今回ご紹介するのは、2018年春から大手自動車メーカーでUI/UXデザイナーとして働いている、齋田さんの就活ポートフォリオです。テキストが多くなりがちな研究・作品をポートフォリオで見せたいとき、どんな工夫をすればわかりやすくなるのでしょうか。
さっそく覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO
齋田 萌さん
さいだ もえ
公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科 メディアデザイン領域卒業
2018年春〜自動車メーカーにUI/UXデザイナー職で就職
PICKUP!
ポートフォリオのなかで特にこだわった点・ページを教えていただきました。
見出しをつけて、流し読みでも内容がわかるように
齋田さん:卒業研究のページです。大学生活で特に力を入れたのがこの研究だったので、一番初めに掲載しています。
論理的に考え、調査や観察を行った上でデザインしたことを伝えたかったので、文章でしっかり説明するようにしました。ただ、メーカーの選考の場合は読んでもらえないことも多いので、流し読みでも内容がわかるよう、大まかな内容が伝わるような見出しを付けました。
「どうしてこのデザインなのか」理由を説明する
齋田さん:函館の路線図の表紙提案と改良点のページです。リデザインなので、どうしてこのデザインになったのかという意図をしっかり書くことを心がけました。
ねらいに合わせ、作品ごとにレイアウトを調整
齋田さん:作品ごとにアピールしたいポイントを考え、それに合わせてレイアウトしたページです。グラフィックデザインの作品ではビジュアルを見てもらいたかったので、説明よりも画像を多くしました。Web制作のページでは、ワイヤーフレームや画面遷移図を丁寧に制作した部分をアピールしたかったので、最終成果物よりも遷移図を大きく掲載しています。
ポートフォリオ一問一答
●制作した時期
大学3年〜大学院2年
●コンセプト
デザインプロセスや意図が伝わるポートフォリオ
●サイズ・ページ
A3・20ページ
●掲載した作品内容
研究、Webデザイン、UXデザイン、グラフィックデザイン、ユーザー調査
●ポートフォリオの制作プロセス
- これまでの活動を書き出し、特に伝えたい作品をピックアップ
- Illustratorでポートフォリオ制作
- 大学工房のプリンターで印刷
- 見せる企業によって掲載順を変更
- ファイリング
●作成に使ったソフト
Illustrator、Photoshop
●印刷・製本方法
大学の工房で印刷、クリアファイルに挿入
●制作にかかった費用
約1500円
●制作するうえで参考にしたもの
雑誌、先輩方のポートフォリオ
●ポートフォリオを作る上でアドバイスをもらった人
大学で毎週開催されていたポートフォリオ勉強会で、教員たちからアドバイスをもらっていました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
まずは作ってみることだと思います。私が初めてポートフォリオを作ったときは、自分の何がアピールできるのかよくわかっていませんでした。それでもとりあえず作ってみると、自分に足りない部分や、他の人にはないアピールポイントが見えてきたように感じています。まずは思い切って作ってみて、友達や先生からアドバイスをもらいながらブラッシュアップをしていくと良いと思います。
はたらくビビビット編集部より
自分のアピールポイントがわからなくても、まずは一度つくってみたという齋田さん。デザイン面では、ポートフォリオ勉強会に週一で参加し、レイアウトや文字サイズ、文章内容などに関してアドバイスをもらったそうです。
他のデザイナー志望の学生に比べたら、文字量は多めなポートフォリオですが、見出しや余白を上手に使い、見る側に「スムーズに読ませる工夫」ができています。また、この作品はグラフィックを多めに、この作品はプロセス部分を……と、作品ごとに情報の緩急をつけているのも「読ませる工夫」につながっています。ポートフォリオは単なる作品集ではないので、「何故この作品をここに掲載しているのか」を作品ごとに明確にしておくことが大切です。そうすると、面接の時も話しやすくなりますよ。
c、ご協力ありがとうございました!
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(2018.5.17)
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