今回ご紹介するのは、2017年4月からデザイン制作会社でデザイナーとして働く予定の、荒明さんの就活ポートフォリオです。パッケージデザインを手がける企業を中心に受けていたという荒明さん。ポートフォリオでは、作品を手に取れるようなしくみや工夫が随所に散りばめられています。
さっそく覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO
荒明 真柚さん
あらあけ まゆ
武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科卒業
デザイン制作会社内定
PICKUP!
まず、ポートフォリオ制作のなかで特にこだわったページを教えていただきました。
作品ごとに合う紙を選び、世界観を表現
荒明さん:作品ごとに違う質の紙を挟み、タイトルを目立たせるようにしました。ポートフォリオ自体のデザインは、就職課の人に何度も見てもらい、修正しながら決めていきました。
作品の魅力を最大限に伝えるため、手にとってもらえる工夫を
荒明さん:ほとんどの作品を、ポートフォリオに挟んだり貼り付けたりしました。面接では企業の人に渡し、作品を実際に手にとって見ていただきました。
ポートフォリオ一問一答
●制作した時期
大学1、2年時に授業で制作し、就活用のものは3年生の12月頃
●コンセプト
「厳しい寒さにも負けず、真っ直ぐ成長する柚子の木のように育ってほしい」という意味が込められた自分の名前”真柚”からとった、”柚子”の植物
▼表紙と最初のページで紹介している。
●掲載した作品内容
ブランディングデザイン、エディトリアルデザイン、パッケージデザイン、グラフィックデザイン、サークルで制作した衣装
●サイズ・ページ
A4サイズ横位置/50〜60ページ
●作成に使ったソフト
Photoshop、InDesign、Illustrator
●ポートフォリオの制作プロセス
(1)作品のブラッシュアップ
▼全ての作品を手直しして、完成度を上げてから撮影した。
(2)Photoshopで加工しながら、InDesignで編集
(3)紙を購入し、自宅で出力
(4)製本会社で製本
●印刷・製本方法
自宅のプリンターで出力し、製本会社で製本
●制作にかかった費用
紙代に1000〜2000円、製本代に約500円、自宅出力のためインク代も
●ポートフォリオを作る上で参考したもの
はたらくビビビットのポートフォリオ百科や、学校に置いてある参考作品
●ポートフォリオを作る上でアドバイスをもらった人
学校の就職課の方、友人
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
ポートフォリオ制作は行き詰まることが多いと思います。私も他の人のポートフォリオが気になってしまい、なかなか形に出来ませんでした。やっぱり一回製本してみると直した方がいいところが見えてくるので、早めに形にすることをおすすめします。何回も修正して、今のポートフォリオが完成したので、何度も自分のポートフォリオと向き合うようにしてみてください。
はたらくビビビット編集部より
自分自身を表すポートフォリオのテーマを、自分の名前にちなんで”柚子”にした荒明さん。始めのページで紹介し、面接の際には自己紹介と一緒にテーマについて話していたそうです。荒明さんの人柄とポートフォリオのコンセプトが伝わり、効果的だったのではないでしょうか。面接の際に本人の個性が伝わりやすいと、採用側の面接官にとっても、親切ですし記憶に残ります。
ポートフォリオの構成自体も、すべての作品を触れる工夫があり、アイデアが溢れたポートフォリオになっています。これもすべて、面接の場面を想定してつくられたものです。たんなる作品集としてつくるのではなく、「就活の時にどうやって使うのか」という用途をもとにポートフォリオを展開すると、面接官とコミュニケーションを取るためのツールとして、効果的にいきるでしょう。
自分自身を知ってもらいたい、作品を大切に届けたいという気持ちをポートフォリオ一冊で伝えるにはお金も時間もかかります。しかし、その分自分の大きな強みとなります。企業側も、荒明さんのポートフォリオを見て「相手を想う丁寧なデザインを任せたい」と感じたのではないでしょうか。
荒明さん、ご協力ありがとうございました!
荒明さんも活用した!
ViViViTでポートフォリオをつくり、デザイナー採用企業に作品を見てもらう
(2019/07/29更新)
(2017.3.27)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア