むずかしいことを、やさしく、たのしく伝える5つの技法|グラフィックデザイナー内定ポートフォリオ

「むずかしいことを、やさしく、たのしく。」印刷業界のグラフィックデザイナーとして内定した横田さんがViViViTページに記載しているキャッチフレーズです。じっくり見ていくと、デザインへの取り組み方だけでなく、ポートフォリオにもこのキャッチフレーズを感じる箇所がいくつもありました。ポートフォリオで伝えるべき内容は、自身のやりたいことやこれまでの学びなど、文章だけでまとめようとすると複雑になりがちなものばかりです。そんな“むずかしいこと(複雑な事柄)”を読み手である企業の採用担当者にどうしたら“やさしく(わかりやすく)”、“たのしく(キャッチーに)”伝えられるのか、横田さんの5つの技法をご紹介します!
編集・執筆 / AYAKA SHIMOYAMA , YOSHIKO INOUE

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ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント

■キャッチーさをつくる「制作目的」「作品ジャンル」を組み合わせた一言説明

編集部:横田さんの各作品の冒頭ページには、その作品を一言で説明したキャッチコピーが添えられています。これにより、読み手はこれが一体どんな作品なのかを理解した上で次のページへ進めますよね。けれど作品をキャッチーな一言でまとめるのは意外と難しい。キャッチコピーの作り方に迷ったら、横田さんのように「制作目的(〇〇するための、〇〇させる)」「作品ジャンル(ポスター、フライヤー、Webサイト)」を組み合わせて簡潔にまとめてみましょう。


■なぜこのデザインにしたのか?に説得力をもたせる「ユーザー体験向上の工夫」

編集部:UIのボタン配置やWebサイトの使用イラスト、ポスターの背景色……これら全てになぜそのデザインを選んだのか、というデザイナーの意図が存在します。横田さんはこのデザインの意図を「ユーザーのより良い体験のため」という軸で考えています。デザインの意図が「好きな雰囲気だから」「なんとなく」ではなく「ユーザーの体験向上のために」であれば一気に説得力が増しますよね。ポートフォリオの「デザインのこだわり」という項目に注目してみましょう。



PROFILE

横田 恵里奈 さん

京都芸術大学 キャラクターデザイン学科 グラフィックデザインゼミ
作品Instagram

PICK UP!ポートフォリオのこだわり

企業とのマッチング精度向上のため、自分の価値観は冒頭で伝える


横田さん:ポートフォリオの冒頭2ページ目に、デザインに対する考えを記載したページを設けています。自分の考えや価値観を最初に伝えることで、より自分のやりたい事やデザインに対する考えに近い会社にアピールできると思いました。

読み手に作品を短時間で伝えるため「統一のフォーマット」と「キャッチコピー」を活用









横田さん:作品ページのフォーマットはなるべく統一し、どこに何の情報があるかを反復させて分かりやすいようにしました。
また面接官はポートフォリオ1ページを見る際に長い時間をかけないと聞いたことがあったので、なるべく一目で作品の概要が伝わるように、キャッチコピーをつけています。これにより短時間でも情報を理解できるようになったと思います。
▼他の作品と比較して統一のフォーマットをチェック!





志望度を直感的に伝えるため、提出企業ごとに作品の順番をアレンジ


横田さん:提出する会社によって、作品を見せる順番を変えました。例えばUIデザイナーのポジションを受ける場合はUIの作品を前にしたり、印刷会社を受ける場合は紙媒体のデザインを前にしたりして、受ける会社の特色によって推す作品を変えています。実際この工夫によって採用担当者の反応が違うと感じたので、作品の順番は大切だと思います。

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ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

広告・印刷・IT・ゲーム業界、アプリ制作会社

●コンセプト

私が大学生活でやってきたことの全て、道すじを見せるポートフォリオ

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • 自己紹介
  • デザインに対する考え
  • 目次
  • UIデザイン2作品(自主制作、課題)
  • Webデザイン2作品(課題、自主制作)
  • 大学のプロジェクト2作品
  • グラフィックデザイン2作品(コンペ、課題)
  • スケッチ2作品(課題)
  • 裏表紙

●表紙をつくるときに工夫した点

横田さん:コンセプトである「道すじ」をシンプルに表現しました。

▼目次や裏表紙にも道すじの表現が

●制作時期

大学3年生の8月〜大学4年生の5月ごろ

●制作プロセス

(1)作品の整理&情報の洗い出し
(2)Illustratorでデータ制作
(3)オンライン面接用:PDFにまとめる / 対面面接用:キンコーズで印刷する

●サイズ / ページ数

A4サイズ / 51ページ

●ポートフォリオ制作に使ったソフト

Illustrator、Photoshop

●印刷 / 製本方法

キンコーズ / リング製本

●制作にかかった費用

約2200円

●制作するうえで参考にしたもの

はたらくビビビットのポートフォリオ百科、大学の先輩のポートフォリオ

●ポートフォリオを使ったプレゼンで工夫したこと

横田さん:1作品ごと簡潔に説明できるように練習しました。うまく喋ろうとすると長くなってしまうので、事前に話す内容を用意しておくと楽になると思います。

●制作中にもらったアドバイス

横田さん:大学の先生から「作品を引き立たせるための装飾以外はいらない」つまり「空白をうめるための余計な装飾はいらない」というアドバイスをもらいました。

●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け

横田さん:オンライン面接用と対面面接用で分けて活用していました。

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

横田さん:まだポートフォリオを作ってない方へ。日頃からコツコツ作品の整理をしておくと、いざポートフォリオ作ろう!となった時本当に楽です。面倒かもしれませんが、後回しにすると地獄を見ます。頑張って…!パソコン開いて…!!!

いまポートフォリオを作っている方へ。くれぐれも無理せずに、見てくれる相手を思いながら"自分を伝えるための色々まとめ本"を作ってみてください。応援しています!

編集部:情報が簡潔にまとめられていて読み手にやさしいポートフォリオでした!横田さん、ありがとうございました!

横田さんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる

(2023.3.22)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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