アーティスト・美大生が快適に制作するために必要な場所。「アトリエ」を知ろう

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「アトリエ」というキーワードを耳にしたことはありますか?すでに美大学んでいる人や、芸術系(油画・日本画・彫刻……)に興味を持つ人なら、一度は聞いたことがあるかと思います。アトリエは、使う人によって場所や環境が異なっていて、それぞれが快適な空間を作って制作をしています。今、美大に通う学生や制作をする人々がどのようにアトリエを活用しているのか、今回ご紹介したいと思います。
編集・執筆 / RINA SAITO, AYUPY GOTO

●アトリエとは?

"アトリエ"は、制作などの作業を行う場所のことです。スタジオ作業場工房などと呼ばれることもあります。学校では、演習室実習室と呼ばれているかもしれませんね。働く人々が仕事をするために会社に通うように、アーティスト達の仕事場といった感覚で、自分の作品を制作するために通う空間のことを指します。自宅の一部を作業スペースにしている人もいれば、作品を作る専用の場所として部屋や倉庫などを借りている人、シェアハウスのように何人かで1つの場所を借りて、制作している人もいます。

●学外・学内、それぞれのアトリエの違い

大学で使うアトリエ

大学では、学科ごとに建物そのものが分かれていることが多く、大きな設備がある学科などは一つの大きなアトリエを学生全員で使ったり、何個かに仕切られているアトリエを複数人で一つ使う、というシェアアトリエのような形式になっています。アトリエの構造自体も学科ごとで異なっていて、床に置いて制作することの多い学科は、土足禁止で床はフローリングで作られていたり、制作するときに周りに絵の具がついてしまうことの多い学科は、土足で入ることのできるコンクリートの床になっていたりします。
絵画を学ぶ学科はイーゼルや椅子などの備品が多く貸し出しされていますが、デザイン学科など主にパソコンを使って制作する学科は、机と椅子のみが貸し出されていたりと、学科によって大学で使える備品も異なってきます。

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学外で使うアトリエ

一方で、自分の家で居住スペース作業スペースを分けて制作する人もいます。デジタルイラストを描く人は、机の上にパソコンや液晶のタブレットなどを配置して、固定した作業環境を作っています。
大学卒業後にアーティストとして活動している人で、広い空間や大きな機材が必要となる場合は、複数人で倉庫マンションなどの一室を借りている場合が多いです。アトリエとして個人が部屋を貸し出している場合もあり、賃貸物件と同じように自分で使う期間を決め、毎月の家賃を支払うことで、自分のアトリエとして部屋を借りることもできます。
また、アーティスト向けの物件を集めたマッチングサイトや、個人で揃えることが難しい工具などの機材と作業スペースを自分の使う時間だけレンタルできるサービスなど、アトリエにもいろいろな種類があります。


石田倉庫 〒190−0013 立川市富士見町2−32−27

<引用 | http://sokonews.kuizu.net/http://sokonews.kuizu.net/ >
○HP http://www.ishida-soko.com


アトリエM 〒123-0845 東京都足立区西新井本町1丁目13 西新井本町1-13-14

<引用 | http://atelier.vacco.net/ >
○HP http://atelier.vacco.net/


co-lab 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目13−11 など数ヶ所

<引用 | http://co-lab.jp/about_colab/59 >
○HP http://co-lab.jp/


浅草橋工房 〒111-0053 東京都台東区浅草橋1-34-3 宏和浅草橋ビル1階

<引用 | http://www.craft-studios.com/?p=1875 >
○HP http://www.craft-studios.com/


Ma Ga Ri 運営元:まちづくり会社ドラマチック

<引用 | http://ma-ga-ri.com/about/>
○HP http://ma-ga-ri.com/

●快適にアトリエを使うためには

特に大学では、複数人で同じアトリエを使う方が多いです。その時に快適にアトリエを使うために、気をつけることなどを考えていきましょう。

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シェアアトリエでのマナー

まず、アトリエを使うメンバーで最初にルールを決めることをオススメします。長く使っていくのには、使う人がそれぞれ決まりを守ることが大切になっていきます。
特に、長時間制作していると、アトリエで飲み物を飲んだり、食べ物を食べながら作業することもあると思います。
そのときには、食べ終わった後のうつわやゴミなどが出てしまいますよね。それにプラスして、制作している時には鉛筆の削りカスや使い終わったペーパーパレットなど、普段生活している時よりも多くのゴミが出てきてしまうと思います。そんな時でも、自分の部屋を使う時と同じように、いつも清潔を保って使うことが大切です。誰のものか分からないものや、いつのものか分からないゴミを放置することは、他に同じアトリエを使うメンバーへの迷惑になってしまうので、気を付けましょう。
そのほかにも、大きい作品を作る場合や、インスタレーションのような空間を広く使うような作品を作る場合には、その分他のメンバーの場所が狭くなってしまうので、他のメンバーにも相談するようにしましょう。

空間を有効的に使うには

制作する時には、描くモチーフの資料を調べたり、自分の好きなアーティストの作品を参考にしながら考えることが多いと思います。そんな時は、アトリエの壁を使って資料を見える範囲に設置したり、考えを整理するために描くドローイングなどの習作を隣に飾ってみると、自分がどんな作品を作っていきたいのか、どんな表現が好みなのかが一目で把握することができ、制作自体もはかどります。自分の使っている画材や道具に合わせて棚を作ったり、道具なども工夫することで表現の幅が広がったりと、制作がより進みやすくなりますし、自分のオリジナルのものを増やすことで、大切に長く使うこともできます。
そのほかには、自宅をアトリエにして作業する時などには、好きな音楽やラジオ、お気に入りの映画やアニメなどを流しながら制作することも効果的です。

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●綺麗なアトリエの魅力

アトリエで制作に没頭すると、自然とアトリエで過ごす時間が多くなりますよね。それなのに、ゴミが散乱した状態だったり、自分で画材がどこにあるのか分からないくらい散らかっていると、インスピレーションがなかなか湧かなかったり、アトリエにいること自体が嫌になってきてしまうかと思います。長く過ごす空間だからこそ、制作自体のモチベーションを保つためにも清潔で綺麗な空間で制作しましょう。

●さいごに

アトリエは、自分の作品を集中して制作する上で、とても重要な要素のひとつです。より良い作品を作るためにも、自分が快適に過ごせるようにカスタマイズしたり、自分の制作ペースを管理したりすることができるように、制作する空間にも気を配って見てはいかかでしょうか?

(2017.5.10)

著者

齊藤梨奈

多摩美術大学 絵画学科 油画専攻を2019年3月に卒業。 古着屋、雑貨店巡り、服やアクセサリー作りをするのが好きです。

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