フォトグラファーって何?|仕事百科

街で見かけるポスターや看板、アイドルの写真集、息を呑む美しい景色の写真。それらを撮影しているのは全て「フォトグラファー(カメラマン)」と呼ばれる職業の方々です。
今回は、そんな多種多様なフォトグラファーの仕事や、フォトグラファーとしての就職の仕方について詳しくご紹介します。
編集・執筆 / Sakura Shindo, AYUPY GOTO
イラスト / Miyagi Takumi

目次

  • 1. フォトグラファーって何?
  • 2. フォトグラファーの仕事内容
  • 3. フォトグラファーになるには
  • 4. 最後に


1.フォトグラファーって何?

フォトグラファーは、写真を撮ることを職業にしている人の総称です。しかしひとくちに写真といっても、写真館で撮る証明写真や海外の秘境で何日もかけて撮る写真まで、表現はさまざまです。無限に細分化できてしまいますが、ここでは商業型・ドキュメンタリー型・芸術型の3つに分けて説明していきます。

■商業型
広告やファッション誌に掲載されるモデルを使った人物撮影や、商品を撮影する「ブツ撮り」、写真集用のグラビアなどを撮影するお仕事。写真スタジオでの家族写真や、結婚式で写真を撮る人もここに含まれます。
基本的に「依頼を受けてから仕事が発生する」という特徴があります。

■ドキュメンタリー型
事件や事故を撮影する報道カメラマンや、芸能人を追いかけるパパラッチ、スポーツ専門の撮影などを行うのがドキュメンタリー型です。起こっていることを逃さず、わかりやすく撮影する技術が必要になります。
価値があると判断された写真だけが買われたり、掲載されたりします。戦場カメラマンなどもここに分類されるでしょう。

■芸術型
広告や報道に使用する目的ではなく、個人の個展や写真集の出版などを行い、写真そのものの美しさやかっこよさを追求するのがこのタイプです。
画家と似ており、才能やセンスが必要な一種の創作活動と言えるでしょう。

カメラマンとの違いは?
フォトグラファー、カメラマン、写真家など、写真撮影を行う人には呼び方がいくつか存在します。芸術型はフォトグラファー、専門性が高いと◯◯カメラマンと呼ばれる傾向にありますが、厳密な意味の違いはありません。しかし海外では、写真撮影を行う人は一般的にフォトグラファー(photographer)と呼ばれているようです。


2.フォトグラファーの仕事内容

フォトグラファーは、撮影以外の部分でもいろんなお仕事があります。
ここでは写真を撮ること以外の仕事内容についてご説明します。

■仕事を受注する

会社に所属している場合は必要ないかもしれませんが、フリーランスであればここが最も重要なお仕事とも言えます。
知り合いのツテを頼ったり、SNSを駆使したり、さまざまな方法で仕事を獲得します。作品撮りをしてポートフォリオをつくる、技術を磨くための勉強など、クライアントから声がかかるまでもいろいろと準備できることがあります。
仕事を依頼されたら、金額の交渉なども行います。

■撮影準備を行う

撮影対象の下調べや、写真の構図の設定、機材は何が必要かを考えます。クライアントからの依頼内容や要望があいまいな場合もあるので、「全部おまかせで」と言われても対応できるよう、継続的に勉強して構図や機材の知識を蓄えておく必要があります。

■撮影の進行

対象が人物の場合は、フォトグラファーがうまく誘導して、撮りたいポーズや表情を引き出す必要があります。
また決められた時間内で、周囲のスタッフに指示を出しながら納得いくものを撮影しなければならないので、総合的な進行能力が必要となるでしょう。

■撮影した写真の整理と編集

膨大な量の写真を全て公開したり、クライアントに送ったりするわけにはいかないため、撮影した写真は取捨選択する必要があります。
また、加工ソフトで編集をすることもあるので、LightroomやPhotoshopなどを使えるようにしておくと良いでしょう。

■撮影機材の管理

撮影に使う機材は、どれも高価で精密、そしてデリケートです。使うたびに汚れを拭き取り、保管の際は防湿庫にしまうなどの手入れをしなければなりません。


3.フォトグラファーになるには

フォトグラファーには資格が無いため、なろうと思えば誰でもなれます。まずは名乗ってみるのも良いですが、ここではプロになるための方法をいくつかご紹介します。

まずは基礎を学ぼう
プロのフォトグラファーを目指すには、まず基礎知識が必要です。

■学校に通う
専門学校や大学など、写真を学べる学校は多くあり、基礎から学びたいという方には適しています。求人情報が手に入りやすいメリットもありますが、全員がすぐ職業にできるわけではありません。学校に通いながら、どんな手段でどのようなフォトグラファーになりたいかを考えることが重要です。

■趣味で始める
趣味がきっかけでフォトグラファーになったという方も多くいるでしょう。本やインターネットを使って独学で学び、だんだんと仕事を得て職業にする場合もあります。

基礎を学んだ後は
基礎知識を手に入れた後は、さまざまな方法でプロを目指します。

■スタジオで働く
アルバイトまたは社員として入社し、撮影スタジオのスタッフとして働きます。プロの仕事を間近で見られるので、技術を学ぶには良い環境です。ただ、すぐに撮影を任せられるわけではないため、プロの仕事を見て学び、それを実践するには仕事以外の撮影時間を確保する必要があります。
その後プロのアシスタントになったり、コネを作って小さな仕事をもらうことからスタートしたりできるかもしれません。

■アシスタントになる
既にプロとして活動しているフォトグラファーのアシスタントとして働きます。
さまざまな現場に赴いて、知識や経験を身につけることができます。師弟関係のようになるため、師匠の立場となる相手との相性が重要となります。また給与も保証されていないため、事前によく確認しましょう。

■社員として就職する
社員として新人を募集している事務所も多くあります。フォトグラファーだけの会社や、ブライダル会社の撮影スタッフ、新聞社の報道カメラマンなどです。
給与が最も安定しているので、まずは社員を望む人も多いでしょう。

■個人のSNSなどで発信する
近年は、SNSを使って自分の作品を発表することができます。多くの人の目にとまれば、学生でも仕事を依頼される可能性が大いにありえます。
全く異なる仕事に就いたとしても、こうした方法で夢の実現を目指しても良いかもしれません。


4.最後に

フォトグラファーは、1枚の写真で人の心を動かすことができる、夢とやりがいのある職業です。そのぶん他の職業に比べて仕事にするのが難しいように思えますが、紹介した以外にも、プロへつながるルートはたくさんあります。固定概念にとらわれず、自分なりのやり方で目指してみてはいかがでしょうか。
目の前の美しい瞬間を切り取ることから、始めてみてください。

(2018.8.17)

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