名前は知ってるけど「Adobe InDesign(アドビ インデザイン)」って結局何ができるソフトなんだろう……。オススメされるものの、ソフトの機能を把握できていなくて、使うことに躊躇している人も多いのではないでしょうか。
《Adobe InDesign =DTPソフトウェア》というイメージが強く“レイアウトのためのソフトだから、デザインそのものにはあまり関係ない”と、思っている人もいらっしゃるかもしれません。しかし、「Adobe InDesign」で出来ることというのは意外にとても多く、単なるレイアウトにとどまりません。今回は「Adobe InDesign」について、他のソフトとの比較や、機能の活用法などをご紹介したいと思います。
編集・執筆 / SHIONE, AYUPY GOTO
●「Adobe InDesign」は、どんなときに使うの?
「Adobe InDesign」はどんなものを作る時に使うことが多いのでしょうか。
具体的には……
本・冊子
雑誌
ポートフォリオ
フライヤー
プレゼン資料
企画書
上記のようなプロダクトは、いつも「Adobe Illustrator」を使って作っているという人も多いかと思います。
しかし、実は「Adobe Illustrator」で作れるものは「Adobe InDesign」でも賄えるものがほとんどなんです。「Adobe InDesign」は“文字やページが多いもの”にとても強く、簡単に綺麗にページのレイアウトができるという特徴があります。
●「Adobe Illustrator」との違いは?
「Adobe InDesign」は、レイアウトのためだけのソフトだと思われがちですが、パス機能やレイヤー機能などを活用してグラフィックを作ることも可能です。「Adobe Illustrator」にない特徴としては、グリッドをしっかり設定する機能や、自動でノンブルをつける機能、ページを見開きで追加できる機能が付いていたりと、本のレイアウト形式に合わせた機能が多いことがわかります。
「Adobe Illustrator」の場合は、少し時間はかかりますがガイドを使いグリッドを組み、レイアウトすることが可能です。
2つのソフトは似ていますが、違うのは「最適かどうか」というところです。
つまり「Adobe Illustrator」はグラフィックに特化して、他の機能も備わっているソフト。 「Adobe InDesign」はレイアウトに特化して、他の機能が備わっているソフトということになります。
「Adobe Illustrator」・・・ページ数が少なく、グラフィックメインのレイアウト。
「Adobe InDesign」・・・文字やページ数の多いもののレイアウト。
このように使い分けることで、作りやすさが違ってくると思います。
「Adobe InDesign」と「Adobe Illustrator」を併用する
どちらもAdobeのソフトということで、互換性はバツグンです。
「Adobe InDesign」のレイアウトページ上に直接イラストレーターで作ったパス、画像をコピーしてそのままペーストすることができます。また、同じAdobeのフォトショップのデータもそのまま配置することができます。
印刷物を作る際、「Adobe Illustrator」や「Adobe Photoshop」でグラフィックを作り、レイアウトを「Adobe InDesign」で行うというやり方で、グラフィックとレイアウトの両方の完成度を上げることが出来ます。
●「Adobe InDesign」を使用する際の用語と意味
「Adobe InDesign」はファイルを開くときのレイアウト設定画面の用語が多く、分からなくて断念した……という声を何度か聞いたことがあります。レイアウトする際に出てくる用語について理解すると、使うことに抵抗がなくなると思います。
●マージン・段組
ポスターや自由度の高いレイアウトをするときに適した作成方法です。
●レイアウトグリッド
書籍・雑誌など、決められたフォーマットで複数ページ作成するときに適した作成方法です。
どちらを選んでも制作は可能なので、最初はいろいろ試してどちらが適しているのか探ってみることをおすすめします。
●グリッド
文章や画像、余白などの境界線が格子状の線(グリッド線)に合うように配置すること。グリッドに沿ってデザインすることで、すっきりした見やすい構成にできる。
●行と段組
グリッドを構成する要素の一つ。行文字数・行数・段数・段間から成り、これらを調節してグリッドのレイアウトを決める。
●版面
文章や画像を配置する範囲のこと。
●マージン
用紙の縁から版面までの余白の部分。
天・地・ノド・小口の4種類の余白がある。天は上部分、地は下部分、ノドは見開きの内側部分、小口は外側部分。
マージンの大小、天・地・ノド・小口の割合でも大分印象が変わるので、デザインを大きく左右する部分と言える。
●歯
行間のサイズを表す単位のひとつ。略してH。
●級
文字サイズを表す単位のひとつ。略してQ
●綴じ方
本・冊子の開き方。右綴じと左綴じがある。基本的に本文が縦書きなら右綴じ、本文が横書きなら左綴じ。
●裁ち落とし
実際の印刷物ができあがるサイズよりも天地左右を約3mm大きく作り、断裁する部分のこと。塗り足しと同義。
Adobe公式サイトで「Adobe InDesign」のチュートリアルが用意されています。こちらにはもっと細かく使い方について説明されているので、もっと知りたい、実践したいというときにおすすめです。
▶︎▶︎ https://helpx.adobe.com/jp/indesign/tutorials.html
●最後に
制作物によって最適なソフトを選ぶことで、時間短縮や完成度の向上につながります。
使い慣れてないからと敬遠してしまうのはもったいないので、チャンスがあればぜひ試してみてください。きっと印刷物の制作がもっと簡単に楽しくなるはずですよ!
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(2018.09.13更新)
(2016.5.8)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア