レイアウトのヒントを発見!雑誌を参考にしたポートフォリオを作ってみよう!



ポートフォリオの制作は順調ですか?「載せる作品はあるけど、レイアウトがなかなか決まらない……」といった悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。2019年春からデザイン会社に就職する筆者・平田も、ポートフォリオ制作にはかなり苦戦しました。今回は、そんな経験をもとに、「雑誌を参考にしたポートフォリオの作り方」をご紹介していきます!

編集・執筆 / HANA HIRATA, YOSHIKO INOUE

● ポートフォリオ制作のお悩みは……

作品が完成し、載せる順番もバッチリ決めた!さあ、いよいよポートフォリオ作りを始めるぞ……!という時、以下の点でつまずいていませんか?

・作品の見せ方がわからない
・写真、文字の配置がわからない
・ポートフォリオを作るのが苦しい
・何を参考にして作ったら良いかわからない
 などなど……

どれも、筆者や筆者の周りの人から聞こえてきたお悩みですが、中でも「レイアウト」に関するものが多いですね。意気込んでパソコンの前に座ったものの、レイアウトをあれこれと操作するうちに時間だけが経ってしまった……なんてこともあるのではないでしょうか。
そんな人におすすめしたいのが、雑誌を参考にしたポートフォリオづくりです。

もちろん、参考書やデザインに関する本を読むのも重要だと思います。ですが、雑誌なら休憩時間やアイディアが行き詰まった時に、力を抜いて気軽にパラパラと眺めることができるのでおすすめです。
それでは、雑誌のどんなところを参考にしてポートフォリオを制作したら良いのか、具体的なポイントをご紹介していきます!

● ここに注目!
デザインの参考にするときの雑誌の見方

息抜きをしながらレイアウトも学べる……と言っても、ただ雑誌を眺めるだけでは、ポートフォリオには活かせません。注目すべきポイントを見てみましょう。
例えば、以下のような「飲食店を紹介する雑誌」の場合……





一つの”エディトリアル作品”として雑誌を見ると、

・タイトルの装飾
・ロゴのデザイン
・インデックス
・色合い
・文字組み、使用しているフォント
・写真の配置

など、デザインに関するヒントがたくさんあることがわかります。上の画像は、文字や写真・装飾が豊富な雑誌に参考に、例を作成してみました。皆さんもお手元の雑誌を見てみてください。
どんな雑誌でも、写真・フォント・色合いの3つは、特にデザインの特徴が現れやすい、参考にしやすいポイントではないかと思います。

● ここに注目!
雑誌を参考にするときのポイント

STEP 1. 雑誌を選ぼう!あなたが参考にしたいのはどんな雑誌?

一口に雑誌といっても、料理やファッション、旅行、趣味など様々なカテゴリーの雑誌があります。自分のお気に入りの雑誌がある人はその雑誌を参考にした方が、モチベーションも高まるでしょうし”自分らしさ”も表現しやすくなると思います。特にこだわりが無い人は、次に挙げたジャンル別の特徴を、雑誌を選ぶ際の参考にしてみてください。

◼︎ 料理雑誌 

料理雑誌には、料理の作り方が写真や文字でわかりやすくレイアウトされています。そのため、同じく”プロセス”を説明する「作品の制作過程のページ」を作る際に参考になると思います。キャッチコピーや、何カットであれば飽きずに見られるか……など、検討してみてください。

◼︎ ファッション雑誌 

ファッション雑誌はシンプルなデザインのものから派手なものまでたくさんのレイアウトを見ることができます。自分の作品の雰囲気に似たものや、受ける会社のテイストに合ったものを研究してみてはいかがでしょうか。特集や読み物などのタイトルにも、デザイン性の高い装飾が施されていることが多いです。

◼︎ 映画雑誌 

映画雑誌もレイアウトがさまざまですが、映像をまとめたものなので映像作品の多い人にはおすすめです。ただ、映画雑誌は内容がインタビュー記事メイン、というものも多いです。映像を静止画で見せているページの見せ方に注目してみましょう!

◼︎ 美術・デザインの雑誌 

美術・デザインの雑誌は作品のメイキングが見やすくまとめられています。ファッション雑誌のような遊びは少ないですが、冊子の中でどのように読者の目線を誘導しているのか参考になります。

STEP2. 効果的な写真の撮り方、見せ方、配置方法は?

雑誌に欠かせないのが「写真」。雑誌には、プロのカメラマンと”読者に好まれる見せ方”を熟知した編集者が、一緒になってつくりあげた写真が掲載されています。
ポートフォリオ用に作品を撮影したくても、カメラに慣れていない人も多いはず。どのようにして作品を撮ろうか悩みますよね。いろんな雑誌を比較して、作品の撮り方・見せ方・配置を参考にしてみてください。
筆者の経験上、作品が小さい場合は雑貨やお菓子を紹介した雑誌空間的な作品の場合は美術館やお店を紹介した雑誌が参考になりましたよ!

▼合わせて読みたい
ポートフォリオをもっと魅力的に!作品写真の撮り方

STEP 3. フォントは何を使ってる?文字組みは?

雑誌は雰囲気に合わせてフォントの選択や文字組が工夫されています。作品タイトルとなる見出しにはどんなフォントが使われているのか、読みやすい文字組みはどのようになっているのか注目してみましょう。

STEP 4. 色合いと雰囲気はどんな印象?

作品のイメージや表現媒体によって、ページの色や雰囲気を変えたいという人もいるのではないでしょうか。一冊の雑誌には、さまざまな企画が展開されており、幅広い色合いで表現されているので参考になりますよ。しかし、色を主張しすぎると作品が目立たなくなってしまうことがあるので注意が必要です。一冊の中で統一感を出しつつも、読者を飽きさせないバリエーションが上手く出ていると思う雑誌を参考に、バランス良く色を出していきましょう!

おまけ. インデックスをつくりたい時は……

これはインデックスが必要なポートフォリオを制作している学生向けのポイントなので「おまけ」としました。インデックスとは索引のことを言います。インデックスがあることで、どのページにどんな作品が掲載されているのか一目で確認できます。

ページの端に縦書きに配置した場合のインデックスをいくつか作ってみました。作品名は「あそべるお菓子のパッケージ」、ジャンルは「ロゴデザイン、パッケージデザイン」としました。


モノクロでシンプルなインデックスは、比較的どんな作品にも馴染むのでおすすめです。色を使ってカテゴリ分けすると、どのページで作品が切り替わるのかをすぐに判別できるので見やすいですね!ページのデザインとどうなじませるかが難しいところではありますが、使いどころによっては活用できると思います。ぜひ参考にしてみてくださいね。

●最後に


雑誌には、ポートフォリオのデザインに活かせるヒントがたくさんありましたね!ただ、雑誌を参考にするときは注意も必要です。それは、全ての雑誌のレイアウトが参考になるとは限らないということです。若者がターゲットのファッション誌から高齢者をターゲットにした旅行・カルチャー誌など、いろんなジャンルがあるように、読者層に合わせて雑誌のデザインも多様です。「自分がつくりたいポートフォリオの参考になるのはどの雑誌か」を見極め、参考にしてみてください。
雑誌を参考にして、楽しくポートフォリオの制作ができるよう願っています!

(2019.2.13)

著者

平田華

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。紙媒体を中心に作品を制作中。

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