みなさんは、趣味や特技をいかした好きなことを仕事にしたいと思いますか?今回は、「ライスワーク」「ライクワーク」「ライフワーク」という3つの働き方から、好きなことを仕事にする方法について考えてみます。編集・執筆 / YOSHIKO INOUE, AYUPY GOTO
目次
- 1. 3種類の働き方
- -ライスワーク
- -ライクワーク
- -ライフワーク
- 2. 自分にとっての◯◯ワークはどんな仕事?
- 3. ライスワークとライフワークのバランスがとれた働き方
- 4. 最後に
1. 3種類の働き方
自分の仕事をどう捉えるかで、働くモチベーションは大きく変わります。
働く人の労働に対する考えは3つのステージがあると言われており、それぞれの意味合いは以下のようになっています。
- ・ライスワーク(Rice-Work)
… 生活のために、ごはんを食べていくために働くこと。
- ・ライクワーク(Like-Work)
… その仕事が好きで働くこと。
- ・ライフワーク(Life-Work)
… 仕事とプライベートは分けず、自分の使命と思える仕事で働くこと。
労働する仕事だけではなく、一生続けていく趣味や活動についても使われる。
2. 自分にとっての◯◯ワークはどんな仕事?
自分にとってどのような仕事がライスワーク・ライクワーク・ライフワークなのかは人それぞれで違っており、それを見つけるタイミングも違います。自分にとってどんな仕事が当てはまるのか考えてみましょう。
-ライスワーク
「働かざる者食うべからず」という言葉のように、生活のために働くことがライスワークです。学生のアルバイトなど、初めての就業経験はこのモチベーションから始まる場合が多いです。ライスワークは働く上・生活の上で軸となるもので、多くの人はこのライスワークを行っていると考えられます。趣味や好きなことをする時間は仕事と別に確保しなければなりません。
趣味や特技はプライベートの時間で充実させたいという思いがある人は、「仕事はライスワーク」と割り切ることができます。特にものづくりの分野では、仕事となるとさまざまな制約が生まれるため「好きだからこそ仕事にしたくない」と考える人も少なくないようです。
-ライクワーク
ライスワークに対し、ライクワークでは自分が好きな仕事をするため、仕事に対するモチベーションは始めから高い場合が多いです。デザインが好きだから美大に進学しデザイン会社に就職したり、服が好きだからアパレル会社に就職したりすることはライクワークをしていると言えます。仕事内容が自分の得意分野の場合、進んで勉強したり工夫したりして、良い結果を残すことも多くなります。自分の好きなことで周りから認められるとさらにモチベーションが上がるため、相乗効果で良いサイクルになりやすいです。
しかし、ライクワークを続けていくためには、それ相応のモチベーションを維持し続けなければなりません。もしもその仕事に興味が一切無くなってしまった場合、仕事を続けるモチベーションは落ちがちです。ライクワークでは、続けられなくなったときに仕事も好きな趣味も失ってしまうリスクがあるのです。
-ライフワーク
モチベーションが切れるとなかなか続かないライクワークに対し、ライフワークは、周りから反対されてもどうしてもやってしまうような、自分が心から取り組みたい活動のことです。ライフ(命の)ワークという名前の通り、その人にとっての「天職」と言われるものです。
例えばフリーランスのイラストレーターや画家、漫画家、小説家などは、ライフワークを仕事にしていると言えます。その仕事に使命感を持って取り組み、プライベートとの切り分けはなくとも成立します。ライフワークで安定した収入を得続けることは難しいですが、好きな仕事がうまくいけばいくほど、大きな収入を得られます。そして、仕事だけで楽しみを見出すことができるため、他のことでストレス発散したり楽しんだりする必要はあまりなくなります。
3. ライスワークとライフワークのバランス
絵を描くことやものづくりが好きであれば、自分が心から取り組みたい活動であるライフワークが定まっている方は多いのではないでしょうか。大学卒業後すぐにライフワークで生計を立てることは簡単ではありませんが、ライスワークをしながら地道にライフワークの活動を続け、後に生計を立てられるようになったというクリエイターは多くいます。
ライスワークからライフワークへの転向は、以下のようなパターンがあります。
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【ライスワーク】普段は会社員
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【ライフワーク】プライベートで続けていたイラスト制作が仕事として成立するようになり、本業に
フリーランスのアーティストを目指す場合、日中は郵便局や公務員など定時で帰宅できる職場で働き、制作時間を確保するという方は多いようです。仕事内容はアートやデザインに関係なくとも、安定した収入や社会性を身につけることが期待でき、それを制作費にあてることができます。そのため、ライスワークとライフワークのバランスが良い働き方と言えます。
ライスワークからライフワークへ転向する場合は、そのタイミングが重要です。自分の活動がライフワークとして成立するレベルかどうか見極める必要があります。コンペなどに挑戦すると、結果が一つの基準となります。こうした出展費も安定した収入があると安心して挑戦できるため、ライフワークのためにライスワークをすることは正しい選択と言えます。
4. 最後に
いかがでしたか?
【ライスワークでは「やりがい」を、ライフワークでは「生きがい」を】という言葉があります。
自分の生きがいと言えるものを仕事にできた場合、それはライフワークと言えるでしょう。しかし、どんな仕事も社会に出て働くことは多くの学びがあります。趣味や特技に直結しなくとも、自分の仕事を「使命」と捉えられると、それがライフワークとなり得るのです。
美術やデザインを志していると、「好き」と「仕事」について思い悩む時期があると思います。選択肢の一つとして、ライスワークとバランスをとりながらライフワークを実現させる方法を考えてみてはいかがでしょうか。
(2016.2.9)
はたらくビビビット
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