基礎画力とフォトリアル。業界が求めるスキルに応えつつ、自分の表現も妥協しない|ポートフォリオ百科 ゲームデザイナー

今回ご紹介するのは、ゲーム会社のデザイナー・Aさんの就活ポートフォリオです。「自分が見せたい表現」と「企業が採用で見たいスキル・レベル感」がバランス良くまとまっているポートフォリオは、絵を仕事にしたいと考える多くの方の参考になると思います。さっそく覗いてみましょう!
編集・執筆 / YOSHIKO INOUE

 

Y.A さん

2019年3月大阪芸術大学デザイン学科卒業
2019年4月〜ゲーム業界デザイナー

 

PICKUP!

まず、ポートフォリオのなかで特にこだわった部分を教えていただきました。

作品の世界観に合わせ、余白部分を黒に

Aさん:私の作品は光と影を意識した作品が多いので、ポートフォリオ全体の余白を黒で落とし、画面を引き締めました。ファイルも黒に統一しています。特にコンセプトアートに効果があったと感じています。
 

ゲームのページは「プレイしてみたい」と思わせる見せ方を

Aさん:インターンで制作したゲームをまとめたページです。パッと見で「プレイしてみたい」と思ってもらえるよう、さまざまなシーンを切り取って載せました。
インターン中には作ることができなかったのですが、後から「やはりキービジュアルは欲しいな」と思い、ポートフォリオを作る際に新たに制作しました。

 

提出企業のカラーに合わせ、自己紹介ページを作成


Aさん:自己紹介ページは最後に配置し、ゲームイラストに寄せた自画像を制作しました。キャラのテイストだけではなく画面全体の色調やUIも寄せることで、どのプロジェクトにも柔軟に対応できることをアピールすると同時に、商品愛も伝えられたかなと考えています。
完全に再現するというよりは、少しアイデアを足したりユーモアが出たりするように意識しました。採用・不採用ボタンは「受け取る側に選択肢がある」という、ゲームの特徴を取り入れたものです。

 

ポートフォリオ一問一答

●このポートフォリオを提出した業界

ゲーム業界

●コンセプト

画集のようなポートフォリオ

▼最小限の文字で意図が伝わるようにし、グラフィックをメインにレイアウト

●ポートフォリオの構成

  • 表紙
  • コンセプトアート(自信作)
  • コンセプトアート集
  • テイストを変えた2Dイラスト
  • インターンの制作物
  • お仕事を頂いたデザイン
  • キャラクターイラスト
  • 大学の課題
  • スケッチブックからの寄せ集め
  • デッサン
  • 自己紹介

 

 
▼デッサンは見開き1ページですっきりとまとめている。

●制作時期

3年生の春頃~4年生の春頃

●制作プロセス

(1)作品をピックアップ
(2)Illustratorでデータ制作
(3)大学のプリンターで印刷
(4)ファイリング

▼CHECK!表紙のこだわりは?
●業界が求めるスキルを想定し、それが出来ることをアピール

編集部:ゲーム業界の就職活動を続けるうちに、2つの共通点を見つけたAさん。
①基礎画力を重視している会社が多い
②フォトリアルな表現ができる人を求める傾向にある

ポートフォリオの表紙では、“この2点が出来ること”と“自身の表現したいこと”が一目で伝わり、かつ自身の一番の力作となるように制作したそうです。

●制作に使用したソフト

Photoshop、CLIP STUDIO PAINT、Illustrator

●印刷 / 製本方法

大学のプリンター / カバーつきファイルに挿し込み

▼ファイルは光沢感が強い、丈夫なタイプ。

●サイズ / ページ数

A4 / 40ページ

●制作にかかった費用

一冊3000円

●制作するうえで参考にしたもの

先輩たちのポートフォリオ

●ポートフォリオを作る上でアドバイスをもらった人

先輩やゲーム会社の方など

●これからポートフォリオを制作する人へのアドバイス

Aさん:なるべく早いうちから制作して、他の人にアドバイスをもらいながらブラッシュアップしていくのが良いと思います!また、就活のイベントで企業が内定者のポートフォリオを展示している場合があるので、積極的に参加して“どのくらいのレベルならば内定がもらえるのか”を把握しておくのも大切だと思います!

はたらくビビビット編集部より

業界が求めるスキルを見据えて表紙のデザインに反映させたり、お手本のポートフォリオを見てレベル感を把握したりと、“企業目線”をキャッチしてポートフォリオづくりを行ったAさん。作品数については「人はクオリティの低いものに目がいってしまうので、ページ数を抑え自信のあるものだけで構成した」と話していました。
また、制作当時コンセプトアーティストを志望していたことから、ポートフォリオは背景画が多めです。「グラフィッカーを志望しているのに、文字やUIで説明しないと相手に魅力が伝わらないのは良くない」と考え、文字はなるべく最小限に抑えたレイアウトにしています。作品数からレイアウト、背景色まで、すべてのデザインに意図があるポートフォリオは、強い説得力がありました。
Aさん、ありがとうございました!

 

(2019.9.3)
Yoshiko Inoue

著者紹介

井上佳子Yoshiko Inoue

はたらくビビビット編集長。 株式会社ビビビットの社員です。メディアを通し、制作活動やデザイナーの就活に役立つ情報を発信していきたいです! Twitter
記事一覧へ