2Dイラストレーターのポートフォリオ|学生時代のお仕事経験はこう光る

ゲーム業界のイラストレーターとして活躍する伊集院さんのポートフォリオでは、学生時代から請けていた有償案件のイラストが目立ちます。実績を載せていると、読み手(企業)はどんな印象を受けるでしょうか。「イラスト制作業務の現場のスピード感や、プロセスを把握してそうだ」「修正対応の経験がありそうだ」など、現場を理解しているのではと予想でき、「一緒にお仕事をすることがイメージしやすく、話が早そうだ」という印象を受けやすいでしょう。

伊集院さんのポートフォリオはそれに加え、オリジナル制作で幅広いモチーフを描いたり他ジャンル(グラフィックや映像作品)の制作があったりとスキルの幅と創作への好奇心が伺えます。有償案件の経験がある方もない方も、ぜひまとめ方の参考にしてみてください!

編集・執筆 / YOSHIKO INOUE

ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント

■実績がひとめでわかる「仕事絵」

編集部:伊集院さんは、学生時代からSNSを通して多数のイラストのお仕事を経験しています。案件を受ける際に「ポートフォリオ掲載許可」を得ておくと、実績としてアピールでき就活にも有効です。

企業側は実績があると知ると、お仕事の流れを把握しているのではないか、修正対応などを経験したのではないかと予想できます。その分就職後も理解が早そうだと想像できるため、アドバンテージになり得るでしょう。

■工夫した点は抽出して注目させる

編集部:制作時に気をつけた点やプロセスを記載すると、作者がどのようにデザインに取り組んでいるかわかります。

■イラストレーターに必須の“モチーフの幅”

編集部:2Dイラスト以外に「3DCG化を想定したイラスト」「老若男女のキャラクター」「モンスターなどの人外キャラクター」「部屋や建物などの背景イラスト」などさまざまなモチーフが掲載されていました。得意かつ就職して最も取り組みたいモチーフを、割合を多く前半に掲載しつつ、幅広いモチーフが描けるアピールもとても有効です。

PROFILE

伊集院 椿 さん

所属先:ゲーム会社のデザイナー

PICK UP!ポートフォリオのこだわり

文字情報が多い自己紹介ページこそ色や装飾に工夫する

伊集院さん:自己紹介ページでは、私のポートフォリオでは文字が最も多くなるところだったので一番気をつけて余白部分を調整しました。文字が多くなるので、フォントを変えたり、文字色を変えたり、吹き出しをつけたりして見やすくなるように工夫しました。

読み手の立場になって見やすいレイアウトを念入りに検討。

伊集院さん:作品ページのレイアウトでは、文字の大きさや余白はこれぐらいだとストレスなく見れるかななど見る側の気持ちを考えながら何度も確認しました。企業からもらった反応では、全体的に見やすいレイアウトだったと言っていただけました。

裏表紙は自分の色を全開に!

伊集院さん:裏表紙では、雑誌風にしていたので値段をつけてみたりメールアドレスを入れたり、バーコード(ViViViTのQRコード)を入れたりといろいろと遊んでみました。個性的なポートフォリオにしたかったため雑誌風にしました。

ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

ゲーム業界

●コンセプト

志望している職種とはあまり関係のない作品も載せて、ポートフォリオのレイアウト自体も何度も確認してこだわってつくるポートフォリオ

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • もくじ
  • 自己紹介
  • 2Dイラスト(19ページ)
  • 映像制作(10ページ)
  • デザイン(3ページ)
  • ゲーム制作(18ページ)
  • グループ制作(1ページ)
  • デッサン(1ページ)
  • 裏表紙

●表紙をつくるときに工夫した点

伊集院さん:表紙では、自分が使えるソフトがわかるようなイラストを用意したり、文字ロゴもフォントそのまま使うのではなくて作字をしたり雑誌風にして差別化しようと心がけました。企業の方から「中身が気になる表紙になっていて良かった」と言っていただきました。

●ポートフォリオを使ったプレゼンで気をつけたこと

伊集院さん:緊張で思ったように面接で答えられないこともあるかと思うので、そうならないようにポートフォリオ内にメモとして少し書いていました。

●制作時期

大学3年生の4月頃〜大学3年生の3月頃

●制作プロセス

(1)作品をピックアップ
(2)並べてみて作品数のバランスを調整する
(3)職種ごとの順番を考える
(4)Illustratorでデータ制作
(5)ファイリング

●ポートフォリオ制作に使ったソフト

Adobe Illustrator、Photoshop

●サイズ / ページ数

A4 / 61ページ

●印刷 / 製本方法

データ提出のみのため印刷なし

●制作にかかった費用

なし

●制作するうえで参考にしたもの

先輩のポートフォリオ、はたらくビビビットの記事、学校の先生と友人と、インターンやカジュアル面談でお世話になった人事の方とデザイナーの方々の感想意見

●制作中にもらったアドバイス

伊集院さん:先生と友達、人事の方、デザイナーさんに見てもらって、この文字の大きさだと見やすいかどうかや、画面自体に圧迫感がないかなどのアドバイスをいただき改善しました。

●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け

伊集院さん:私は紙ポートフォリオは作りませんでしたが、ViViViTページは1作品にいくつもアイテムを入れて長々としないようにしました。長々と入れていたら見る気が失せてしまうと思ったからです。

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

伊集院さん:基盤を変えたら全てのページを作り直すことになってとても大変なので、一度作り切ってから確認するのではなく、途中経過で何度も確認した方が良いと思います。作品自体ももちろん大事ですが、見る側の配慮を考えたポートフォリオ自体のレイアウトや、ゆとりを持ちながら制作するスケジュール管理も大事になってきます。友達や先生に見てもらうことでより良くなると思うので改善して頑張ってください。

編集部:伊集院さん、ありがとうございました!

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(2023.9.1)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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