照明デザイナーって何?|仕事百科

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みなさんは『照明デザイナー』という職業をご存知でしょうか?WEBデザインやグラフィックデザインに比べると派手な仕事ではありませんが、意外にも照明デザイナーが手がけたものにみなさんが触れる機会は多いです。そこで今回は、空間を演出するのに欠かせない照明デザイナーという職業についてご紹介します。
編集・執筆 / tamachanz, AYUPY GOTO
イラスト / Miyagi Takumi

目次

  1. 照明デザイナーとは
  2. 光がもたらす効果
  3. 必要なスキル
  4. 仕事にするには
  5. 作品の紹介
  6. 最後に
  7. 1.照明デザイナーとは

    照明デザイナーとは、光量や光の色などを計画し、空間を演出する職業で、大きく分けて以下の3つの種類に分類することができます。

    演出照明デザイン(演劇やドラマ、イベントなどのライティング)
    照明器具デザイン(建築物の中にある照明や、建物内の空間を照らすプロダクトのデザイン)
    環境照明デザイン(街中の街灯やランドマークのライトアップ、イルミネーションなどの照明を計画する)

    ◉需要はあるの?


    照明デザイナーの仕事は、インテリアとしての照明道具から、コンサート会場の演出設計まで多岐に渡りますので、活躍できる場は現在でも多くあります。

    2.光がもたらす効果

    照明デザインの要となる光、ただ明るいだけではいけないのでしょうか?実は光が人間の気持ちや体に及ぼす影響は大きく、例えば飲食店で、ほのかな光で作り出し素敵なムードを演出したり、ライブで曲のリズムに合わせてかっこよくライティングしたり、東京に住まれている方であればよく見ているであろう『東京タワー』のライトアップまで照明デザイナーの仕事です。照明デザインは人の心を動かし、人々に影響を与える職業であると言えます。

    3.必要なスキル

    照明デザイナーになるために必要な資格や法的試験はありません。
    しかし、仕事として照明デザインを続けていく場合、センスや知識が必要になってきます。そこで、ここでは照明デザイナーを仕事にする上で必要なスキルをいくつかご紹介します。

    ●協調性

    照明デザイナーは、ライブ演出の際はもちろんのこと、ライトオブジェの設計の際は、依頼者を納得させるために何度も話し合いを重ねるといった場面があります。社会に出ると、個人作業というよりはグループワークなので、協調性を身につけておくことが望ましいです。

    ●建築空間に関する知識

    照明はただ照らせばいいわけではなく、建築を利用する人やそこに暮らす人の暮らしに寄り添った光を調節しなければなりません。
    そこで、建物の構造を模型などを作って理解し、ライトの種類によって違う光の広がり方を目的に応じてうまく利用しなければなりません。

    ●プロダクトデザインに関する知識

    インテリアとしての照明器具(ライトオブジェ)を作る際に、必要となってくるのがこのスキル。照明デザインはプロダクトデザインに通ずる側面も持ち合わせています。また、プレゼンの際説明しづらい光ですが、昨今、ライティング業界で主流となっているプレゼンの仕方は、CGや模型を使っているそうです。
    精巧に作られた模型は、本物の建築空間の写真ではないのかと見間違えるほどリアルです。

    ↓模型↓

    引用:http://www.d-laboweb.jp/special/sp169/

    ↓現場の写真↓

    引用:http://www.d-laboweb.jp/special/sp169/


    ●照明機材に対する知識

    舞台演出の際は、霧を人工的に発生させるスモークなどと並行して使われることが多い照明器具。機材の配線やスイッチの場所、様々ですが、撮影や演出で使用する照明器具の知識も持っていなければいけません。インテリアとしてのライトオブジェを作るデザイナーも、素材であるLED照明や蛍光灯、白熱電球の違いなど、自分が作りたい作品の雰囲気に合った素材を選ぶためにも、多くの種類を知っておくことが大切です。

    ●色彩感覚

    ライブ演出では照明の色によって曲が持つ雰囲気を最大限引き出すことができます。冬の歌の時は寒色、恋の歌の時はピンク系など、色が持つイメージはたくさんあります。その他にも、光は印刷物と違って混色するとどんどん白くなっていくので、配色も重要です。

    4.仕事にするには

    冒頭でも書いたとおり、照明デザイナーといっても種類は様々です。
    インテリアとしての照明器具のデザイン制作、店内のライトオブジェ・配光計画、都市のランドマークのライトアップなどの環境照明等の仕事がしたいという場合は、インテリア系のデザイン事務所や建築事務所に入社します。
    また、上記の二つと比べると舞台照明の仕事は扱う機材や配線の仕方、演出の方法など、現場で学ぶことが多い職業です。そこで、最初は制作会社で舞台演出のアシスタントとして経験を積んでから、徐々に大きな仕事をもらっていくのが一般的です。基本的に機材を扱う裏方の職業なので、専門学校で学ぶ人がほとんどです。

    ◉照明デザインの仕事を扱う会社

    • ・有限会社ライトデザイン
    • ・共栄デザイン
    • ・株式会社ミューズ・ディ
    • ・WORKTECHT CORPORATION
    • ・aeco light 株式会社
    • ・内原智史デザイン事務所
    • ・株式会社 LEM空間工房
    • ・パナソニック……等

    5.作品の紹介

    洗練されたデザインのプロダクトは、お部屋の雰囲気を十分左右します。
    中でも照明器具は、お部屋をライトアップするという役目以外にも、部屋に置いた時の見た目がおしゃれだったり、ユニークだったりすることで、人の気分を高める効果があります。そこで次に紹介するのは、飾ると部屋がグレードアップするような素敵な照明たちです。

    ・共栄デザイン「LIQUID LAMP table lamp」

    バケツからペンキが溢れるイメージを形にしたランプ。
    時間を一瞬止めたかのような不思議な作品です。
    中のインクの色は赤と白の二色があり、赤色は部屋におくと差し色になるかもしれませんし、白は部屋にうまく溶け込むと思います。


    ・100%「Lamp/Lamp LED」

    電球モチーフのLEDランプ。職人さん手作りの高品質の電球であることもさながら、電球が火傷するほどの高温になることはないので、小さいお子様がいる家庭でも安心してお使いいただけます。
    本来は隠れているはずのソケット部分が見えているところが可愛らしい作品です。

    ・TALIESIN 2

    世界的な建築家、フランク・ロイド・ライトが設計した照明器具の正確な復刻シリーズです。
    積み重なった木のボックスが温かみのある空間を生み出すライトです。

    ・ARTWORK STUDIO「Ceramic brick」

    積み重なったレンガから光が溢れるこちらの照明は、ヴィンテージ風にまとめられた部屋に合いそうなインテリアです。複数設置すれば、部屋に統一感がでると思います。

    ・「HOOP(フープ)」

    2枚の金属板を輪にしたシンプルな間接照明です。シンプルながらも有機的な曲線はどんなインテリアにも溶け込んでくれるでしょう。

    6.最後に

    今回はインテリアとしての間接照明を中心に、照明デザイナーの仕事についてご紹介しました。
    光は空間をデザインする上で大変重要な要素の1つですので、照明デザイナーの需要は一定数確保されています。これから冬本番、街はイルミネーションで溢れかえることでしょう。作品に光を使った演出を取り入れたいという方にも、この分野に興味を持っていただければ幸いです。

    (2017.10.26)

    著者

    たまちゃんズ

    多摩美術大学でメディアアートを学んでいる1年生です。 趣味は何も書かれていない紙を眺めることです。

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