今回紹介させていただくのは、株式会社ディー・エヌ・エーでUIデザイナーとして働く寿福まりかさんの就活ポートフォリオです。寿福さんはポートフォリオを制作する前に、国内外問わずたくさんのポートフォリオや雑誌を見てレイアウトやデザインを研究していました。常に見る側の視点を意識しながら、ポートフォリオのサイズや紙質にもこだわっています。
UIデザイナー目線で制作されたポートフォリオをさっそく覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE,AYUPY GOTO
寿福 まりかさん
じゅふく まりか
UI Designer
多摩美術大学情報デザイン学科卒。
2015年にUIデザイナーとしてDeNAに入社。
PICKUP!
まず、ポートフォリオの中でこだわったページやポイントを教えていただきました。
【こだわったポイント①】CJM(カスタマージャーニーマップ)を載せたページ
寿福さん:CJM(カスタマージャーニーマップ)とは、顧客の行動・心理・感情を時系列に可視化したもののことです。学校課題で制作した際にラフ描きなども残していたので、制作過程に沿って細かく載せています。
【こだわったポイント②】制作ツールなどまとめて掲載
寿福さん:ポートフォリオを構成する際、制作に使ったソフトや制作期間など見て欲しい情報はまとめてページの左部分に掲載しました。こうすることで、ページの中でごちゃつかずスッキリ見せられたと思います。
インターン先の仕事のように複数人で制作したものは、自分の担当箇所はどこなのかも記載しています。
ポートフォリオ一問一答
●制作した時期
大学3年の冬
●コンセプト
制作プロセスをわかりやすく伝える
●掲載した作品内容
ウェブデザイン、アプリデザイン、グラフィックデザイン、学校課題の制作物、写真作品(フォトグラファーを目指している時期があったため)
●サイズ
A4
●ポートフォリオの制作プロセス
①海外のポートフォリオ作品を沢山見る
②おしゃれな雑誌をたくさん読み込み、見出しのつけ方や表現方法を勉強する
③雑誌を参考にしながらIllustratorでテンプレートを制作
④テンプレートに写真やテキストを流し込み、仕上げる
●印刷・製本方法
A4サイズの普通紙に印刷し、第一志望だったDeNAのコーポレートカラーに近いピンクのクリアファイルに挟み込み
▼始めはサイズも紙の種類も別のものだったが、重く見づらくなったため、A4サイズの普通紙に変更した
●制作中に参考にしたもの
YouTubeの雑誌版のようなサイト「ISSUU」の中で検索して、表示されたポートフォリオや、雑誌「GINZA」「OZ TRIP」「MENS-NONNO」などを参考にした。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
ポートフォリオを制作する前に、まず自分が何を制作している時に一番ドキドキするかを追求し、何のデザイナーになりたいのかという答えを出してみてください。その後、ポートフォリオを読む人は何を求めているのかを考え制作に入ると良いと思います。
その上で、なぜデザイナーになりたいかという熱意や個性を伝えられたらバッチリだと思います。
はたらくビビビット編集部より
UIデザイナーを採用する際は、ポートフォリオに掲載されている制作期間や時期から、作業の速さやスキルの成長を見ている企業が多いようです。寿福さんは就職活動中、あえて古い作品を多く載せた一冊と自信作を掲載した一冊の合計二冊を持ち歩き、自らの成長性をアピールしていたそうです。
また、作品制作時から、ポートフォリオ制作を見越してラフデザインを残しておくなどの行動を起こしていました。そうすることで、ポートフォリオにいざ作品を掲載する時にすぐ制作時のことを思い出せます。UIデザイナーはサービスの検証を繰り返し、問題点を見つけて改善しながらデザインしていく仕事です。制作時に描いたラフや思考のメモをくわしく掲載すると、「どんな問題点を見つけてこういったデザインに至ったのか」が伝わりやすくなり、より良い印象になるでしょう。
寿福さん、ご協力ありがとうございました!
(2016.3.28)
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア