今回ご紹介させていただくのは、来年からキャラクター業界でデザイナーとして働く、丸山さんの就活ポートフォリオです。自分が関わってきたモノ・コトに合った見せ方を第一に考え、面接で喋りやすく編集されています。
カタログなど冊子媒体も参考にしながらデザインしたポートフォリオは、そのページを見るだけでどんな作品なのかが伝わる、魅力的な形になっています。早速覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO
丸山 絵梨子さん
まるやま えりこ
武蔵野美術大学 造形学部 視覚伝達デザイン学科4年。キャラクター業界デザイナーに内定中。学生時代はワークショップなど「コト」のデザインに注目し、実践していた。就活と教育実習が重なっていたが、作品選考の課題を制作することで息抜きになっていたそう。
PICKUP!
まず、ポートフォリオ制作でこだわった点を教えていただきました。
特技と経験が融合してカタチになった、思い入れの深い作品
丸山さん:品川区のキャラクターコンテストで受賞した、七福神のイラスト作品です。
中高時代から好きだったイラストと、大学で積極的に学んだ地域での活動が融合した、私らしい作品だと思っています。
実際に品川区の荏原七福神さんで、絵馬やスタンプに使用していただいています。
自分のデザインに対する考えが伝わりやすい作品
丸山さん:被災地や病院など、限られたスペースで遊ぶ子どものために制作した積み木の作品です。
自分のつくりたいという気持ちだけでなく、届けたい相手に向けてアイデアを出した作品です。自分のデザインの考え方が伝わりやすい作品なので、気に入っています。
自分の強みである「コト」のデザインは写真で効果的に表現
丸山さん:学外活動を紹介した作品です。モノやキャラクターのデザインだけでなく、「コト」のデザインも学んできたことが私のアピールポイントです。先輩後輩、町の方々と協力してつくりあげた成果なので、見てほしいと思って載せました。
ポートフォリオ一問一答
●制作した時期
大学3年冬〜春
●コンセプト
「モノ」と「コト」両方のデザインをすることで、人をハッピーにします
●掲載した作品内容
イラスト、アニメーション、チラシなどのデザイン制作物、ブランディング、タイポグラフィ、ワークショップ、デッサン
●サイズ・ページ
A4・72ページのものと、A3・78ページのもの
●作成に使ったソフト
Illustrator、Photoshop
●ポートフォリオの制作プロセス
(1)今まで制作したもの、関わった企画をリストアップ
(2)載せられそうなクオリティのもの、少し手を加えれば載せられるものを選抜
(3)データ/写真を選ぶ、撮りなおす/手直し
(4)Illustratorで編集
(5)大学で印刷、ファイリング
(6)できたポートフォリオを見て、志望先に足りないジャンルをもう一度選抜、新しく作る(制作プロセスをもう一周)
▼関わった企画やワークショップは、内容や開催情報をわかりやすく伝えた
●製本・印刷方法
大学で印刷、市販のポケット型ファイルでファイリング
●かかった費用
約1000円
●ポートフォリオを作る上で参考したもの
・書籍「人の心を動かす三ツ星ポートフォリオの企画「虎の巻」」
・まちで集めた商品カタログ、フリーペーパー
・先輩や友人のポートフォリオ など
●ポートフォリオを添削してもらった人
ゼミの先生、友人
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
はじめから完璧なポートフォリオなんてできない!と腹をくくって、とりあえず手を動かしてみると良いと思います。
照れやライバル心もあるかもしれませんが、友人と見せ合いっこすると、楽しくブラッシュアップできますよ!
はたらくビビビット編集部より
「似たような画像を並べるだけではなく”なぜこの場所にこの画像なのか”という理由を持って画像を使った」と話す丸山さん。ゼミの先生や友人にポートフォリオを見せた際に、「テンプレートやグリッドにとらわれすぎず、つくったモノや関わったコトが魅力的に伝わる大胆な見せ方をしたら」とアドバイスをもらったそうです。
また、製本方法はファイルにし、受ける企業に合わせて直前まで編集したり、作品を追加したりしていたと話していました。
作品ごとにキャッチコピーをつけるなど、作品に合わせて効果的に誌面をデザインしています。「コト」を企画し「モノ」に落とし込むという丸山さんの強みが十分に表現されたポートフォリオは、細かい部分までこだわりが詰まっていて、参考になる部分が多いのではないでしょうか。
丸山さん、ご協力ありがとうございました!
丸山さんの就活についてのインタビューはこちら!
丸山さんも活用した!
ViViViTでポートフォリオをつくり、デザイナー採用企業に作品を見てもらう
(2016.12.1)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア