デザインを学んでいる学生であれば、パッケージデザインという言葉をよく耳にするのではないでしょうか。商品を買う時、誰もが目にするパッケージデザイン。私たちが生活する中で身近な存在で、その商品をより魅力的に見せるために重要な役割を果たしています。今回は、そんなパッケージデザインについて詳しくご紹介していきます。
編集・執筆 / ARAAKEMAYU, AYUPY GOTO
目次
- 1.パッケージデザインとは
- 2.パッケージデザインに必要なスキル
- 3.素敵なパッケージデザイン
- 4.パッケージデザインコンペティション
- 5.最後に
1. パッケージデザインとは
パッケージデザイン(packaging design)とは、一言で表すとその商品をより魅力的に見せるデザインのことです。
食品や飲料などの日用品を中心に、その商品のコンセプトや使いやすさ、包装や容器のグラフィックや形を考え、パッケージデザインは作られます。
パッケージデザインによって商品の価値自体を上げるのはもちろんのこと、包む商品を保護し品質を保つという実用的な面や、店頭に並べた時の見え方や、ターゲットに対してどうコンセプトを練るか、などあらゆる角度からデザインを考える必要があります。
2.パッケージデザインに必要なスキル
では、パッケージデザインをするためにはどんなスキルが必要になるのでしょうか。
ヴィジュアルとしての表現「グラフィックデザイン」
商品を2次元的なヴィジュアルで表現するために必要なのが、グラフィックデザインです。
デザイナーは、その商品のコンセプトやターゲットを考え、ヴィジュアルに落とし込んでいきます。例えば食品であったら、その味や食感、シズル感(水々しさ)などを視覚的に表現し、商品の魅力を伝えていきます。形としての表現「プロダクトデザイン」
商品を容器などの3次元的な形で表現するために必要なのが、プロダクトデザインです。
その商品自体の使いやすさはもちろん、雰囲気に合うように容器の形を考えていきます。例えば、シャンプーボトルなどを見ると、同じシャンプーでもブランドやメーカーによって全く形の異なるデザインになっています。その容器の形から、他の商品の差別化を図ったり、メーカーの雰囲気や商品の魅力を伝えたりすることができます。
このようにパッケージデザインは、平面だけの考え方でなく立体としての見え方も考えていかなければなりません。パッケージデザインと聞くと、グラフィックデザインだけのスキルが必要と思われがちですが、プロダクトデザインのスキルもあると、よりパッケージデザインの表現が広がると思います。
3. 素敵なパッケージデザイン
ここでは、つい手に取ってしまいそうな素敵なパッケージデザインをご紹介していきたいと思います。
ヒトツブカンロ
<引用 | http://draft.jp/works/ >
カンロ飴やピュレグミでおなじみ「カンロ」のコンフィズリー(砂糖菓子)ショップ。おいしいキャンディをギフトとして大切な人へ、また自分で楽しんでいただきたいという思いを「ヒトツブのキャンディ」に込められています。
藤五郎せんべい
<引用 | http://hozugawaarare.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=1637917&csid=0 >
米の風味や香りと甘味がそのままあられに生きるように昔ながらの丸つぶ蒸しにこだわったせんべい。モダンな柄のキューブのパッケージが素敵です。
のらくら農園
<引用 | https://homesickdesign.com/archives/908 >
<引用 | https://homesickdesign.com/archives/908 >
のらくら農園いちご箱パッケージ。箱に描かれたイラストといちごの色合いがとても可愛らしいです。真ん中がくり抜かれていて、いちごが見える仕組みになっています。
「東京さしすせそ」
<引用 | http://shun-gate.com/okurimono/seasoning/okurimono_21.html >
食文化を支える調味料を1箱ギフトに。その名も「東京さしすせそ」は、料理の味付けの基本となる砂糖、塩、酢、しょうゆ、みそを詰め合わせた厳選ボックスになっています。
キリンのやわらか天然水
<引用 | http://www.g-mark.org/award/describe/39710 >
ペットボトルの天然水が不可欠になってきた現在。リビングに溶け込み、インテリアとしても機能するデザインをペットボトルに施されています。2013年グッドデザイン賞にも選ばれています。
4.パッケージデザインコンペティション
現在では、学生も参加できるパッケージデザインのコンペティションが開催されています。
日本・アジア学生パッケージデザインコンペティション
このコンペティションは、アジア圏内の学生が対象です。募集テーマに沿って作品を募集しており、国内予選、国内決勝、アジア決勝と多くの審査過程があるのが特徴です。過去の受賞作品にも様々な形のパッケージデザインが見られ、幅広い表現を募集しているコンペティションとなっています。
詳しくはこちら http://www.aspac.jp
おいしい東北パッケージデザイン展
東北の商品を制作している企業が集まり、実際に販売される製品のパッケージとしてデザインを募集しています。応募部門には、一般部門と学生部門があり、学生も参加することができます。同じ年代の学生やクリエイターたちが応募しているので、自分のデザインへの刺激になるかもしれません。
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5. 最後に
パッケージデザインにはその商品をより魅力的に見せるために、あらゆる角度から考え、デザインされています。現在では様々な企業から素敵なパッケージデザインが生み出されています。百貨店やスーパー、コンビニに行く時は、その商品だけでなくパッケージデザインにも目を向けてみると楽しいかもしれません。
(2019/03/15更新)
(2016.7.1)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア