大手ゲーム会社のアニメーターとして内定を得た清野さん。アニメーターは技術に加えて演出力も求められる職種です。動画と静止画を併用して求められるスキルを最大限アピールしたそう。魅せ方の工夫を見ていきましょう! 編集・執筆 / AYAKA SHIMOYAMA , YOSHIKO INOUE
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ここを見て!ポートフォリオの注目ポイント
■動画と静止画、各ツールの特性を活かした最大限の作品解説
編集部:応募企業にデモリールとポートフォリオを両方提出したという清野さん。動画で「技術」を、静止画で「作品制作へのパッションとエンタメ精神(=演出力)」を伝えています。映像作品の魅力は動画でないと伝わりにくいですが、その反面、動画にすることで伝えられる情報量が制限されることも確かです。清野さんはそんな情報(ラフや絵コンテ・クロッキーや、スケジュール管理の工夫点などの制作過程)を静止画のポートフォリオで補っています。 ポートフォリオとデモリール、両方ご覧ください!
▼映像作品ページを1作品分フルで掲載します。
▼ポートフォリオとあわせて提出したデモリール(↑の作品は01:06〜)
2022AnimationReel_GakuKiyono from Gaku Kiyono on Vimeo.
PROFILE
清野 岳 さん
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科(2023年卒業)
PICK UP!ポートフォリオのこだわり
クロッキーや絵コンテ用のイラストで演出面への意識を提示
清野さん:CG作品を中心に制作しているため、ポートフォリオはCGの画像が多くなってしまいがちですが、クロッキーや絵コンテ用のイラストを入れることで技術だけではない、演出面への意識も提示できたと思います。
スケジュールページを設け、管理を徹底する性格をアピール
清野さん:私自身、作品制作の後半で締め切りが近くなってきた際に多くの作業が残っていてカツカツになってしまうことが嫌だったため、制作初期からスケジュール管理を徹底していました。その徹底的な姿勢が友人の間で私のキャラクターとなっていたため、ポートフォリオにもスケジュール管理について記載し、私自身のパーソナルな部分も見てもらえるように設計しました。
制作への熱量を見て!過程を多めに見せる構成+マイナーなリグ選びで他クリエイターとの差別化を図る
清野さん:アニメーションの実力は別途提出している動画のデモリールを見てもらえれば伝わると思い、サムネイルと制作期間のみのシンプルなものにしました。このポートフォリオでは作品制作への熱量を見てもらいたかったため、他の映像作品の制作過程のページの比率を多くしています。また、デモリールの中身はネットでダウンロードできるリグ(アニメーションできるように設定された3Dモデル)を使用してアニメーションを作るのですが、なるべく他の人が使っていないマイナーなものや有料のものを使用して、少しでも差別化できるよう心掛けました。
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ポートフォリオ一問一答
●このポートフォリオを提出した業界
ゲーム業界
●コンセプト
映像だけでは伝わらない、作品制作へのパッションとエンタメ精神を伝えるポートフォリオ
●ポートフォリオの構成
- 表紙
- 自己紹介ページ
- アニメーションデモリール
- 映像作品2点
- 自主制作ゲーム
- 学校課題(メディアアート2点)
- デッサン
●表紙をつくるときに工夫した点
清野さん:一番自信のあった作品のスクリーンショットを写真集の表紙のようなイメージで配置しました。また、名前の横に3D Animatorと記載することで、最初に私がどの職種で就職したいのかを示せたと思います。
●制作時期
大学3年生の12月ごろ~2月
●制作プロセス
(1)作品をピックアップ (2)InDesignでデータ制作
●サイズ / ページ数
A4横 / 31ページ
●ポートフォリオ制作に使ったソフト
InDesign
●印刷 / 製本方法
なし(データ提出のみ)
●制作にかかった費用
なし
●制作するうえで参考にしたもの
清野さん:先輩のポートフォリオと海外のアニメーターのデモリール
●ポートフォリオを使ったプレゼンで工夫したこと
清野さん:文章をただ読みあげるのではなく、見出し文からその場で自然に話すことです。
●制作中にもらったアドバイス
清野さん:企業のポートフォリオレビューのイベントに参加して、自分のポートフォリオを見てもらいました。アドバイスをもらう前のポートフォリオはページ数が多かったため、優先度の低いページ(あまりオリジナリティがないもの、文章が多いもの)は削除しました。
●ViViViTページと紙ポートフォリオの使い分け
清野さん:ViViViTとPDFでの使い分けですが、ViViViTにはPDFと同じようなポートフォリオの一連が見れるページと、作品ごとのページで分けました。また、ポートフォリオには入れていなかった制作中の作品も入れることで「今はこんなものを作っています」というような話ができました。
●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス
清野さん:作品から溢れる熱量はその人の個性です!作品から自分がどのような人物かにじみ出るような、面接でもっと話を聞いてみたいと思えるような素敵なポートフォリオを作ってください!
編集部:各ツールの特性を上手く活用し、作品で伝えたいことを最大限詰め込まれたポートフォリオでした!清野さん、ありがとうございました! 清野さんも使った!ViViViTでポートフォリオをつくってみる
(2023.5.12)
著者
下山絢香
株式会社ビビビットの社員です。大学時代に学んだサービスデザインやUXデザインの知識を活かし、地域や学校に関係なく、すべてのクリエイターが納得のできる居場所を見つけられる世界を目指してViViViTの広報活動に取り組んでいます。
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