今回紹介させていただくのは、ヤフー株式会社でUIデザイナーとして活躍される手塚さんの就活ポートフォリオです。手塚さんは総合大学で社会学や心理学を学びながら、アルバイト先のデザイン会社78design,incでWebデザインの経験を積んでいました。デザインを専門的に学んでいたわけではありませんが、実務経験の作品をポートフォリオにまとめ見事デザイナー職の内定を手にしています。さっそくポートフォリオを覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO
手塚 瑛てづか ひかる
UI Designer
成城大学社会イノベーション学部心理社会学科卒業。
大学ではサブカルチャーを中心に社会学、心理学などを学ぶ傍ら、学内の団体でフリーペーパーや動画制作活動を行う。
デザイン会社である78design,incで約二年アルバイトとして経験を積み、現在ヤフー株式会社で主にアプリのデザインを担当。
PICKUP!
まず手塚さんがポートフォリオの中でこだわった点をお伺いします。
【こだわった点①】スキルとデザインポリシーを書いた自己紹介ページ
手塚さん:自己紹介ページは自分にとって一番大事な箇所だと思ったので、時間をかけて作りました。自分が持っているスキルの紹介と、自分がデザインをするうえで一番大切にしているデザインポリシーのようなものを二軸でまとめました。スキルの紹介は一目でわかるようツールのアイコンを使い、デザインポリシーの部分はテキストでしっかり伝えるようにしています。
【こだわった点②】ひとつひとつの作品に制作プロセスや結果を記載
▲Webサイトを制作|レスポンシブデザイン対応
手塚さん:ひとつひとつの作品紹介のページに「なぜこのデザインにしたのか」「ターゲットユーザーは誰か」「このプロダクトを作ったことでどんな影響・効果があったのか」を必ず書くようにしました。とはいえ、面接では文章まで細かく見てもらえる時間はありません。なので、自分でしっかり話せるための覚え書きのような役割として使っていました。
ポートフォリオ一問一答
制作した時期
大学3年の2月か3月頃
コンセプト
シンプルながらもページ全体に統一感があるポートフォリオ
掲載した作品内容
webデザイン(PCとスマホ)、グラフィックデザイン、エディトリアルデザイン、イラスト、Tシャツのデザイン
▼DJイベントのグラフィックデザイン
▼アルバイト先のデザイン会社78design,incでデザインし、実際に販売もされたTシャツ
ページ数
21ページ
構成
・表紙
・プロフィール…2ページ
・Webデザイン…11ページ
・デザイン…4ページ
ポートフォリオの制作方法
①自分の作品の中から載せる作品をピックアップ
②レイアウトのフォーマットを決める
③スライド形式で制作し、PDFにまとめる
載せる作品は、コンセプトづくりから制作プロセスまで自信を持って話せる作品を選びました。Webの制作物は面接で実際にサイトを触ってもらったため、必ずサイトURLを載せていました。
印刷・製本方法
自宅PCでPDF出力
制作中に見てもらった人
アルバイト先のデザイン会社78design,incの上司や友人
これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
私は就活を始めるギリギリまで作品制作をしていたので、ポートフォリオづくりに心残りがあります。じっくり時間をかけて、納得のいくポートフォリオを作ると良いと思います。大変だと思いますが、がんばってください!
はたらくビビビット編集部より
独学でデザインやWebを勉強した手塚さんは、自身のデザインポリシーやスキルをポートフォリオのプロフィール部分でしっかりと記載しています。そうすることで、デザインの仕事に取り組む姿勢が採用担当の方に伝わりやすくなります。さらに、学生団体のホームページやDJイベントのグラフィック制作など、独学で身につけたスキルを多岐にわたり実践していることが紹介されています。このように実際のアウトプットが多く紹介されていると、コミュニケーションスキルも高いのではないかということがポートフォリオから伝わってきます。
美術大生や専門学生が多いデザイナーの選考の中では、独学でデザインを学んだことや幅広い活動にスキルを活かしていることは大きな強みとなります。身につけたスキルを活かした作品を、多く用意することで、充実したポートフォリオを制作することができるようです。
手塚さん、ご協力ありがとうございました!
(2016.2.10)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア