【ミクシィ特集】チームでケタハズレな冒険を!大ヒットゲームアプリ“モンスト”のキャラクター制作の裏側とは。

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mixi特集

mixi creators special interview! 第2弾は、株式会社ミクシィの「XFLAG™(エックスフラッグ)スタジオ」で働く、3名のクリエイターにお話を伺いました。エックスフラッグスタジオは “ケタハズレな冒険を。”をテーマに「モンスターストライク」をはじめとしたゲームや映像など、さまざまなコンテンツを世界に向けて発信しているスタジオです。今回は、エックスフラッグスタジオの中でつくられているコンテンツの中で、今最も盛り上がっている「モンスターストライク」の制作秘話をお届けします。イラストレーターやゲームプランナーなど、ゲームのお仕事に携わりたいと考えている方は必見のインタビューです。編集・執筆 / AYUPY GOTO

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砂村 哲平すなむら てっぺい

株式会社ミクシィ エックスフラッグスタジオ 企画・運用部
国内パブリッシュグループ 企画チーム プランナー

 

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鈴木 景子すずき けいこ

株式会社ミクシィ エックスフラッグスタジオ 企画・運用部
デザイングループ イラストチーム アートディレクター

 

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和田 尚乃わだ ひさの

株式会社ミクシィ エックスフラッグスタジオ 企画・運用部
デザイングループ イラストチーム

 

モンスターストライクとは
株式会社ミクシィの代表作『モンスターストライク』は、iOS/Android用のスマホゲームアプリ(協闘型RPG)である。通称「モンスト」と呼ばれており、株式会社ミクシィの新ブランド「XFLAG™(エックスフラッグ)スタジオ」で制作されている。自分のモンスターを指で引っ張って、弾き敵のモンスターに当てて倒していくターン制のゲームで、壁やモンスターへの”跳ね返り”や”ぶつかり”を上手く活用することで、クエストを攻略。一緒にいる友だちと最大4人まで同時に遊べる協力プレイ(マルチプレイ)が特徴。
モンスターストライク公式サイト

 

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― 本日はよろしくお願いします!まずは、みなさんが「モンスターストライク」の制作にどのように携わっているのか、それぞれお仕事内容を教えてください。

砂村さん:僕は、モンスターストライク(以下、モンスト)の国内版の企画チームでプランナーとして、ゲームやアニメに登場するキャラクター設定を考えたり、ゲーム内で開催するイベントを企画したりと、企画立案するのが主な仕事内容です。その他には、ゲーム内のキャラクターやステージのネーミングであったり、デザインチームやキャラクターボイスの外注先とのハブとなって制作の進行管理などもしています。

和田さん:私は、砂村さんがいる企画チームの方々と一緒に、キャラクターのコンセプトやストーリーづくり、キャラクターの制作進行管理、キャラクターを絵に描き起こすための仕様書作成などを行っています。その他には、発注関連の書類作成、契約書作成など事務系の仕事も担当しています。

鈴木さん:私は、イラストチームで、アートディレクターとして、主にモンストに登場するキャラクターイラストの制作及びディレクションを担当しています。イベントごとに、必要なキャラクターのイメージが書かれた「仕様書」が作られるのですが、その仕様書に沿ったキャラクターの制作をイラストレーターさんに依頼し、描き進めていただきます。もしイラストが仕様書の意図とずれた表現になっていたら「ここは◯◯にしてください」といったように、具体的に修正を依頼し、完成まで導いていくのがアートディレクターとしての仕事です。また、自分で手を動かしてイラストを描くこともあります。キャラクターの魅力や価値を最大限に引き出したものをつくり上げるのが、私たちイラストチームのお仕事です。

― どのようなチーム体制で、制作を進行しているのでしょうか。

砂村さん:ざっくりとした制作進行の流れは、僕がモンストでこういうことがしたい!というアイデアを出し、そこから和田さんや他の企画チームのメンバーと一緒にキャラクターのテーマやストーリー設定を決めるためのミーティングを重ね、内容をつめて仕様書にしていきます。仕様書が完成したら、鈴木さんをはじめとしたイラストチームのアートディレクターにお渡しして、イラスト制作を進めてもらいます。

― みなさんは、いつからモンストの開発に携わっているのでしょうか。

砂村さん僕と和田さんはモンストをリリースした直後からです。鈴木さんはその少し後に入社しました。それから数ヶ月後、僕と和田さんが企画し、鈴木さんが制作したアリスというキャラクターを、獣神祭というイベントで登場させたところ、ユーザーのみなさんから非常に大きい反響を頂いたことがとても嬉しかったですね。

― モンストはどういった点がユーザーに評価され、ヒットにつながったと思いますか。

鈴木さん:一人ではなく、誰かと一緒に遊べるという点ですね。

和田さん:モンストがリリースされた当時は、同じ時間、同じ場所に一緒にいる人たちと同時にできるゲームは少なかったと思います。モンストは友達と一緒に遊んで盛り上がり、人と人とのつながりを楽しむことができるゲームです。もちろん一人でも楽しめますが、一種のコミュニケーションツールとして、多くのユーザーに楽しく遊んでいただいていると思います。人が人を呼び集めて、コミュニティが広がっていく様子は、制作側から見てもとても嬉しかったですね。モンストをやっている人同士であれば、年齢・性別関係なく誰とでも繋がれるなんて、素敵じゃないですか。

ファンに楽しみ続けてもらうために。
キャラクターに込められた裏ストーリー

― 砂村さんがキャラクターやゲーム内イベントを新たに企画する際、タイミングや内容など、どういった基準で進められているのでしょうか。

砂村さん:新しい企画を考えるタイミングはいろいろあります。基本的には、定常イベントとして月2回のイベントを行うことが決まっているので、イラストの納期から逆算したスケジュールに合わせて企画を進行させています。それに加えて季節感も大事にしていますね。たとえば、クリスマス、夏休み、お正月、ハロウィン…といったイベントの時期には、モンストでもシーズナルなキャラクターを登場させたイベントを行ったりします。また、モンストでは、ファンタジーであったり和風のものであったりとさまざまな世界観のシリーズがあるのですが、連続して類似した世界観のものを出さないようにしていますね。常に色とりどりなキャラクターで溢れている状態にしたいので、マンネリ化しないようなキャラクター企画を意識しています。

― リリースしたキャラクターの利用率などの結果から、今後の方向性などを判断されることもあるのでしょうか。

砂村さん:もちろん、つくったキャラクターやイベントのモチーフがどのくらいのユーザーに受け入れられたのか、使用されているのか、人気があったのかは見ています。初日の売り上げで人気のあるモチーフだったかどうかを判断することもあります。ただイベント期間を通して平均して人気の高いモチーフがあったりもするので、キャラクターの人気の伸び方はさまざまです。たまに予想外のものが人気になることもありますが(笑)そういった結果から、次はこういったイベントやキャラクターをつくろうと、企画チームで話し合って毎回アイデアを出しています。

 

― モンストで登場しているゲームキャラクターは、どのような方法からアイデアを出して、デザインをイメージされているのでしょうか。

和田さん:既存キャラクターを元にしてつくる場合は、もともとある設定を全部無しにしてつくることはなく、モンストのキャラクターとしてどのように表現することで、設定を活かしたより良いキャラクターがつくれるかを考えています。ゲーム上で説明はしていないですが、実はひとつひとつのキャラクターに裏設定やストーリーが決められているんですよ。

― 個々のキャラクターにストーリーまで存在するのですね!ストーリーを考えるのも砂村さんや和田さんのお仕事ですか。

砂村さん:ストーリーやコンセプト決めは、僕や和田さんをはじめ、企画チームとイラストチームで協力して行います。ストーリーをつくるという仕事は、各チームの中でも得意な人が担当するようにしています。最近ではゲストを招いて斬新なアイデアを取り入れるようにもしています。

モンスターストライクに登場する、キャラクターのストーリーとは

叡智の神火プロメテウス_進化後
叡智の神火 プロメテウス

砂村さん:例えば、最近リリースした「叡智の神火 プロメテウス」というキャラクターがいます。こちらのキャラクターは“人間に火の力を与えた神様”という設定です。おそらく同じモチーフの場合、かっこいい火の戦士のキャラクターを描くゲームがほとんどだと思うのですが、モンストでは、火そのものをキャラクターにしてみました。実際、人間は火の利用により、火を使った調理をするようになったりして飛躍的に進化していったといいます。そういった神話や史実の或る側面に焦点をあて、デフォルメした結果、人を助けるためにバーベキューに乗って世界を飛びまわっている…といったストーリーになっていきました。

― 確かにユニークな設定ですね。ほかのゲームとはかぶらないようなビジュアルにする努力も、キャラクターを見て感じます。なぜ肉を持っているのだろうと思っていましたが、謎が解決しました(笑)。

和田さん:先ほどご紹介した「叡智の神火 プロメテウス」と同じように、神から火の力を得た「破滅の業火 プロメテウス」というキャラクターがいます。ですが、そちらはまた違う火の使い方をしていて、火が起源となって起こってしまう争いなどの負の側面を“暴走する”という表現で描いています。その2パターンで描こうという話になって、現在のキャラクターが誕生しました。

鈴木さん:基本的にモンストのキャラクターは、進化前と進化後で、ストーリーが繋がるようになっているんです。イラストを描く上でも、そのストーリーを想起できるようにするため、適切な表現をしようと気をつけています。

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小さな携帯画面で見ても、
忘れられないインパクトとストーリーを
キャラクターとして描く。

― モンストに登場するキャラクターは、とても細かく丁寧に描かれている印象です。鈴木さんはどのようなアートディレクションを行っているのでしょうか。

鈴木さん:モンストでは、イラストのテイストを統一するためのマニュアルがあり、私のみならずアートディレクター陣の皆が「モンスターストライクのキャライラストの基準」を認識した上でディレクションできるよう、チーム内で共有しています。モンストではキャラクターを制作する際、アニメ塗りと厚塗りの中間のような塗り方をしているのですが、これはこの業界で言えば決してトレンドの塗り方やデザインとは言えず、どちらかといえば少し懐かしいようなテイストになっていると思います。ですが、モンストの熱い魂!友情!冒険!といった少年漫画風の世界観にマッチしていると思いますし、最近ではこういったキャラクターイラストのゲームが少なかったので、逆に差別化されて、絵を見るだけで「モンストだ!」と、判断してもらえるようなブランディングができたのではないかと思います。

和田さん:あと、イラスト制作の仕様書には、ストーリーやキャラクターの状況や性格についてなど、細かい設定が書いてあります。仕様書ではイメージしきれないような細かな演出は、アートディレクターとプランナーが細かく確認をとりながら描き進めています。

鈴木さん:イラストレーターやアートディレクターが、仕様書をよく読み取ってイラストに描き起こすことで、公表していない裏設定にも関わらず、ファンの方が絵をよく観察して、設定内容を解釈してくださるんです。

― モンストに限らず、携帯で遊ぶゲームは小さい画面の中で印象に残るような表現をしないといけないと思いますが、見てもらった時にインパクトのあるイラストにするための工夫などはありますか。

鈴木さん:先ほどもお話しした“アニメ塗り”は、モンストの世界を構築する上で最良の表現だと思うので取り入れています。また、必ずイラストの最終チェックで、実際のゲーム画面のモックを背景にしてキャラクターを配置してみて、携帯画面からイラストがどのように見えるのかを確認するようにしています。パソコンで描いているイラストと、携帯のゲーム画面上で見るイラストとでは印象が変わる可能性があるので、本番環境になるべく近い状態でチェックして、微調整を重ねていくんです。キャラクターの一番見せたいと思っているポイントに、パッと目がいくように、周りのエフェクトや装飾などを細かく修正していきます。

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絵が上手いだけでは仕事はできない。
密なコミュニケーションが、
最高のチームと、良質なイラストをつくる。

― ゲームキャラクターを制作する上で、大切にしていることを教えていただけますか。

鈴木さん:チーム内のコミュニケーションを一番大切にしています。チームワークが成り立たないと、絵を一つ完成させるのもすごく大変なんです。なので、コミュニケーションのとり方は細かく気をつかっていますね。例えば、制作中のキャラクターのラフデザインに違和感があり、自分で判断しきれなかった時に、すぐにまわりに相談できるような関係性を築いたり、周りの意見を拾えるように都度ミーティングをしたり、密なコミュニケーションをとることを大事にしています。

和田さん:企画チームとイラストチームの席を近くにすることで、お互いのパソコン画面を見せ合って、思ったことや考えたことをすぐに話せるような環境にしています。やはり、イラストの指示を、メールの文字だけで伝えるのは限界を感じますし、直接コミュニケーションをとった方が、温度感が伝わるので進行もしやすいですね。

― エックスフラッグスタジオでイラストレーターとして働く場合、どういった能力が必要なのでしょうか。

鈴木さん:絵が上手いというだけではなくて、社内の人たちと密なコミュニケーションがとれる人がいいですね。絵を描くことに集中したい!といった気持ちも大切なのですが、ミーティングをしたり、途中経過を細かく報告したり、チームで一緒に商品をつくるという意識は忘れないでほしいです。モンストチームでイラストレーターとして働いていただくことになった場合、もちろんモンストのキャラクターの絵を描いてもらうことになりますが、そこで自身の絵柄だけを全面に出して描くような方だと難しいですね。モンストは、個性的なキャラクターや表現も多いのですが、その中でも守っていきたい世界観はあるので「テイストを合わせて描く」という意識は大切にしてほしいです。

― 学生時代に制作活動をする上で気をつけることや、身に付けておくと良いことはありますか。

鈴木さん:できれば、デジタルツールを使って絵を描く経験と、デッサン力を身につけてほしいです。美大の場合ですと、ファインアートだったりイラストだったり、アナログで絵を描く人がまだ多いのではないかと思いますが、Web業界はほとんどがデジタル制作なので、デジタルツールを使って絵が描けるスキルは即戦力として望ましいです。デジタルツールは普段と違う画材を使うような感覚で覚えてもらえたらと思っています。また、基礎的なデッサンを描き続けた経験は必ず活きます。人や動物の骨格が描けないと、キャラクターの体もバランスよく描けないので、デッサン力は学生時代に身につけてもらえると、かなりの強みになると思います。

和田さん:新卒の方には、学生時代の間に自分の表現領域を広げてほしいです。どれだけいろんなタイプのキャラクターが描けるのか、幅広いテイストの塗り方ができるのか、ポートフォリオの作品で幅が見れた方が好ましいですね。ゲームイラストのお仕事は男の子、女の子、お年寄り、モンスター、可愛い動物、武器、ロボット、布…など、様々なモノを描く必要があるので、表現の幅はとても大切だと思います。

鈴木さん:可愛い女の子だけの絵を描いてください!という仕事は、エックスフラッグスタジオにはおそらく無いと思います。例えばモンストに登場するアリスのキャラクターは、可愛いのにマシンガンを持っていたり、サイケデリックなうさぎのぬいぐるみを連れていたり、一般的に認識されるアリス像とは少し違うキャラクターになっています。そういった「可愛いだけじゃない」演出を取り入れつつも、どう表現が出来るかが重要です。

― コンシューマーゲームの会社に入りたいと思っている学生も多いと思うのですが、ゲームアプリだからこその面白さ、魅力を教えてください。

鈴木さん:自分の携わったものがすぐに世に出て、すぐに結果が返ってくる、そのスピード感が楽しいです。その結果に対して良し悪しの判断も即座にできますし、次のアクションを決める作戦会議もスピーディに進みます。コンシューマーゲームのように、年間で計画して進行するゲーム開発と違った面白さがあると思います。

― 今後、モンストをどのように展開させて、成長させたいですか。

和田さん:ユーザーに新しい体験を提供することを目標としているので、決してゲームにこだわる必要はないと思っています。今携わっているモンストが、今後どのような形になるのか、その都度チームのみんなで考えて、叶えていけたらと思っています。新しいことに常にチャレンジしていきたいですね。

砂村さん:ゲームという枠にとらわれないで「モンスト」というコンテンツを成長させることに、力を入れたいと思っています。10月からアニメもスタートし、さまざまな方向に展開しておりますので、個人的には自社から強力なIPを創出したいという夢があります。夢で終わらせないよう、チームで協力してもっと良いコンテンツへと成長させたいです。

― モンストやエックスフラッグスタジオの今後の展開が楽しみです!砂村さん、鈴木さん、和田さんお話ありがとうございました!

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Ayupy Goto

著者紹介

後藤あゆみAyupy Goto

はたらくビビビット編集長。 フリーランスで“『ツクル』を仕事にしたい未来の子供たちのために。”を、コンセプトとして活動。クリエイター支援、スタートアップ支援を行っています。おばあちゃんになるまでに美術館をつくるのが夢です 。
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