今さら聞けない?ポートフォリオ制作の基本

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クリエイター職の就職活動では、ポートフォリオを使って自分のスキルや人柄をアピールすることが多くあります。今回は、初めてポートフォリオを作る人向けに、ポートフォリオ制作の基本についてお伝えします。
編集・執筆 /YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO

●ポートフォリオって何?

アーティストやクリエイターの世界では、個人の作品集のことを「ポートフォリオ」と言います。就職活動では、総合職に履歴書の書類選考があるように、クリエイティブ職にはポートフォリオ選考というものがあります。デザインスキルや制作実績を計るためです。
ポートフォリオを提出し審査される場合、ポートフォリオの仕上がりですべてが判断されてしまうため、自分の大きなアピール材料となるよう、様々な部分に気をつけて作ることが大切です。
今回は、ポートフォリオ制作におけるポイントを、制作の手順に沿ってご紹介します。

ポートフォリオ制作の手順

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①載せる作品を決める

<POINT1>比較的新しく、自信のある作品を選ぶ

コンペなどで受賞した作品や、授業の参考作品となったものがある場合も積極的に載せましょう。

<POINT2>「特に見せたい作品」をいくつかピックアップする

作品をリストアップしたら、特に見せたい作品をいくつかピックアップしておきましょう。アピールしたい作品にページを割くことで、得意とするデザインやどんなデザインに力を入れているのかが伝わりやすくなります。

<!注意>数合わせの作品は載せない

作品数が少ない場合も、スキルが伝わりやすい作品を中心にするなど見せ方を工夫して、効果的なポートフォリオを作ることは可能です。あまり自信のない作品や、中途半端な作品は載せないようにしましょう。人事の方はたくさんのポートフォリオを見てきているので、数合わせで載せた作品も見抜いてしまいます。

②媒体を決める(web/紙)

<POINT>志望業界を意識して媒体を決める

まずは紙のポートフォリオを一冊制作することが基本ですが、アニメーションなど動きのある作品やデジタルならではの表現がある作品は、web上のポートフォリオサイトで作品を公開すると効果的なようです。IT業界や映像業界では、サイトURLの提出を求める企業もあります。
紙ポートフォリオでは、印刷や製本のこだわりをアピールできるので、広告業界や出版業界、印刷業界では紙のポートフォリオが必須と言えます。両方ある場合は、紙ポートフォリオのプロフィール欄にwebポートフォリオのURLをつけておきましょう。

③サイズを決める

<POINT>一般的にはA3かA4。作品や就職活動のスタイルに合わせて選ぶ

ポートフォリオは、A4かA3サイズが一般的です。A4サイズは、持ち運びやすく開きやすいので、面接に持込むときに便利です。また、A4サイズは企業側に保管してもらいやすいというメリットもあります。サイズの大きい作品は縮小されインパクトに欠けてしまうこともあるので、拡大写真をつけるなどをして細部がよく見えるような工夫をしましょう。
A3サイズはA4サイズに比べ、手渡した時のインパクトが大きいです。また、写真も大きく掲載できるため、作品の細部まで見せることができます。持ち運びは少し大変ですが、面接の場で見開いて作品の説明をする際も見やすいので、伝わりやすくなります。
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④構成を決め、デザインする

<POINT>写真集などを参考に、わかりやすさを意識して構成する

ポートフォリオを見る側の視点になって、目線の流れや全ページの統一感を考えながらレイアウトしていきます。作品の構成に統一性や規則性を持たせると、見ている人に安心感を与えることができると言われています。また、すでにあるデザイナーのポートフォリオや、画集・写真集などからページ構成を参考にする方も多いようです。
作品の写真以外には、以下のような項目を入れます。

・もくじ
どんな作品をどのように分類し並べているかが一目でわかるので、もくじがあると親切です。分類の仕方は時系列ごと、作品ジャンルごと、使用スキルごとなど、自分の作品に合わせて考えましょう。
・プロフィール
名前やアイコン画像、自分のウェブサイトURL、パソコンソフトのスキル、受賞歴や展示の経験など、自分の基本情報について記入しましょう。ポートフォリオ内での自己紹介のような部分です。
・作品のキャプション
作品の側には作品を説明する情報としてタイトル、作品のサイズ・素材、使用したソフトや制作時間などを記入します。
また、作品のコンセプトや課題テーマ、こだわった部分や評価された部分などについて書く場合もあります。的を得ない文章では逆効果になってしまうので、効果的な文章を心がけましょう。

⑤印刷する

<POINT>作品の雰囲気に合った紙で印刷する

印刷する際は、作品の雰囲気に合わせて紙を選びましょう。再生紙、マット紙、写真用紙、光沢紙…など、いろんな種類から選ぶことができます。データができたら一度試しに印刷し、確認します。その際にチェックをする項目として、以下の点が挙げられます。
・左右のページのタイトルの高さが揃っているか
・フォントとフォントサイズは揃っているか
・フォントサイズは読みづらくないか
・罫線や装飾が作品の邪魔をしていないか
・目が疲れる色合いになっていないか
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⑥製本する

<POINT>内容に合った製本方法を選ぶ

クリアファイル…一番手軽で一般的なのがクリアファイルに綴じることです。持ち運びしやすいので、面接に持ち歩くときに便利です。また、企業側もクリアファイルだと保管しやすいというメリットがあります。
ただ、クリアファイルは安物のものだと傷みやすいので、よく選んで決めましょう。写真用のクリアファイルは透明度がきれいで、評判が良いようです。

手製本…クリアファイルが多い中手製本のポートフォリオがあると、目立つようです。箱型にしたり中に仕掛けを作ったり、機械ではできない凝った製本ができます。面接でも興味を持ってもらいやすく、話が広がりやすいようです。

製本サービスを利用する…kinko’sなどのサービスを利用すると、印刷と製本を同時にできます。見開きに作品画像が入る場合などは、こうしたサービスを利用すると境界線もきれいに印刷することができます。一度に何部も印刷できることや、表紙にも自分の絵を印刷できることも魅力です。

ファイル?製本?紙ポートフォリオの装丁選び

⑦ブラッシュアップする

ポートフォリオは一度で完成ではなく、何度もブラッシュアップを重ねていくことが重要です。いろんな人に見てもらい、自分のポートフォリオの中ではどんな作品が好評なのか、目を引くページはどこかなど感想やアドバイスをいただきましょう。人事の方にポートフォリオの講評をしていただけるイベントなどもあるので、ぜひ積極的に参加してみてください。

最後に

いかがでしたか?
就職活動が解禁されるとポートフォリオを人に見てもらう機会がぐっと増えます。面接や説明会と並行し忙しくなりますが、ブラッシュアップを繰り返すことで作品の見せ方やデザインスキルなど多くを身につけることができます。
魅力的なポートフォリオを持ち、自信を持って選考に臨みましょう。

(2016.1.16)

著者

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井上佳子

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。ポートフォリオづくりに役立つ情報発信を目指します。 Twitter

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