みなさんは建築を学ぶ学生のポートフォリオを見たことはありますか?手書きで味のあるテイストにしたり、3Dを駆使してかっこよく見せたり、魅力的なポートフォリオがとても多いんです!そんな建築系の学生のポートフォリオがたくさん見れる展覧会が2017年11月に開催されました。今回はその展覧会の模様と、展覧会を主催した学生団体「Diploma× KYOTO18」について、筆者であるビビビットの米田がお届けします。
編集・執筆 / KOTARO YONEDA, AYUPY GOTO
●ポートフォリオ展は学園祭に合わせ3会場で開催!
「Diploma× KYOTO18」は建築を専門として学ぶ、20以上の関西の大学の学生が、有志で集まった団体です。建築作品をたくさんの人に見て欲しいという趣旨から、それぞれのポートフォリオを展示する展覧会を学園祭に合わせて兵庫・大阪・京都の3会場で開催しました。
▲筆者は京都大学の11月祭にお邪魔しました。
●「Diploma× KYOTO18」とは?
学内における普段の設計課題や研究活動とは別に、学生が大学の枠を超えて集い、学生自らの意思で企画・運営する団体。
近畿圏の大学が主に参加し、建築を通してより一層多くの人たちとコミュニケーションを図ることを目的とし、精力的に活動しています。
学生自らが展覧会に出展し、企画・運営まで行うことがルール。2018年の2月に行う卒業設計展の告知も兼ねた前夜祭として、今回のポートフォリオ展を位置付けています。
ポートフォリオ展
※本イベントはすでに終了しております。
▶︎大阪
日程:2017年11月3日(金)〜5日(日)
会場:大阪大学吹田キャンパス
▶︎神戸
日程:2017年11月11日(土)、12日(日)
会場:神戸大学六甲第1キャンパス 第一学舎
▶︎京都
日程:2017年11月23日(木)〜26日(日)
会場:京都大学吉田キャンパス 4共14教室
●大学毎に綺麗に並べられたポートフォリオ35冊
出展22大学毎にポートフォリオを並べていました。各大学の特色や学校課題の違いを比べることができるので、出展者も刺激を受けることができる展覧会となっています。
▲会場に入ると、黙々とページを捲り熱心に作品を見る来場者の姿が
▲サイズ、製本方法、表紙デザインなど、それぞれ工夫した点を見ることができます
●筆者がピックアップ!建築表現の世界
展示されているポートフォリオの中でも、筆者が特に気になったページを切り取りました。今回は手書き、模型、3Dと手法を分けて、わかりやすくそれぞれの違いを解説しながら、ご紹介していきます。
1.手書き
会場のポートフォリオを見ると、やはり手書きの表現が多かったように思います。特有の温かさやデッサン力をアピールできるのも良いポイント。
▲鉛筆のみでつけた濃淡によって、光と影を描いています
▲手書きと写真合成を組み合わせ、独特の世界観を見せる
2.模型
模型を作りこむことで、より俯瞰的な視点やアイレベルでの見せ方ができます。
▲様々な都市軸に沿ったボリューム配置が、周辺の模型と合わせてよくわかります
▲模型写真から開口の重なり具合を表現
3.3Dモデル
最近よく見かけるようになった3Dモデル。とても複雑な曲面などの形状をわかりやすく伝えることができます。
●「Diploma× KYOTO18」が主催するポートフォリオ展覧会と合同卒業設計展
今回レポートしたポートフォリオ展の次には、2018年の2月に卒業設計展も開催するということで、そのお話について代表の石井さんにお話を聞いてみました!
▲「Diploma× KYOTO18」(以下Diploma)ポートフォリオ展運営担当の皆さま、中央は代表の石井さん
\\建築系22大学の学生ポートフォリオ、35点以上展示//
建築学生団体Diploma @dxkyoto18 さんによるポートフォリオ展が、
関西の学祭に合わせてひらかれるそうです?✨
1会場めは、大阪大学の吹田祭!?詳しくは https://t.co/8obGQCTt3o pic.twitter.com/C9lcqF47Zv
— ビビビット (@vivivit_jp) 2017年10月26日
大変ではありますが、後輩から「今後作らないといけないポートフォリオを沢山見ることができるのは、参考になって良い」というありがたい声をいただきました。あとオープンキャンパス感覚で来れるので高校生で建築学科に行きたいという人にはとても参考になったかと思います。
「Diploma× KYOTO18」の合同卒業設計展
著名な建築家、アーティストによる作品講評や、150もの卒業設計展示があります!
▶京都市勧業館 みやこめっせ
日程:2018年2月24日(土)〜26日(月)
詳細はこちらから「Diploma× KYOTO18」ホームページ
●最後に
3会場で700人の来場者があったという今回のポートフォリオ展。筆者は建築を学ぶ以外の人が、多く来場したということにとても驚きました。
専門的な知見が多い建築作品を、わかりやすいように伝える運営スタッフの工夫に感心します。
Diplomaの運営メンバーは最初に会った時から「もっと多くの人を巻き込んで建築作品の魅力を届けていきたい、広く建築を知ってもらいたい」と言っていました。今回はその願いが、良い形で実現した展覧会だったのではないかと思います。3会場での開催、本当にお疲れさまです。そして2月24日からの3日間が、どんな卒業設計展になるのか心待ちにしています。
(2018.1.8)
著者
はたらくビビビット
ポートフォリオとデザインのリファレンスメディア