デザイナーの就職活動と聞くと、ポートフォリオ制作を思い浮かべる人が多いと思います。就職活動を始めるにあたって、まずは自分のポートフォリオを完成させてから書類選考に応募して…なんてプランを考えてはいませんか?そのプランが間違っているわけではありませんが、その進行方法では気づいた時には既に周りに差をつけられているかもしれません。就活に成功するデザイナーの行動にはある秘訣があります。ポートフォリオを完成させる前から、就活は始められるんです。
この記事は納得できる就職がしたいという方向けの保存版となっています。ぜひ就職活動の参考にしてみてください。
編集・執筆 / ASAMI KIMURA, AYUPY GOTO
- ・就活に不安がある人
- ・確実に就活を成功させたい人
- ・志望業界/企業/職種への就職に向けて行動したい人
- ・要領よく就活を終わらせたい人
ー 就職成功の秘訣はズバリ…就活中の成長にアリ!
就職を成功させるデザイナーになるためには、就活開始時点のデザイン能力がすべてではありません。むしろ就職活動を通してどれだけ成長したか、その伸びしろがアピールポイントになることもあります。
また、どれだけ自分の就職活動に対して真剣に考えているか、自己分析ができているかも重要な要素です。これらは就活を続けるうちに変化していくことも普通です。
以下ではスキル面と精神面、この二つを引き上げていくデザイナー就活のポイントを述べていきます。
就職活動期の成長を促すサイクルはこれ!
ステップ1: とにかく行動からはじめる
ステップ2: 経験から得たものをすぐ活かす
ステップ3: ブラッシュアップされた自分でさらに動く
ステップ1: とにかく行動からはじめる
ポートフォリオを完成させることにこだわらず、まずは企業の開催するセミナーやハッカソン、インターンシップなどに足を運んでみることからはじめましょう。例えばインターンにしても、長期間のプログラムではなく、1dayインターンシップや、2〜3日間のプログラム参加で構いません。
なぜ、ポートフォリオの準備が万全になる前にでも行動したほうが良いのでしょうか?
それは、そのほうが圧倒的に成長効率が良いからです。これらのイベントに参加するとおそらく何らかの挑戦をすることになります。挑戦はただ経験を積むよりも非常に成長に有効ですが、なかなか一人でできる人は多くありません。そこで、ある意味強制的に自分に挑戦の機会を与えるのです。
一度挑戦をすれば、その後の"自分"は"以前よりも成長した自分"でいられます。成長前の自分と後の自分…、作れるものも自ずと変わりますし、どちらがより魅力的な就活生であるかは明らかです。早めの行動で成長した自分をいち早く手に入れてしまい、その後の就活に活かしましょう。
以下はその具体的な方法の例です。
インターンは参加応募そのものにポートフォリオが必要になると思いますが、その時点でのクオリティはあまり問題ではありません。特に早い時期であればあるほど、多くの企業でポートフォリオの出来ばかりを優先することはしないでしょう。どちらかというと「何を求めてインターンシップに応募したのか」といった面が確認されるように思います。
早期からインターンに参加すれば、以下の様なメリット
・成果物としてポートフォリオの内容が増やせる
・グループワークの経験を積むことができる
・他の就活生とふれあうことで、自分の強み・弱みを知ることができる
を、その後の活動に活かしやすくなります。
就活に不安があるならば、このようにチャンスが巡りやすい早期に先手を打つのが吉です。まだ業界や職種を迷っていても構いません。自分の将来を考える第一歩としてインターンの場を活用しましょう。
(→インターンシップ(通称:インターン)って何?|仕事百科)
実は、就活本番前にも企業の人事担当者やデザイナーにポートフォリオの講評を受けられる機会があることを知っていますか?会社説明会のあとに付属のプログラムとして用意されていたり、会社訪問をした際に見てもらったり、就職支援イベントにおけるポートフォリオ選考会というものも存在します。
このような場を見つけたら臆さずに行ってみることをオススメします。もしその際にポートフォリオが作りかけだったなら、この機会に合わせて頑張って作りあげましょう。必ずしも万全の状態にできないとしても、まずは一度完成させるということが大事です。仮でも良いので完成の状態にして、アドバイスを受けられるようにすることに意味があります。
講評では単に自分のポートフォリオに対する改善だけではなく、企業ごとに求められるスキルや特性を知ることができます。ポートフォリオに寄せられるアドバイスの種類によって、その会社では何が求められるかが明確になります。アドバイスに関わらず現場のデザイナーと直接話ができることで、自分とその会社との相性の参考にすることも可能です。
ポートフォリオ選考会のようなイベントには複数の企業が集まり、一度参加するだけで何社からもポートフォリオを講評してもらうことができるため、非常に有効な時間を過ごすことができます。
自己分析は「考える」作業だと思いがちですが、意外と人に「話す」ことによって自分では気付かなかった部分が分かる場合が多々あります。懸命に考えをまとめたと思っても、実際に「それは何故?」「どうして?」と問いかけられると答えられなくなるものです。面接本番にそのような事態になってしまったら焦ってしまいますから、前もって誰かに聞いてもらうのが一番ですね。
そうはいっても、周囲の知り合いに相談するのは恥ずかしかったりしてなかなか難しいのではないでしょうか。そこで選択肢として、説明会、懇親会などを通して出会った社員さんに話を聞いてもらうことができることを覚えておきましょう。
中でも、人事担当の方はいろんな就活生を見てきていますから、漠然とした悩みにも上手くアドバイスをしてくださると思います。逆に具体的な業務内容に対する質問やそのやりがいなどが知りたければ、希望職種の社員さんに尋ねると良いです。出会ったその場以外の機会では、会社訪問をして話を聞いてもらうということが可能かもしれません。
ステップ2: 経験から得たものをすぐ活かす
いち早く行動をして良い経験を得られたら、そこで燃え尽きずにすぐに次のステップに行きましょう!
最も優先すべきなのは、行動した先で考えたこと、気付いたことをノートなどにメモしておくことです。どんな気付きでも記録して置かないと、目の前のやることに注意を奪われているうちにいつの間にか頭から抜けてしまうものです。
メモされたものはそのまま「やることリスト」「考える事リスト」になります。
例えば…
デザイナーのインターンでは、グループワークなどで何かを作りあげることも多いはず。インターン中に作ったものはすぐにポートフォリオの1ページとしてまとめましょう。日にちの経たないうちにまとめることによって、どういう過程で出来上がったのかまで詳しく説明するポートフォリオにできます。
あるいは、インターンの時間内では納得が行くまで作れない場合もあります。そういうときはさらに自分で手を加えたものを完成させ、そこまでを含めてポートフォリオに載せてしまいましょう。向上心や妥協しない姿勢のアピールになります。
講評でもらったフィードバックはそのままにしておかず、些細な事でもすぐにやることリストにして消化していきましょう。そうすれば、次に誰かに見せるときには進化したポートフォリオを出すことができます。
例えば、ポートフォリオに使うファイル。始めのうちは間に合わせで100均ファイルを使うこともあると思いますが、中身がしっかりしてくると外側の見た目に関しても指摘されるようになります。そのとき絶対に製本までしなければいけないわけではありませんが、なるべく早くファイルをグレードアップするなどの対処をしてみてください。きっと印象が変わることが実感できると思います。
自己分析のための相談にのってもらえたら、内容を整理してその時点での自分の答えを確定させます。そのあとは合わせてエントリーシートや面接で聞かれる内容を想定して、作りおきの回答を随時更新しておくと良いです。急なエントリーにも対応する準備になります。
ステップ3: ブラッシュアップされた自分でさらに動く
ステップ1,2を踏んだら、最初にポートフォリオだけ作って就活に挑もうとしていた自分ではありません!ですが、レベルアップしたことを実感するためにはそこで動くのをやめてはいけません。さらに行動を続けましょう。特に長期のインターンを終えた後などは、やりきった感覚でその後に何をすべきかわからなくなることがあります。そんな時は少しだけ休んで、次に自分ができる挑戦を探しましょう。
以上のようなサイクルを就職活動期に繰り返して行くことによって、志望企業の選考を受ける頃には活動はじめよりもずっと成長した自分になっているはずです。もっとも、何度行動をしても完璧になるということはありません。それでも、一度よりは二度、二度よりは三度と挑戦を繰り返すことで、その時期が自分にとって就職活動のためだけではない、今後の有意義な経験とすることができます。
ー 最後に
いかがでしたか?
冒頭に「この記事を読んでも参考にならないかもしれない人」として書きましたが、この方法は決してスマートなやり方というわけではないと思います。ですが特別難しいことも言っていません。「就活で後悔をしたくない」「結果に納得したい」「どうしてもクリエイティブ職に就きたい」という方は、一つの方法として参考にしてみてください。
(2015.12.5)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア