選考課題に作品プレゼン、どう乗り越えた?グラフィックデザイナー内定者に聞いてみた

デザイナーといってもグラフィック、ゲーム、ITなどさまざまな業界があります。就活準備では、業界によって少しずつ違う傾向を踏まえて対策したいですよね。グラフィックデザイナー・雑貨デザイナーに内定した先輩はどのように就活を進めたのでしょうか。体験談を伺います!

【CONTENTS】
●ポートフォリオのポイント
●ポートフォリオの印刷
●プレゼン、面接
●求人の探し方

※ポートフォリオ型就職マッチングサイト「ViViViT」が2020年12月に行った配信イベント「ポートフォリオ強化月間・IT業界内定者座談会」から、抜粋してレポートしたものです。
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE , 挿絵 / HINAKO MIYOSHI

● どの作品を突っ込まれても良いように。最適な見せ方と伝え方を考えよう

お話を伺った皆さん

▼当日はそれぞれのご自宅からオンライン座談会を実施しました!

 

屋根下 千晶さん

創造社デザイン専門学校 2021年春卒業 
グラフィック・エディトリアル系のデザイン事務所内定

 

本田 菜生さん

成安造形大学イラストレーション領域 2021年春卒業 
キャラクター雑貨業界内定

 

なんもも さん

武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科 2021年春卒業
グラフィック・エディトリアル系のデザイン事務所内定

司会進行

ビビビット

ポートフォリオ型就職マッチングサイト「ViViViT」の運営スタッフ

 

★座談会から見えてきたグラフィック業界就活のポイント
✓グラフィック作品は見せ方で印象が変わる。最適解を検討しよう
✓ポートフォリオは印刷提出を求められる場合も
✓選考課題多め!プレゼン準備も見越したスケジュール管理を
✓プレゼンしやすいポートフォリオに仕上げよう

●ポートフォリオのアドバイスをもらったら、次の機会までに必ず改善する

ビビビット:本日はよろしくお願いします!まずはポートフォリオについて教えて下さい。
屋根下さん:よろしくお願いします。ポートフォリオは「どんな経験をしてきた、どんな考えを持った人間か」が伝わるものを目指してつくりました。始めは単なる作品集になっていたのですが、いろんな先生や友人にアドバイスをいただくうちにそのような方向性が決まりました。
作品ページをめくった左側にタイトルとキャッチコピー、右側に大きく写真を載せているのですが、実物の作品の写真を載せることで、プロセスのページと完成形のページの世界観の変わり方をアピールをしています。初見の人にも短い時間で理解してもらうために、視線誘導を意識して情報整理しました。

▼屋根下さんのポートフォリオ。表紙の次にビジュアルアイデンティティのページを設けています。

ビビビット:インフォグラフィックスや図が効果的に使われています!
本田さんはいかがですか。
本田さん:私は志望していたキャラクター雑貨業界に関連する作品が冬時点には一切なく、「オリジナルキャラクターの作品があった方が良い」というアドバイスもいただいていたので、春休みは作品作りに力を入れていました。作品が完成したらポートフォリオに反映する、というスピード勝負で、4年生の春頃までは作品作りとポートフォリオ更新を並行で進めていました。
メインのキャラクターからいろんなグッズに展開するシリーズものが多かったので、扉ページを必ずつけてメリハリを出しました。扉絵には「概要」「対象年齢、ターゲット」「テーマカラー」の三点を載せ、簡単に雰囲気が伝わるようにしました。

▼最後に作った「ねむねむわんこ」の作品は4月に入ってから出来上がったもの

なんももさん:ポートフォリオは大学3年生初期からつくり始め、完成したのは3年生終わりの2~3月でした。企業にアドバイスをいただいたら「次に見せる機会までに必ず改善する」という意識で、過去作品の見せ方も改めて考え直しながらブラッシュアップしました。頻繁に撮影所に行くのは大変だったので、就活の期間は部屋に白い紙を広げ照明を当て、いつでも撮影できる場所を用意しました。

▼最初は並べただけだった文字作品。文字作品をまとめた本を作って撮影するなど、新たな見せ方を模索した

ビビビット:見せ方次第で作品の良さの伝わり方が変わりますよね。たくさん検討することが大事なのですね!

●印刷分も用意しておくとベター?ポートフォリオの提出形式

ビビビット:2021年卒の皆さんは、就活途中から新型コロナウイルス感染拡大による影響があったと思います。選考がオンラインになることも多かったと思いますが、ポートフォリオの印刷などはどうなりましたか。
なんももさん:影響はやっぱりあって、データ提出も増えましたが、「実物を送ってください」という企業もあり、5冊ほど印刷しました。不採用の場合返却してもらえる企業もあったので、送った社数はもう少し多いと思います。さまざまな業種を30社ほど受けたのですが、データ提出は6割くらいでした。
面接前の提出では「自信のある作品だけ」3枚のPDFにまとめて提出……という企業もけっこうあり、受ける企業によって「自信のある作品」を変えるようにしました。例えばエディトリアルの企業は文字本の作品、テレビ局などのエンタメ系はポスターやパズルなど……受ける会社の制作物をリサーチしつつ、その業界が好みそうな作品を前の方に入れました。

▼広告会社には広告系や舞台のポスターを前半に掲載しています。

本田さん:私はキャラクター雑貨業界とゲーム業界を受けていました。ほとんどViViViTページを使って選考が進んでいたのですが、ゲーム業界はポートフォリオの実物提出を求める企業もありました。
屋根下さん:私は書類選考はPDF提出、面接は持参という企業がほとんどでした。作品のイメージに合うように印刷方法や紙も試行錯誤して、竹尾という紙屋さんで柔らかい紙を用意し、インクジェットで印刷しました。
ビビビット:ありがとうございます!続いて、グラフィック業界では多い“選考課題”について教えてください。
本田さん:キャラクター雑貨業界は作品選考がいろんな企業でありました。「〇〇を使ったバースデーカード」などモチーフが指定された、実物の販売商品を想定した課題が多かったです。私はやる気を見せたかったので、求められる数以上を提出したり、印刷して実物を作って提出したりしました。作品選考は面接でプレゼンする機会も多いので、プレゼン準備も大切だなと思います。
屋根下さん:私は制作会社を受けていたので、毎回と言っていいほど選考課題がありました。書類選考の際に提出する方式と、面接中にアイデアを出してその場でプレゼンをするリアルタイム方式の2つがありました。
だいたい1課題1,5週間くらいで制作していくスケジュールでしたね。リアルタイム方式のものは対策しづらいのですが、日頃からいろんなものを見て刺激を受けることが大事だと思います。
なんももさん:私もテーマと課題内容が提示され、一週間以内に送って通過したら面接に進めるという選考がありました。

●お気に入り作品のプレゼン準備を!
面接でよく聞かれた質問は……

ビビビット:選考課題が出るのはグラフィック業界ならではのようです。スケジュール管理も大事ですね。
続いては面接についてお伺いします。いわゆる「ポートフォリオのプレゼン」というものはありましたか。
なんももさん:はい、いくつかの会社でありました。とある会社は事前に「10分間のプレゼンがある」と提示され、3つの作品についてプレゼンしました。どの作品について突っ込まれても良いように、すべての作品に気を付けて作った点・こだわった点・苦労した点などを言えるように準備していました。タイマーで時間を計り、面接練習も何度も行いました。
本田さん:私は時間指定のプレゼンを求められることはなく、お気に入りの作品について説明を求められることがありました。まず「どういう作品か、誰がターゲットか」などの概要を説明しつつ、デザイナーとしてどういう意図や思いをもってデザインしたかをプレゼンしました。ポートフォリオの中に、説明しやすいテキストや図を用意しておくと良いと思います。
屋根下さん:私もお気に入りの作品についてのプレゼンが多かったですね。ポートフォリオに「キャッチコピー・コンセプト・一番伝えたいこと」がわかるように載せていたので、プレゼンはポートフォリオに助けてもらった部分が大きいです。いわゆる面接対策で出てくる項目や好きなデザイナー、その会社の制作実績についてなどをよく聞かれました。面接の前に制作実績ページを見たり、自分が共感したところをメモしたりしました。

▼プレゼンを見越して、作品のキーワードは大きく太字に。

なんももさん:よく聞かれた質問については、「どうしてこの会社を選んだのか」「学生時代何をしていたのか」などが多かったです。調べると出てくる「よくある質問」の対策をきちんとしておくことが大切だと思います。
本田さん:キャラクター雑貨業界ならではのものだと「弊社や弊社以外で好きなキャラクターは何ですか」という質問です。ときには予想外の質問もあると思いますが、どんな回答でも結論を最初に言って、話しながらまとめていくと良いと思います。

●ベストな選択肢+現実的な選択肢を!求人の探し方

ビビビット:ありがとうございます!皆さんの共通点として、「自分の希望に合った会社の求人数が少ない、あっても中途採用が多い」というものがありました。求人探しはどのように行いましたか。
なんももさん:私の一番の希望は「音楽に携われるグラフィックの制作」でした。ですが職種の間口が狭かったので、「エンタメに関われる・アイデアを出すより手を動かしてデザインできる仕事」という風に視点を広げていきました。
ベストな選択肢と別に、現実的な選択肢として自分の関心や興味を広げていくと良いと思います。学校求人やViViViT、本の奥付なども活用しながら、最終的に受けたのは30社ほどで、内定をいただいたのは4年生の8月頃でした。
本田さん:私の目指していたキャラクター雑貨業界も数えるぐらいしか企業がなくて、受ける会社が少ないのはやはり不安でした。並行してゲーム業界も受けていたのですが、企業研究では、どの業界でも企業サイトやインタビュー記事などを見て社風や考え方が共感できるか調べていました。
ビビビット:本田さんは市場調査をかなり詳しくしていますよね。そちらについて教えてください。
本田さん:店頭で流行を自分の目で確かめることは大事にしていて、より大きなブースに並んでいる商品のモチーフや、売り上げNO.1と書いたPOPの商品などはしっかり見ていました。またお客さんの年齢層や手に取る商品などを観察することもありました。その後、リサーチ結果をもとに資料収集を行って進めていきました。
雑貨系の作品を増やす際に意識した点は、見た目だけでなくどういう性格なのか・どういった特徴があるのかきちんと掘り下げることと、いま人気のキャラクターについて店頭やデザイナーの先輩に尋ねてリサーチすることです。
企業がSNSをしている場合もあるので、最近推されている商品を調べたり、ファンの方がどういう商品に魅力を感じているのか情報収集したりもできます。店舗とネットの両方を活用するのがおすすめです。

▼ポートフォリオにもリサーチ内容を載せています。
本田さんのポートフォリオを詳しく見る!

ビビビット:ありがとうございます。屋根下さんは、企業探しや求人についていかがですか。
屋根下さん:最初はデザイン会社の名前が全然わからなかったので、雑誌などで取り上げられている企業のサイトをひたすらブックマークするという探し方でした。求人サイトや卒業生の就職先なども見ていました。
就活中にインターンに参加したのですが、理想とする働き方を考える良い機会になりました。そのときは“個人で黙々とデザインする働き方”と、“外部のカメラマンや内部の方と一緒にデザインを進める”という2通り経験して、私は誰かとコミュニケーションを取りながらの方がクオリティが高いものになると感じたんです。その後の就活でも良い判断基準になったと思います。
ビビビット:インターンの機会があると、具体的な働き方を想像できて良いですよね!
最後に就活生へメッセージをお願いいたします。
なんももさん:コロナ時代の就活は、それ以前の経験やメッセージが役立たなくなっていると思います。私達の代(2021年卒)の先輩だとリアルなアドバイスがもらえると思うので、機会があればぜひ活用してみてください。
本田さん:就職活動という人生で初めての経験に不安も大きいと思いますが、このタイミングでしか経験できないことだと思います。私は憧れていた会社や直感で素敵だなと思った会社があればとりあえずエントリーする!という気持ちで動きました。
選考に落ちてしまってもその会社とマッチングしなかっただけなので、「自分の作品はすごいんだ!これだけ頑張ったんだ!」という気持ちで挑んでほしいなと思います。
屋根下さん:人生で一番自分と向き合い、いろんなことを考える時期だからこそ、辛いこともいっぱいあると思います。うまくいかなくても相性の良い企業は必ずあるはずなので、楽しいことを見つけながら頑張ってほしいです。

●おさらい
座談会から見えてきたグラフィック業界就活のポイント

★座談会から見えてきたグラフィック業界就活のポイント
✓グラフィック作品は見せ方で印象が変わる。最適解を検討しよう
✓ポートフォリオは印刷提出を求められる場合も
✓選考課題多め!プレゼン準備も見越したスケジュール管理を
✓プレゼンしやすいポートフォリオに仕上げよう

登壇者の皆さん、ありがとうございました!直近の体験談からなるアドバイスは、説得力のある力強いものでしたね。読者の皆さんの就職活動に役立つポイントがたくさん見つかったのではないかと思います。
今回参加いただいた皆さんは、ポートフォリオ型お仕事マッチングサイトViViViTの利用をきっかけにお声がけしました。作品選考やプレゼン対策に忙しいときも、作品をアップしていれば就活を進められます。ぜひ使ってみてください。
皆さんの就職活動を応援しています!

 
3人が使った!ポートフォリオサイトViViViT
 
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(2021.3.26)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。メディアを通し、制作活動やデザイナーの就活に役立つ情報を発信していきたいです! Twitter
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