えるためにデザインの力を使うことができている方は成熟しているなと感じます。
また、一貫したデザインのテイストがあることもとてもすてきですが、さまざまなデザインにチャレンジしている跡が垣間見えると、入社後もきっと柔軟に吸収しながら成長していただけそうだなと想像します。好きなこと、もの、ひとがポートフォリオを通して感じられることもとても大切だと思います。
編集部:加藤さんのポートフォリオは選考でどんな印象でしたか?
諏訪さん:イラストを中心とした作品から好きなものや彼女の色彩感覚が伝わってきました。見たときに「なんだかいいな」と心が明るくなるものが多かったです。デザインを使って情報をやさしく相手に伝えることが上手だと感じて、弊社のコンテンツに合いそうだなと思ったのが第一印象でした。
編集部:「自身のできる・やりたいこと」だけでなく「企業がいま求めていること」も大事にポートフォリオを仕上げたいですね。そのためには企業の制作物のリサーチや選考での視点の理解が必要になりそうです。
それでは早速ポートフォリオを覗いてみましょう!
PROFILE
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
作風や世界観が伝わるイラストを冒頭に
加藤さん:SNSで特に反応が良かったイラストを配置しました。開いてすぐにおおっと思ってほしいです。
就職活動では「自身の強み(イラストやアニメーション)が活かせるデザイン会社」を軸に見ていました。ほぼ日のサイトなどを見るとやわらかい雰囲気のイラストを使ったデザインもあり、私のテイストを全面に出して受けてみたいと思ってこういった構成にしました。
編集部:就活当時のイラストは加藤さんのポートフォリオサイトのイラストカテゴリでも詳しくご覧いただけます!
グループワーク経験は、意外と(?)失敗談に注目された!
加藤さん:ポートフォリオページは都合によりお見せできないのですが、グループワークも載せました。学生団体に所属していたときの活動内容や失敗と学びを詳しめに書いていて、その部分を見てもらえることが多かったです。会社によるかもしれませんが、働く上では個人の能力と別に、グループで一つのことを協力して出来る能力も大事なのかなと思いました。
アニメーションはあえて静止画を並べて印象的に
加藤さん:手書きアニメーションを印象的に見せたかったので、このように並べて配置しました。
手描きイラスト以外に、デザイン作品も幅広く掲載
加藤さん:イラストだけでなくデザインもできます……っていうページです(笑)。得意分野と別にいろいろなことが出来るというスキルを伝えられたので良かったです。
ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
WEBデザイン
●コンセプト
得意分野を最大限にいかすポートフォリオ
加藤さん:得意とする手描きのイラストと映像が最大限に活きるデザインしました。可愛い雰囲気が最後まで保たれるように工夫し、一冊を通して世界観をつくりあげました。
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- イラスト
- 写真
- デザイン
●制作時期
大学4年生の11月(3年生の夏に作ったものをリデザイン)
●制作プロセス
- スマホのカメラロールにアルバムを作って、作品データを並べ替えて考える
- Illustratorで仮のデータを作ってみる
- InDesignに移動させる
- 大学のプリンターで仮に印刷する
- 印刷会社に入稿
●サイズ / ページ数
A4 / 60ページ
●ポートフォリオ制作に使ったソフト
Illustrator、Photoshop、InDesign
●印刷 / 製本方法
印刷会社で / A4中綴じ印刷
●制作にかかった費用
7360円 (約1300円×6)
●制作するうえで参考にしたもの
韓国に留学にいった友人のグラフィックの課題
加藤さん:韓国のデザインがおしゃれでかわいかったので参考にさせてもらいました。
●ポートフォリオを使ったプレゼンで工夫したこと
加藤さん:自分自身が会話で伝えやすいような順番を意識しました。こんなイラストが描けてこんな写真が撮れて、最終的にアウトプットはこうなります、とプレゼンのおしりで完結するようにページの構成を組みました。
●制作中にもらったアドバイス
加藤さん:始め、わたしはかなり自分の色を殺してポートフォリオを制作していました。白地に写真をきれいに配置し、デザイン会社にうけそうなデザインを作っていました。しかし、大学の先生に自分の好きなものが見えたほうが良いとアドバイスをいただきました。どっちにしろバレるなら、趣味全開でいって、そのうえで受け入れていただこうと思いました。
●表紙をつくるときに工夫した点
加藤さん:自分の世界観が伝わり「この子はどんな作品をつくるんだろう?」と開いてみたくなる、そんな表紙を意識しました。
●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け
加藤さん:ViViViTは仕事を探すために使用していました。結局ポートフォリオは印刷することなくPDF提出で内定を頂いたのですが、この機会に印刷しておこうと思い、大学4年の11月に印刷会社で印刷しました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
加藤さん:大変な作業に感じますが、自分自身が何をしてきたかを振り返るとても良い機会だと思うので、楽しみつつ制作してください……!
編集部:グループワークにUIデザインなど幅広いスキルを表しながら、一番の得意分野を押し出したポートフォリオは、世界観が強く伝わってきました!
加藤さん、ありがとうございました!
加藤さんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
株式会社ほぼ日のページを見る!
(2022.3.4)
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