今回は、印象的なプロフィール写真(学祭のコスプレ!)のページから始まる、ゲーム会社勤務・キャラクターモデラーのTさんのポートフォリオをご紹介します。
細部まで丁寧に作られたモデルは、単体で魅せるだけでなく背景まで制作されており、ストーリーを想像させます。映画のような重厚感のある世界観の演出の数々、さっそく覗いてみましょう!
編集・執筆 / MAKO WATANABE , YOSHIKO INOUE
Tさん
キャラクターモデラー
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
まず、ポートフォリオのなかで特にこだわった部分を教えていただきました。
モノクロを基調に世界観を統一
Tさん:全体的に落ち着いた雰囲気に仕上げたかったので、黒と白を基調としたポートフォリオにしました。ただ黒をあまり強く出してしまうとコントラストがきつくなってしまうので少しグレー寄りにし、背景には白色のストライプを入れることで見る人を疲れさせないよう、工夫をしました。
作品情報をまとめるシンプルな黒枠
Tさん:映画などにもあるように1枚絵のページの上下には黒枠を入れました。黒枠の部分には作品の説明を入れることで、1枚絵との境界をはっきりさせ、作品がより魅力的に見えるようにしました。
模写作品は参考画像の載せ方に一工夫
Tさん:模写の作品も多く含まれているので、元の画像を1枚絵の右下に小さく入れています。その際に1枚絵の邪魔にならないよう、配置には気を配りました。
ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
映像業界、ゲーム業界
●コンセプト
自分が何をしたいのかが伝わるポートフォリオ
●ポートフォリオの構成
- 自己紹介ページ
- 3D作品
- 映像作品
- イラスト
●制作時期
2年生の10月ごろ~2年生の2月
●制作プロセス
(1)作品をピックアップ
(2)After Effectsでデータ制作
(3)学校のプリンターで出力
(4)ファイリング
●制作に使用したソフト
After Effects
●印刷 / 製本方法
学校で印刷 / ファイリング
●サイズ / ページ数
A4/39ページ
●制作にかかった費用
2000円(ファイル代)
●制作するうえで参考にしたもの
海外のゲームのUI (Skyrim、Assassin's Creedなど)
●表紙をつくるときに工夫した点
Tさん:表紙は作ってないのでプロフィールだけは目立つようにしました。学園祭でコスプレをした時の写真で、よく面接のときには話題になりました(良い意味で)。いろいろな会社で「あの写真の子だよね!」など声をかけていただけたので、派手目もけっこう良いかも。
●制作中、どんな人にアドバイスをもらいましたか。
Tさん:学校ではポートフォリオの授業があったので、その際にグラフィックデザインの講師の方にアドバイスをいただきました。僕はグラフィックデザインのことは詳しくなかったので、字詰め、フォントの使い方など、初歩的なことから教えていただきました。
●ViViViTページとの使い分け
Tさん:基本はViViViTさん経由で声をかけてくださった会社のみ受けていたので、紙のポートフォリオは面接の時や学校の作品展などで使ってました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
Tさん:僕はポートフォリオは自分の分身だと思っているので、相手が見やすいデザインにするのはもちろんなのですが、その中でも自分の強いこだわりを持って作っていけると良いと思います。自慢できるようなポートフォリオができると面接にも自信を持って臨めると思うので!
はたらくビビビット編集部より
単なる作品集になりがちなポートフォリオを、個性的な冒頭ページで“企業の人が声をかけやすい・コミュニケーションを取りやすいポートフォリオ”に仕上げたTさん。
ページをめくると、クオリティの高いモデルの数々。注目したいのは、キャラクターモデルをただ載せるだけでなく、背景デザインと一緒に載せた作品が多いことです。背景まで作り込まれていることで、「実務になったときもコンセプトの理解が早そう、ストーリーありきのモデルを作り慣れてそう」な印象を持ちました。
ポートフォリオ全体の世界観はモノクロで統一され、まずは最も手を加えられているドラゴンモチーフの作品を前半に配置し、背景やミニキャラなどその他の作品も幅広く掲載。そして作品についてのテキストはとても簡潔で、「制作意図」と「工夫した点」を短文で説明しています。クオリティの高い作品がポートフォリオの基本のポイントに則ってわかりやすくまとまっていました!
Tさん、ありがとうございました!
Tさんも活用した!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
(2023.12.21)
はたらくビビビット
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