「デザインでなにかを解決したい」そんなあなたに知ってほしい!LIFULLデザイナーに聞く。IT業界の意外なお仕事

特集

進路を考えるとき、「広告がつくれる会社」「映像がつくれる会社」と、メディアを限定していませんか?もちろんそんな考え方も一つですが、あなたがデザインで大切にしていることが「何をつくるか」よりも「何を解決できるか」なのであれば、「IT業界事業会社のデザイナー」に注目してみてはいかがでしょうか。

……とはいえ、IT業界に対して
「制作するのはバナーや画面のデザインだけ」
「スピード重視で、制作にあまりこだわれない」
「コーディングができないと入れない」

というイメージを持っている人も少なくないようです。実際はどうなのでしょうか?
今回、そんなギモンを「LIFULL HOME’S」等多数のサービスを展開する事業会社・株式会社LIFULLのデザイナーさんに尋ねてみました!デザイナーさんの業務は、ブランドづくりや広告など、多岐にわたるそうです。
イメージしていたIT業界のお仕事とは違う、あなたが探していたお仕事がここにあるかも!

編集・執筆 / YOSHIKO INOUE  写真 / YUKIKO OCHIAI
挿絵 / KANAKO HONDA

◎あなたが IT業界にもつイメージは?

■業務で扱うのはデジタル媒体だけなのでは?
■そもそもWEBデザインに触れたことがない。その面白さって?
■コーディングができないと……。デザイナーの必須スキルですよね?
■UI、UX、WEBデザイン。用語がよくわからない!
■ポートフォリオにWEB作品がないし、受からなそう……
■IT業界=激務のイメージ!

普段「デジタル媒体以外のデザイン」を学ぶ学生さんにリサーチしてみると、こんなギモンが返ってきました。そこで今回は、前半でアートディレクター・デザイナーのお二人にギモンをぶつけ、後半でCCOの川嵜さんに学生さんへのメッセージや選考に関するお話を伺います!

お話を伺ったのは、
「社会課題解決型企業」のLIFULLさん

株式会社LIFULL
「あらゆるLIFEを、FULLに。」をコーポレートメッセージに掲げ、ビジネス×テクノロジー×クリエイティブを駆使してさまざまな領域でサービスを展開するソーシャル・エンタープライズ(※社会課題解決型企業)。2017年に大々的なコーポレートリブランディングを行い、数々のキャンペーンやデザイン性の高いポートフォリオページなどが注目を集めている。
▼関連リンク
・コーポレートサイト https://lifull.com/
・不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME’S
・お花のサブスクリプションサービス「LIFULL FLOWER
・デザインポートフォリオサイト「LIFULL DESIGN
・自分らしい人生へ踏み出す人を応援するメディア「LIFULL STORIES

 

◎教えて下さい!IT業界ってこうじゃない?

ギモンにご回答いただいたお二人

田中 忍たなか しのぶ

多摩美術大学 情報デザイン学科を2012年度に卒業し、ネクスト社(現LIFULL)にデザイナーとして新卒で入社。2016年まで不動産・住宅情報サイトHOME’S(現LIFULL HOME’S)のブランディング、各種プロモーションを担当。社名が「ネクスト」から「LIFULL」に移行後は、コーポレート及び自社各サービスのブランディングを担当。現在は不動産領域を中心とする既存事業や、LIFULL地方創生やLivingAnywhere Commonsなど新規サービスのクリエイティブ開発に従事。

 

木下 香菜きのした かな

筑波大学芸術専門学群 情報デザイン領域を2017年度に卒業し、LIFULLにデザイナーとして新卒で入社。不動産・住宅情報サイトLIFULL HOME’Sの賃貸領域にてサービスのUIデザインや開発業務を行う。2018年にLIFULLのブランドデザインを行う部署に異動。現在は、LIFULLのオリジナルのフォントの作成、LIFULLのブランドをかたちづくるデザインガイドラインの策定など、LIFULLのブランディング業務を行う。

 

Q1.業務で扱うのはデジタル媒体だけ?

ビビビット:本日はよろしくお願いします!
さっそくですが、“IT業界のデザイナー”というと、デザインするのはWEBサイトやアプリなど、画面のデザインのみ……というイメージがあります。LIFULLさんはいかがでしょうか?

 

田中さん:弊社の場合は紙、映像、WEB、空間、プロダクトのアートディレクションまで、なんでもやります。基幹サービスはWEBサービスですが、各サービスのブランドコンセプトに沿ってさまざまな媒体のものを制作します。
例えば不動産領域の住み替えをサポートするサービス「LIFULL HOME’S」では、「したい暮らしに、出会おう。」というブランドテーマを掲げています。WEBサイトをデザインすることもあれば、CMやそれに付随するキャンペーンをディレクションすることもあります。

▼アートディレクターの田中さん

▼不動産・住宅情報総合サイト「LIFULL HOME’S

▼さまざまな暮らし方を紹介し、したい暮らしから物件を探せるサイト「LIFE LIST

 

木下さん:私は現在入社3年目なのですが、始めは「LIFULL HOME’S」のUIデザインをしていました。その後全社のブランディングを行う部署へ異動になりまして。今は弊社のオリジナルフォントを作ったり、ブランドのガイドラインを作ったり、それこそ多岐にわたるデザインをしています。
オリジナルフォントの制作は本当に楽しくて。WEB業界って、あまり字詰めがこだわれないとかそんなイメージもあると思うんですけど、フォント制作では本当に細かい、1ピクセルにも満たないようなところにこだわっていくんですね。すごく面白いです。

▼デザイナーの木下さん

ビビビット:フォント制作!意外です。どのように進行されるのですか?

 

木下さん:私含め、フォントの制作経験がある人が社内にそんなにいなかったので、始めは手探りで1つ1つの文字をつくっていって。それをフォントの作成ソフトに入れて調整していく流れですね。細かくリリースを分けて制作しています。
最初はLIFULLのロゴに使っているような太いウェイト、Heavyのみをリリースし、その後BoldとRegularを加え、合わせて3ウェイトを展開しました。現在は、さらなるブラッシュアップを続けている状況ですね。

▼木下さんが制作に携わったオリジナルフォント

Q2.そもそもWEBデザインに触れたことがない。その面白さって?

ビビビット:基幹サービスがWEBサービスですと、やはりWEBデザインも必須だと思います。先程の字詰めのお話然り、WEBデザインはグラフィックデザインなどに比べて自由に表現できない印象があるのですが……。
WEBの面白さとは、どんなところでしょうか?

 

田中さん:グラフィックデザインにずっと触れてきた人がWEBに感じる不自由さは、おそらくレイアウトの話じゃないかと思うんです。

紙だとキャンバスの中で自由に要素をレイアウトできますが、WEBデザインにはある程度の様式があります。「ロゴは左上に」とか、ユーザービリティを保つための制約ですね。
そんな制約がありつつも、ハードの進化によって現在はさまざまな表現ができるようになっています。「CSS Design Awards」など海外のサイトを見てみると、現代のWEBサイトというものが見えてくるんじゃないかな。映像やグラフィックがインタラクティブに表現されていて、本当に自由なんです。
また、ユーザーが直接触れることでさらに奥行きが出ることも、紙にない面白さだと思います。タッチすると別画面に遷移するとか、それを意図した方向に誘導するとか。

 

木下さん:私は、URLひとつでどこでも誰でもアクセスできるところがWEBの利点だと思います。見る・触れる場所が限定されない分、より大勢の人にアプローチできる媒体ですよね。
また、動きやアニメーションにこだわることもできますよね。弊社のデザインポートフォリオサイト「LIFULL DESIGN」では、TOPページのオブジェクトが不思議な動きをしたり、プロジェクトの詳細ページもスクロールに合わせて心地よいアニメーションがついていたりして。WEBだからこそできる表現だと思っています。

▼クリエイティブ組織の中から始まった「LIFULL DESIGN」の企画。最終形までに数多くのスケッチが重ねられたそう。

Q3.コーディングができないと……。デザイナーの必須スキルですよね?

ビビビット:動きを出せたりユーザーが触れることで変化が起きたりと、WEBならではの面白さがあるのですね!
そこで不安になるのが、コーディングについてです。LIFULLさんでは、デザイナーの方が実務でコードを書くこともあるのでしょうか?

 

田中さん:弊社では、コードを書くのは社内のエンジニアさんか、外部のパートナーさんです。デザイナーにとって大事なのは「デザインをこんなふうに表現したい」というイメージを正しく伝えること。WEB以外のデザインでもそうですが、ラフの時点でも、自分の中に完成イメージは見えていなきゃいけないですよね。その完成までの工程を一部別の人にお願いするわけで、自分だけが見えているイメージを正確に伝える必要があります。

 

田中さん:そこでコーディングの知識があれば良いですが、ないと一切伝えられないわけでもなくて。例えばアニメーションだったらAfter Effectsを使って動画で説明したり、WEBデザインなら1枚絵で仕上げて説明することもできますよね。手段はどうであれ、伝わることが第一です。
弊社では新卒のときにコーディングを行う機会があるのですが、そこでハマった人や楽しかった人はどんどん勉強してますし、一方でそれが仕事に不可欠ではないので、コーディングができないデザイナーもいますよ。

 

木下さん:私も自分でコードを書くことはほとんどないですね。先程の「LIFULL DESIGN」制作のときも、実装担当の方にスケッチを見せながら「こんな形だったら実現できそうですか?」「これだと処理が遅くなりそうですか?」なんて言いながらたくさんコミュニケーションを取りました。

 

ビビビット:コーディングができるかどうかよりも、「実現したいデザインを正確に伝えられる」ことが大事なのですね。
ちなみに「コーディングの知識は最低限あれば良い」とよく聞くのですが、それはどれくらいなのでしょう……?

 

田中さん:なかなか難しい問題ですよね(笑)。コーディングってある程度知識をつけてからが奥深くて、これぐらいできたら大丈夫だよというのが言い切れないんです。WEBデザインをするうえで……というところで言うと、HTML・CSSのベースの考え方があれば大丈夫じゃないかな。

 

Q4.UI、UX、WEBデザイン。用語がよくわからない!

ビビビット:続いての質問です。UIデザイン、UXデザイン、WEBデザイン……これらの用語をよく聞くのですが、それぞれについて教えていただけないでしょうか。

 

田中さん:そうですね。WEBデザイン、UIデザイン、他にもインタラクションデザインとか、たくさんの言葉が出てきますよね。
UXデザインの中にUIデザインがあり、WEBデザインは、一般的にはWEBサイトのデザインを指します。
UXデザインは、「ユーザー体験をデザインする」こと。もはやWEBやデジタル媒体に限りません。プロダクト製品もそうですし、サービスの仕組みをデザインすることもUXデザインです。
UIデザインは、ユーザーインターフェイスデザイン。人が相対するすべてのインターフェイスなんです。例えば自動販売機のボタンも、電子レンジやプリンタの操作画面もそうです。
WEBデザインは、そういった広い概念の中の一部で。インターネット上にあるWEBサイトのデザインのことです。スマートフォンのアプリケーションはWEBサイトではないので、ここではWEBデザインではなくUIデザインとなります。端的には説明しきれないところですが。

▼UXデザイン、UIデザイン、WEBデザイン

 

田中さん:募集要項に出てきた時は、「その会社では何をデザインしているのか」という事例を見ると良いと思います。WEBデザインと書いている事業会社はおそらくWEBサービスを運営している会社で、さらに制作会社であれば事例の中にWEBサイトが多いんじゃないかと。対してUIデザインと書いている会社は、アプリケーションとかもう少し幅広くやっている会社である可能性があります。
そういった微妙なニュアンスの違いを使い分けて表記されていると思うので、いろんな会社の事例を見てみると良いと思います。

▼田中さんが携わっているサービスの数々

 

Q5.ポートフォリオにWEB作品がないし、受からなそう……

ビビビット:わかりやすくご説明いただき、ありがとうございます!
ここからは、ポートフォリオについてお尋ねします。事前リサーチでは、「WEBのお仕事に興味を持っても、WEB関連の作品がないと受けてもうまくいかなそう……」という声もありました。

 

木下さん:弊社の場合は、WEB制作経験があるから採用するというより、作品に至るまでの着想や過程の部分を見ています
選考で作品を見せたとき、よく「どうして作ったの?」と聞かれたのを覚えています。

 

田中さん「何を作ったか」だけでなく「なぜこれを作ったか」という、着想が大事だったりするんですよね。例えばポスターのデザインであれば、そもそも何のためにポスターを作るのか。その目的が「人々の関心や注目を集めるため」であれば、ベストな形はポスターかもしれないし、そうじゃないかもしれない。本質的な課題が何で、その解決策は何なのかをきちんと考えられていることが重要だと思います。

 

ビビビット:ありがとうございます。お二人はどのようなポートフォリオをつくられましたか?

 

木下さん:私は面接で「課題解決するためにデザインしていきたい」ことを絶対に伝えたいと思っていて。業界によって作品の順番などはかえてましたが、伝えたい部分はぶれないようにしていました。どんな作品があるのかぱらぱらと見られるようにしつつ、深堀りしたいところは開いてお話できるようなつくりにしましたね。どこを担当したとか、課題に思ったところ、面白かったところなどを書きました。

▼学生時代に制作されていたフリーペーパーも見せていただきました!

田中さん:選考に実物をたくさん持っていって実演していたので、ポートフォリオはプロセスを説明するために使っていましたね。プロダクトや展示のディレクション、WEBデザイン、映像制作……作品のジャンルは複数ありましたが、自分の考え方やどういった経緯で作られたかをメインに書いていました。一番大事なのは、自分を見てもらって本当に縁があるかを判断してもらうことだと思っていたので、ありのままを載せました。
ポートフォリオって、その人の生き写しというか、人となりが現れるものだと思うんですよ。「この人は本当につくるのが好きなんだな」とか、「この人は作品に本当に愛情を注いでつくったんだな」ということがわかるようなポートフォリオになると良いのではないでしょうか。

 

Q6.IT業界=激務のイメージ!リアルが知りたい

ビビビット:最後の質問です。学生さんからは、「IT業界は激務で、夜までずっと働いているイメージ」という声もありました。実際のところ、LIFULLさんはいかがですか?

 

田中さん:そんなイメージがあるんですね(笑)。うちはフレックスタイム制なので、働き方を自由にコントロールしやすい環境なんじゃないかなとは思います。
デザイン組織の中だと、業務を詰め込もうと思えばどこまでも詰め込めますが、デザイナーとしての成長を考えると仕事以外の経験やインプットもすごく大事なんですよ。会社としてもそれを推奨しているし、「今日は16時にあがってみんなで展示を見に行きました」なんてレポートがあがってくることもありますよ。

 

木下さん:毎週金曜日は会社をちょっと早めに出て、英会話に通っている先輩もいらっしゃいますね。たくさん働きたい、ごりごりやりたい!って人はいろんなことをしているイメージです。

 

田中さん:僕は入社当時から「とにかくたくさん働きたい!仕事くれ、仕事くれ」というタイプだったので、むしろ上司から「帰れ!」と怒られていました(笑)。
挙手すれば任せてもらえる環境なんですが、業務が増えすぎてオーバーワークにならないよう、上司にコントロールしてもらっていました。

 

ビビビット:ありがとうございます。
最後に、これから就職活動を行う読者の方へメッセージをお願いいたします!

 

田中さん:就職活動を利用して「なぜデザイナーになりたいのか、デザイナーとして何を大事にしていきたいのか」を見つけてもらいたいと思います。それが見えてきたら、きっと本当に自分に合った会社に出会えるはずです。なので、就職活動で成功することを目的にするのではなく、まずは1番大前提の部分に立ち返ると良いんじゃないかと思います。

 

木下さん:今って、本も紙から電子書籍に変わっているし、いろんなメディアの転換期かなと思っていて。その状況で、メディアをしぼって進路を考えるのもありだと思いますが、「自分が何をしたいのか」を掘り下げて、そこで自分が一番幸せだと思う道に進めたら良いのかなと思います。
私も、弊社ではメディアを限定せずにWEBや印刷、フォントづくりなど、多様なことができるので、どんどん成長していくのを感じていて。私は良い決断をしたなと思っています!

 

ビビビット:田中さん、木下さんありがとうございました!

 

 

普段WEB以外のデザインに取り組む学生さんのギモンをぶつけてみましたが、あなたのイメージは変わりましたか?

◎まとめると・・・
■LIFULLさんのデザイン業務は多岐にわたる!(紙、映像、WEB、空間、プロダクト、オリジナルフォント作成など)
■WEBデザインは、ユーザーが直接触れるデザイン。
自由なデザインの事例をたくさん見てみよう!
■コーディングスキルは必須ではない。
「実現したいデザインを正確に伝えられること」が重要。
■UIデザインやWEBデザインなど、求人票でわからない用語が出てきたら、制作事例を見て比較してみよう!
■ポートフォリオにWEB作品があるかないかで悩まないで。
「どんな課題を、デザインでどう解決したか」を伝えよう
■LIFULLさんの勤務体系はフレックスタイム制。
仕事以外の経験やインプットも、デザイナーの成長に大事。

ここからは、CCOの川嵜さんに就職活動を控える方へのメッセージや、選考について伺います。デザイナー志望の学生さんは、必見です!

◎デザイナーを志す学生へメッセージ
LIFULL CCO川嵜さんインタビュー

川嵜 鋼平かわさき こうへい

2017年LIFULL入社。同社執行役員CCO(チーフクリエイティブオフィサー)として、ブランド戦略、ブランドデザイン、プロダクトデザイン、マーケティング、コミュニケーションデザイン、新規事業、研究開発など、グループ全体のクリエイティブを統括。またクリエイティブ組織の戦略策定・育成・採用など、組織づくりも担う。最近のプロジェクトに、LIFULL企業CM「しなきゃ、なんてない。」、Earth Cuisine「Eatree Plates」などがある。Cannes Lions金賞、One Show金賞、Clio Awards金賞、Spikes Asiaグランプリ、ADFESTグランプリ、文化庁メディア芸術祭優秀賞、コードアワードグランプリをはじめ、国内外の170以上のデザイン・広告賞を受賞。

 

ビビビット:川嵜さん、よろしくお願いします。これからデザイナー職で就職活動を行う学生さんに、アドバイスをいただけますか。

 

川嵜さん:“かっこいいものを作りたい”“美しいものを作りたい”という視点も当然重要ですが、本当に社会を変えたい・世の中を良くしたいと考えている方は、自分のものづくりを「デザインで社会課題を解決する」という視点で見直すと、成長につながるのではないかと思います。いわゆるポスターの課題だったら、「ポスターの表現として成立しているか」という視点に加え、「この先の社会をどう変えられるか」も加えられると良いと思うんですね。

 

川嵜さん:日本はビジネスモデルや技術力で成長してきた企業が多いですが、これからの時代、実はデザインが一番重要になってくるものだと思っていて。デザインで、そこにしかないブランドの価値や愛着感を作れると思うんですね。
なので今後、社会課題を解決する視点でのものづくりがより求められていくと思います。2020年にはオリンピック・パラリンピックがありますし、「グローバル」「ダイバーシティインクルージョン」という視点も重要なキーワードになってくるでしょう。そんな視点を持ち、学業や就職活動に取り組まれると良いのではないでしょうか。

 

ビビビット:LIFULLさんのデザイナー選考では、どんなところを見られていますか。

 

川嵜さん発想力・表現力・実行力の3つの力と、弊社のカルチャーやビジョンにフィットしているかどうかを見ています。
まず発想力について、学生時代は専門領域を極めていくことも必要ですが、その手前の“発想する力”を鍛えることも重要だと思うんですね。コンセプトメイキングやそのための調査、消費者にどう感じてほしいかなど、手を動かす前段階の考える力が鍛えられていれば、どんなアウトプットでもどんな媒体でもデザインできるのではないかと思います。
そして、表現力ももちろん見ます。アイディアは誰でも出せますが、それを実現するための表現力はトレーニングだと思うので。文字を美しく組むだとか、グリッドに沿った美しいUIをつくるだとか。クラフトマンシップの部分ですね。
あとは実行力。これはプロジェクトを推進する当事者意識や、世に出したときにどんな成果をあげているかという部分。この3つの力を見させてもらっています。

 

ビビビット:ポートフォリオづくりでの重要なヒントとなりそうです。
面接ではいかがですか?

 

川嵜さん:そうですね。ポートフォリオを見れば発想・表現・実行の「表現」についてはだいたい見ることができるので、面接ではその裏側にあるクリエイティブのプロセスのほうを重点的に見させてもらっています。
やっぱり「最終的なアウトプットに至った経緯」の部分が、その人が成長するかどうかのポテンシャルを一番見られるところなんですね。なぜそのアイディアが生まれ、それに対してどんな検討があり、行動をして、結果にどうつながったのか。そこを通して、どういうキャリアが描けるかが見えるかなと思っています。

あと、面接のときは「将来どうなりたいか」もお聞きします。キャリアビジョンや3年後・5年後どうなっていたいかを尋ね、弊社のビジョンと合致しているかを見させてもらうんですね。目指している方向性がフィットしていた方が学生さんも将来を描きやすいでしょうし、弊社としても戦力になるなと感じます。そこがマッチしているかは重要だと思いますね。

 

ビビビット:質の高いアウトプットだけでなく、プロセスやコンセプトについての説明も準備しておく必要があるのですね。
貴重なお話をありがとうございました!

◎新卒採用情報はこちら!

今回お話を伺った株式会社LIFULLさんは、デザイナーの新卒採用を行っています。デザインで社会を変えたい・世の中を良くしたいと考えている方は、ぜひ応募してみてください!
株式会社LIFULL | 新卒採用情報 | ViViViTの採用ページ

 

(2020.1.31)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。メディアを通し、制作活動やデザイナーの就活に役立つ情報を発信していきたいです! Twitter
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