就活生の皆さん、現時点で興味のある業界や会社はありますか? もしあるのなら、一歩先に進んで実際に会社を訪れてみることをオススメします。ネットなどでも為になるという評判の会社訪問、ここでは「具体的にいったいどんなことをするのか?」という部分に焦点を当ててご紹介いたします。
編集・執筆 / ASAMI KIMURA, AYUPY GOTO
目次
- 1. 会社訪問って何?
- 2. アポイントの取り方(手段と時期)
- -メールでの連絡の仕方
- -SNSを使ったコンタクト
- 3. 会社訪問前に準備しておくといいこと
- 4. 会社訪問の流れ
- 5. 会社訪問を終えたら
- 6. 最後に
1. 会社訪問って何?
会社訪問とは、学生が個人的にアポイントを取り、企業の担当者を訪ねることを指します。就職活動を見据えた学生が業界研究や企業研究、自己分析に役立てるために行います。
訪問先が人事担当者の場合は会社訪問、学生自身の先輩や知人の紹介などで社員の方を訪ねる場合にはOBOG訪問と呼ばれているようです。ただしこの2つに大きな違いはなく、この記事では両方会わせて会社訪問と呼ぶことにします。
就職活動に力を入れる学生の中にはなんと20社以上の訪問をする学生もいるようですが、一方で一社も会社訪問をせずに就活を終える学生も少なくありません。だからといって、はじめから「会社訪問はしなくていいや」と考えるのは勿体のないことです。選考に直結しないとはいえ、ここで良い印象を与えることができれば間違いなく他の就活生に差を付けることができます。そうでなくとも確実に自分のための勉強になり、経験を積むことができるでしょう。
『行くべきだとは聞くけれど、会社訪問をする勇気が出ない…。』
そんなあなたでも、訪問までの具体的な流れがイメージできれば会社訪問の機会を作れるかもしれません。以下ではアポイントを取ってから訪問後までの様子を説明したいと思います。
2. アポイントの取り方(手段と時期)
会社訪問をするためには、まず個人的にアポイントを取らなくてはいけません。基本的にはじめのコンタクトはメール等で取るのが一般的です。メールの書き方は、ビジネスメールの書き方などを調べて失礼のない文面を目指しましょう。
- メールでの連絡の仕方
OBOG経由:OBOGが直接の知り合いであれば自分からメールを出して相談するとよいでしょう。知り合いの紹介などの人脈を使う場合は、はじめの連絡を共通の知人に取ってもらうことができると少しハードルが下がりますね。また、学校の就職活動支援課に連絡名簿が備えられていることもありますので、これを活用するのも手です。
人事担当者経由:就職活動イベントや合同説明会などの場所で担当者の連絡先を手に入れることができれば、そこに連絡することができます。過去にインターンに参加した会社があれば、あらためて訪問し直してみるのもいいでしょう。イベントで人事担当者と知り合った後には、企業側から会社訪問のお誘いがあることもあります。なかなか自分から行く勇気がないという人は、そのような機会があれば是非快諾して訪問しましょう。
- SNSを活用したコンタクトの取り方
上記にはメールを使うことを前提としたアポイントの取り方を書きましたが、最近増えている、ソーシャルメディアの活用についても触れておきたいと思います。今ではSNSアカウントを公式に取り入れている企業も多くなっていますので、試す価値のある手段です。ただしSNSの性質上、その人個人の通知設定で弾かれる場合もありますので、メールより返信がもらえる確率は低くなります。
どのSNSでも、プロフィールに記載されていれば志望企業の社員を簡単に検索することができます。プロフィールに書いてあるということは少なくとも公表の意志があるということですので、こちらからも話しかけやすいですよね。どの方に連絡をとるかは自由ですが、採用担当者の方がいらっしゃればその方が安心かと思います。
- ・Facebook
就活中に知り合った社員・就活仲間と繋がるためにもよく使われるソーシャルメディアです。新卒採用アカウントを設けている企業も多いため、コンタクト先はそちらでも良いかもしれません。「メッセージ」から連絡を入れることになりますが、文面はメールと同様に宛先から始めるなどして丁寧に書きましょう。突然友だち申請をするのは印象がよくありません。まずは先にメッセージを送りましょう。
- ・Twitter
facebookよりもラフな印象です。こちらも新卒採用アカウントが設けられていることがあります。ここでは@のリプライかDMからの連絡を使いましょう。「突然のご連絡で失礼致します」と一言添えると返信が貰いやすくなるかもしれません。それでも社員の方個人に向けていきなり会社訪問のお願いをするのは少し不躾な感じもします。まずはフォロワーとして、いくらかリプライを交わせるような関係を作るのもひとつの手です。
- ・LINE
上記二つよりも活用事例は少ないです。企業ではLINEの公開型アカウント「LINE@」を使い、新卒採用の公式アカウントとして学生からのコンタクトを受け付ける動きも出ているようです。今後就職活動で使うことが増えていくと考えられるソーシャルメディアです。
また、会社訪問をするべき時期ですが、これはいつから初めても早すぎるということはありません。一番適さないのは、就職活動が本格化する時期です。選考を目の前に、会社訪問の必要性を感じた多くの就活生がアポイントを取ろうとします。そのため社員の方にじっくり向き合ってもらいにくくなるでしょう。年が明ける頃からは企業も忙しくなってくる頃ですので、夏の終わりから秋がオススメの時期ではないでしょうか。
3. 会社訪問前に準備しておくといいこと
会社訪問を有意義な時間にするためには、事前の準備が大切です。なにも準備せずに訪問したのでは、自分が得られるものも少なくなってしまいますし、時間を割いてくださる社員の方にも失礼になってしまいます。是非、以下のことを調べて/考えてから臨みましょう。
- ◯ 企業概要を知る
企業のことをあまり知らない状態なのであれば、まずは企業のWebサイトを一通り閲覧するのが簡単です。もし採用ページがオープンしていれば、就活生向けに最もわかりやすく企業の情報を知ることができます。理解できないことがあれば、当日の質問事項としてまとめておきましょう。予習段階で完璧に理解している必要はありません。余裕があれば、業界についての知識を備えておくとよいかもしれません。
- ◯ 自分が就職について考えていることを整理する
簡単に言うと自己分析です。企業側からしても、わざわざ選考以外で企業訪問に来る学生に興味を持たないはずがありません。なぜ会社訪問に来ようと思ったのか?どういう会社に入りたいのか?将来どうなりたいと考えているのか?などという質問は、特別な意図がなくても尋ねられると予想されます。ここで質問に答えることができれば面接の予行練習にもなりますし、悩んでいることがあればそれを正直に打ち明けることで相談に乗ってもらえるかもしれません。
- ◯ 質問事項
前の2つの項目をきちんと考えていればおのずと聞きたいことは出てくるはずです。「何か聞きたいことはありますか?」と尋ねられたときにいくつか話せるようにしておきましょう。
4. 会社訪問の流れ
よくある会社訪問の流れをご紹介したいと思います。この例に当てはまらない、ランチ会などを中心としたものもあります。時間はだいたい一時間ほどであることが多いです
- 1. 受付する
…時間の10分〜5分前に到着するようにします。受付ではまずは自分の所属と名前を言ってから、「〜時より〇〇さまとお約束しております」などと伝えるとよいでしょう。
有人の受付の場合と、無人で電話機だけ置いてある場合があります。電話での呼び出しは部署別に番号が当てられているので、訪ねる方の部署とお名前は前もって確認しておきましょう。 - 2. 担当の方がいらっしゃる
…座って待っていたら立ち上がり、しっかりとご挨拶しましょう。
- 3. 応接室や会議室などに案内される
…最初に個別に話すことのできる部屋に案内される事が多いです。
- 4. 会社についての説明を受けたり、学生自身のことを話す
…はじめにその企業の事業や取り組みなどの説明を受けることがほとんどでしょう。その後は学生自身の勉強していることや就活に関することを質問されたり、軽い模擬面接のようになる場合もあります。クリエイター職の場合、ここで持参したポートフォリオを見てアドバイスをもらうこともあります。
- 5. (企業によっては)オフィスを案内して見学させてもらう
…企業によっては、部屋をあとにして社内を見学させてもらえることもあります。繁忙期では難しいこともあります。見ることのできるフロアは会社によってさまざまです。見学中に社員の方とすれ違うことがあったらできるだけ挨拶をしましょう。
- 6. そのまま出口へ(最初の部屋に戻る場合もある)、最後に質問などをして終了
…見学によって聞きたいことが出てきたら最後に質問しましょう。また、帰りの際も失礼のないようにしましょう。
5. 会社訪問を終えたら
訪問が終わってほっと一息というところですが、ここまで来たので最後にしっかりお礼メールも出しましょう。もしかしたら訪問先から帰っている最中に、社員の方から先にメールが届いているかもしれません。こちらからのメールには丁寧なお礼と、印象的だったことや勉強になったという感想が加えてあれば問題ないでしょう。
また、その日のうちに学んだことの整理をしてノートなどにまとめておきましょう。どんなに印象的なことでも具体的な内容は意外と忘れてしまうものです。お話を伺って考えたことを発展させ、今後の自分の行動や思考に繋げていきましょう。
6. 最後に
いかがでしたか? 会社訪問がどんなものか、イメージできましたでしょうか。
就職活動を不安に思っている人や進路に迷っている人ほど、就活が本格化してから焦る前に一度だけでも経験してみると良いかもしれませんね。複数の企業を訪れて、雰囲気や特徴を比較してみるのも非常に有効的です。
(2015.6.19)
著者
はたらくビビビット
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