サイズは?ページ数は?デザイン会社内定者のポートフォリオができるまで



就活に向けてポートフォリオの制作は進んでいますか?ポートフォリオを作っていく中で、悩んだり、どうしていいかわからなくなったりすることがあると思います。ポートフォリオを一発で完璧に仕上げるのは至難の業ですよね。納得のいくポートフォリオを作るためには「ブラッシュアップ」し続けることがとても大事です。と言っても、どんな風にブラッシュアップしたら良いのでしょうか。
今回は、デザイン会社に内定した筆者が【就活で実際に使っていたポートフォリオ】をお見せしながら、ブラッシュアップの進め方をご紹介します!

編集・執筆 / HANA HIRATA, AYUPY GOTO

●ポートフォリオを作る前にやるべきこと


ポートフォリオを作るためには、まず課題制作や自主制作で作ってきた作品が必要です。ポートフォリオを作る前に、過去の作品を振り返りながら以下のポイントを考えてみましょう。

・今までどんな作品を作ってきたのか
・どんな傾向や特徴があるのか
・何が強みなのか
・将来何をしたいのか

▼作品を振り返ることで、自己分析も行えます。

●ポートフォリオ制作でよくあるお悩み

ここからご紹介する【よくあるお悩み】は、筆者自身、ポートフォリオを作りながら悩んだ点です。同じような悩みを持っている方もいるのではないでしょうか?
就活を終えた今だから語れる”解決策”を参考にしていただけたら嬉しいです。

1. 適切なサイズは?

ポートフォリオのサイズで一般的なのはA4またはA3ですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。

◎ A4サイズのメリット
・持ち運びしやすい
・一般的な家庭用プリンターで出力が可能
・見慣れたサイズなため、扱いやすい

△ A4サイズのデメリット
・サイズの大きい作品を載せた場合、実物よりも劣って見えてしまう

◎ A3サイズのメリット
・大きな作品も載せられる
・大きいので、インパクトがある

△ A3サイズのデメリット
・持ち運びが大変
・出力等にコストがかかってしまう

自分の作品の系統に合わせてサイズを選択することをおすすめします。また、パソコンの画面上だけでは、ポートフォリオのサイズ感を掴むことは非常に難しいです。何度も出力をして、しっくりくるサイズ感で制作を進めましょう!
また、余裕がある場合はA4、A3以外にもB4や定形外の大きさでも試してみてください。

2. 誰に見てもらえばいいの?

「ポートフォリオは完成したけど、作品数が少ないし見てもらうのは恥ずかしい……」という人が、いらっしゃるかもしれませんね。自信のないポートフォリオを人に見せるのは、すごく勇気がいりますよね……、わかります!ただ、他の人に見せることで、自分では気づかなかったや改善点を発見できるので、勇気を出して色んな人に見てもらってくださいね。
いきなり教授や企業の方に見てもらうのは緊張すると思うので、始めは友達同士でポートフォリオを見せ合う機会を作ることをおすすめです。

3. 具体的にどうブラッシュアップすればいいの?

課題や自主制作も同じだと思いますが、ポートフォリオもブラッシュアップをした分だけ、より良いものになります!筆者の場合は、完成版も合わせて4冊のポートフォリオを作りました。最初はコピー用紙でも良いので、出力をして大きさや見やすさをチェックしてみましょう!

筆者は、次のようにブラッシュアップを進めました。


▽1冊目のポートフォリオ
まずは作品を集めて、ひとまず制作!
見開きに写真をいくつも配置したので、作品が小さな印象になってしまいました。





▽2冊目のポートフォリオ
写真を大きめに配置し、横構図にしてみました。
しかし、ページに変化がなくつまらない印象に。



▽3冊目のポートフォリオ
A4サイズだと作品が小さな印象になってしまったため、次は思い切ってB4の縦構図に。作品の詳細情報なども見やすくしました。



▽完成版(4冊目)のポートフォリオ
こまかい微調整をして、完成!つくっては印刷し、見る側の率直な印象を想定しながらブラッシュアップしていきました。

4. ポートフォリオに個性を出すには?

いろんなお手本を見て、「ポートフォリオを作らなきゃ!」と思うと、ついつい本のサイズや紙の種類、製本の仕方などデザインの部分ばかりを気にしがちです。筆者自身も、1冊目を作った時は大きな構成を考えず、いきなりデザインに入ってしまいました。細かなデザインにこだわるのも大事ですが、まずはポートフォリオを通して伝えたいことをまとめ、そこからデザインを決めていきましょう。

・自分は何が得意なのか
→今までの作品を振り返って、自分の傾向を分析
・将来どんなことをしたいのか
→自分の得意なことを活かして将来どうなりたいのかを分析

これらを整理すれば、自ずと個性や自分らしさが出てくると思います。ポートフォリオづくりの時点で上記をまとめる時間をとっておくと、その後の面接で作品や自分自身について聞かれたときの対策にもなりますよ。

5. 作品以外に載せておきたいことは?

ポートフォリオは、作品画像を並べるだけでなく、プロフィールやキャプションなどを載せる必要があります。プロフィールページには、自分の得意なこと/将来どんなことをしたいのか/今までどんな気持ちで制作に取り組んできたのかなどを書くと、印象に残るポートフォリオに一歩近づけると思います。
作品を見せるだけでは伝えきれない「自分自身の想い」の部分を記載しましょう。

▽筆者のポートフォリオでは、細かいプロフィール(名前や学歴など)を載せたページの前に、「制作に対するメッセージ」をまとめたページを入れました。

6. 印刷はどうするの?

印刷は、自宅や学校プリンタで印刷もしくは印刷会社で出力と、大きく2パターンがあると思います。インクジェットプリンタとレーザープリンタでは、仕上がりの印象がかなり異なるので注意が必要です。
ポートフォリオの印刷についてはこちらの記事を参考にしてみてください!

ポートフォリオの「印刷」で悩まない!印刷会社・紙・印刷手段の選び方

7. ページ数は?

ページ数に関する明確な答えはなく、多いほうが良い・少ないほうが良いという意見も企業によってそれぞれ違います。採用候補者の多い人気企業は、一人当たりのポートフォリオを見てもらえる時間が少ないため、多すぎないページ数で簡潔にまとめた方が良いと思います。その企業の選考方法などをしっかりと調べて、自分はどのようにポートフォリオでアピールすべきか考えることが大事です。

そして、見る時間が短くても【自分の伝えたいこと】がしっかり伝わるポートフォリオになっているかどうかは、デザインの腕の見せどころです。例えば、文字情報が多くなりがちなときは、一目で分かるキャッチコピーをつけたり、グラフや図をつけたりと、伝わりやすくする工夫をいろいろと検討しましょう。

●最後に


冒頭でも言ったように、いきなり完璧なポートフォリオを作り上げられる人はなかなかいません。ポートフォリオは、人に見てもらって、何度も失敗を繰り返しながら完成するものです。なので、1冊目に作るポートフォリオはとにかく楽しく、自由に作ってみてください!そこからブラッシュアップを繰り返して、納得のいくポートフォリオを目指していきましょう!

先輩ポートフォリオが見れる!「ポートフォリオ百科」

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(2019/07/29更新)
(2019/04/02更新) (2019/03/18更新)

(2018.11.29)

著者

平田華

多摩美術大学情報デザイン学科卒業。紙媒体を中心に作品を制作中。

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